こんな方におすすめ
- リビング学習が注目されているけど、実際に効果があるのかを知りたい
- 中学受験においてもリビング学習がおすすめなのか気になっている
- リビング学習をこれから取り入れたいと考えている
難関中学に合格した子がリビング学習をしていたことが話題になり、「リビング学習」が注目されるようになりました。
そこで本記事では、中学受験における「リビング学習」の効果やメリット・デメリットについてご紹介します。
実際にどのようなメリットがあるのか、そして気になるデメリットも解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
中学受験におけるリビング学習のメリット
リビング学習の良さが世間で浸透していますが、実際にはどんなメリットがあるのかをご紹介します。
安心して勉強できる
リビング学習のメリットとして、まずは「子どもの心が安定すること」が一番です。
孤独感や寂しさを感じやすい自室学習とは違い、家族の気配を感じられるリビングでの学習は子ども自身も安心感を得られ、勉強に集中することができます。
小学生で自分の部屋を与えられた子も、まだまだリビングで勉強をするという子も少なくありません。
その要因として、心が安定せず不安な気持ちから勉強に集中して取り組むことができないことが考えられます。
大人の目が届くので、一人ではつい怠けてしまうという子にも効果的と言えます。
学習状況を把握できる
リビング学習の場合、親は家事をしながら子どもが勉強する姿を確認することができます。
仮に、自分の部屋にこもって勉強を進めた場合、本当に勉強をしているのか分からず、親としては進行具合を把握することもできないため心配ですよね。
一方で、ごはんを作ったり、洗濯物を片づけるなどの家事の合間に子どもの様子を確認できるリビング学習は、親にとっても都合が良いでしょう。
問題につまずいた時もすぐにフォローできる
近くで勉強する姿を見守ることができるので、問題に苦戦していたり悩んでいるなどつまずいている場合には、すぐに駆けつけることが可能です。
自分の部屋にこもってしまうと、分からない問題があってもわざわざリビングまで聞きにくることなく、放置してしまいがちです。
リビング学習であれば、子どもからも直接声をかけやすいので、分からないことや困ったことはすぐに助けを求めることができるのもメリットの一つでしょう。
親子間のコミュニケーションが円滑になる
リビング学習であれば、親や家族との距離感が近いので、コミュニケーションを取りやすいです。
問題を解くのに苦戦したときはもちろん、些細なことも話しやすく、ほど良い距離感で関わることができます。
特に、少しずつ自分でものごとを考えるようになる高学年であれば、自室にこもってしまったり一人の時間を求めるようにもなるので、日々のコミュニケーションも減りがちです。
リビング学習によって家族と同じ空間で過ごせることは、適度な関わりを持てるので、円滑なコミュニケーションが可能になるでしょう。
集中力が身につく
リビング学習と集中力が結びつかないというイメージを持つ人もいるかもしれませんが、かえって人の気配がしたり、雑音がするなど多少の物音がする方が神経質になることなく集中できる力が身に付きます。
結果的に、学習習慣も身に付けることができるのです。
自室とは違い、子どもが楽しめるものや誘惑となるものが比較的少ないことも、集中力をアップさせることに繋がるでしょう。
リビング学習であれば、帰宅してすぐに宿題や勉強に取り掛かりやすく、勉強へのハードルもぐっと下がるのも大きな要因です。
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親の姿を見せられる
親が頑張る姿や何かに取り組んでいる姿を見せることは、子どもにとって良い刺激になります。
同じリビングの空間で、親が仕事や勉強などを一緒にすることがあるかもしれません。
そんな親の姿を見て、子どもも「がんばろう!」と改めてモチベーションを上げることにも繋がるでしょう。
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パソコンやタブレットですぐに調べられる
パソコンやタブレットがすぐに手に届くリビング学習であれば、分からないことや調べ物をする際もすぐに取り掛かることができます。
近年、リビングにパソコンやタブレットを置いている家庭も少なくありません。
学校でも取り入れられているタブレットやプログラミング授業を、スムーズにこなしていくためにも日頃からパソコンやタブレットに触れておくのも良いでしょう。
しかし、すぐに疑問を解決できる便利なツールである一方で危険も潜んでいるのも事実です。
自室でこもって使用するよりも、リビングなど親の目が届くところでの利用が望ましいでしょう。
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中学受験におけるリビング学習のデメリット
次に、リビング学習をする上で生じるデメリットについて、詳しくご紹介します。
姿勢が悪くなる
直接床に座って勉強するなどした場合には、姿勢が悪くなりがちです。
リビング学習といっても、ダイニングテーブルで椅子に座って勉強する場合もあれば、リビングの座卓を使用して床に座って勉強する場合など、各家庭によってそのスタイルは様々でしょう。
少しでも姿勢良く勉強するためにも、座卓ではなく、できるだけダイニングテーブルなど椅子に座るスタイルで学習することが望ましいとされています。
視力が悪くなる
学習机よりも暗くなりがちなリビングの照明では、視力の低下が懸念されます。
自室で勉強する場合、学習机で勉強することが多いかもしれません。
一方で、リビング学習をする子どもの全員が当てはまるわけではありませんが、リビング学習では視力が低下する子も少なくありません。
リビング学習をする場合でも、手元を照らすための照明を使用するのも一つの方法です。
切り替えが難しい
リビングにはテレビがあったり、家族がくつろいで過ごす場所でもあるため、勉強をするには気持ちを切り替えることがなかなか難しい場合もあります。
子どもがリビングで勉強をする際は、テレビを消したり、リビングで親も静かに過ごすなど、勉強に集中できる環境を整えることも時には必要です。
特に夕食後は家族がリビングでゆっくりと過ごす場合も多いでしょう。
勉強する本人はもちろん、家族みんながストレスを感じないためにも、時間を決めてリビング学習を行うことをおすすめです。
親が過干渉になりがち
親の目が届く場所で子どもが勉強をしていれば、どうしても子どもに必要以上に声をかけてしまったり、余計なことを言ってしまうなど過干渉になりがちです。
子どもにとっても次第にストレスとなり、やる気がなくなってしまう可能性もあります。
時には言いたい気持ちをぐっとこらえて見守る姿勢が大切です。
声をかける場合も、科目ごとの合間や休憩時に声をかけたり、タイミングを見て声をかけるなど工夫すると良いでしょう。
家族にとってストレスになることもある
家族にとっては、ゆっくりとくつろげるリビングですが、その横で勉強を始める子がいれば無意識に家族のみんなは、気を遣ってストレスに感じてしまうこともあります。
リビングで学習するので、それなりの勉強用具をリビングに持ってくることになるでしょう。
くつろぐはずのリビングに学習用具を置かれることで、なんとなくリビングが散らかっているようにも感じてしまいます。
特に低学年のうちは、机に鉛筆の跡や消しかすが残り、親は気になってしまいますよね。
帰宅後から勉強をしていれば、夕食時の準備にも影響し、家事が思うように捗らないこともあるかもしれません。
兄弟がいれば、リビングで遊ぶ音や騒音が気になり、本人はもちろん、遊びを制限される兄弟もストレスを感じてしまう可能性もあるでしょう。
リビング学習はいつまで続けるべき?
結論から言うと、特にいつまでとは決まっていませんし、親が決めるものでもありません。
小学校低学年であれば、家族の気配を感じていたかったり、そもそも一人の部屋を必要としていない場合も多く、必然的にリビング学習になるご家庭も多いでしょう。
子どもの成長とともに、リビングでの勉強に集中できなくなってきます。
親の目が気になったり暗記事項が多くなるなど、一人で部屋にこもって勉強したいという気持ちも芽生えるでしょう。
それはとても自然なことです。
学年が上がることで子どもの気持ちに変化が出てきた場合には、子どもの意見や学習内容に合わせて勉強する場所を変えていくなどして、リビングと自室を使い分けるのも一つの方法です。
その際は、しっかりと子どもの気持ちに寄り添い、意見に耳を傾けることが重要です。
低学年はリビングで学習習慣を身に付ける
リビング | 学校や塾の宿題・問題集などを取り組む |
自室 | 暗記もの・工作やお絵描きなどの作業をおこなう |
低学年のうちは、基本的にはリビングでの学習をおすすめします。
低学年のうちは、まだまだ一人で子ども部屋で勉強することは難しいものです。
まずは、学習習慣を身に付けるという意味でも、リビングでの学習から始めてみるのも良いでしょう。
リビングでは、宿題・家庭学習などの基本的な勉強など、安心する空間の中で勉強できることが一番です。
親の目も届くので、分からない点もすぐに解決でき、スムーズに勉強を進められます。
この時、親が横から口を出し過ぎないように気を付けましょう。
一方で、暗記もの・お絵描きなどの作業系は、自室がおすすめです。
道具を必要とする作業系の場合には、リビングで広げられるよりも自室の方が気兼ねなく思い切り取り組むことができます。
親も、片付けを促す必要はありません。
自室の場合でも、扉を開けて家族の気配を感じられる環境にすると、子どもは安心して取り組めます。
扉を閉める場合も、他のことをしていないか・行き詰まっていないかなど気にかけるようにしましょう。
高学年以降は子どもの気持ちを尊重して
リビング | 宿題・毎日のルーティン作業を取り組む |
自室 | 周囲を気にせず集中したい・受験勉強を行う |
学年が上がるからと言って、リビング学習を強制的に辞めさせる必要はありませんが、勉強内容の幅がぐんと広がることを考えるとリビングと自室をうまく使い分けることも必要です。
そのためにも、リビングと自室のどちらでも学習できるよう、日頃から集中できる環境を整えておくと良いでしょう。
リビング学習を行う場合には、「勉強する姿を見てほしい」「自分の頑張りを認めてもらいたい」という子どもの気持ちを尊重しつつも、距離感には十分に注意しましょう。
低学年の時のように頻繁に声をかける必要はありません。
子どもとほど良い距離を保ちながら、子どもがストレスを感じない程度に見守ることが重要です。
とはいっても、自宅学習のスケジュールや時間を子ども自身が意識できるよう働きかけ、受験勉強に対するモチベーションを維持していけるようなサポートはしっかりとしていきましょう。
リビングにこだわる必要はない
学年が上がるにつれて「集中して勉強したい」と思うのは、自然なことです。
特に、下に兄弟がいる子どもにとっては様子が気になることもあるでしょう。
そんな時は自宅のリビングにこだわらず、自室や図書館、塾の自習室など臨機応変に集中できる場所を選択することが大切です。
一方で、親の目が届きにくくなるというデメリットも生じます。
子どもにストレスを感じさせない程度に、たまに勉強の進み具合や不明点などがないか確認することも忘れないようにしましょう。
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リビング学習の効果を高めるポイント
リビング学習をすることで様々なメリットがあることが分かったと思いますが、親がただ同じ空間にいれば良いというわけではありません。
ここからは、リビング学習の効果を高めるために意識すると良いことをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
子どもに寄り添うこと
いくら子どもが安心して親の近くで勉強できるからと言って、頑張って勉強しているすぐ横で親がテレビを見たり、スマホを触っていては、子どもも気になってしまい集中できません。
親として、勉強を頑張る子どもの気持ちにしっかりと寄り添い、勉強に向き合える環境を作ってあげることが大切です。
必要な場面でサポートをする
リビング学習をしていると、分からないことがあれば近くにいる親に尋ねることもあるでしょう。
そんな時、親が「アドバイスできない」では困ってしまいます。
最初から最後まできっちり教える必要はありませんが、簡単な基礎問題の内容を振り返ったり、教材を振り返ってみるなどのサポートをしていけるとよいですね。
学習内容に関心を持つ
子どもの学習内容に興味関心を持っている家庭は、成績にも良い影響を与える傾向があります。
子どもがどんな問題が苦手なのか、得意なのか、親が把握しておくことはとても重要です。
子どもの気持ちを考えてみても、成績だけを見て口出ししたり判断するのはやめましょう。
不明点などは塾の講師に聞くよう促す
子どもが分からない問題を、始めのうちは親が教えることができても、次第にレベルも上がれば難しくなってきます。
そんな時は、塾の先生にしっかりと聞くよう日頃から伝えておくことが大切です。
しかし、中には素直に聞いたり、質問することが苦手な子もいるでしょう。
そんな時には、子どもの苦手ポイントを先生に代弁してあげることも、親として重要な役割です。
「〇〇の問題が苦手なようなので、子どもに教えていただけますか?」などと声を掛けておけば、先生がフォローに入ってくれることが多いです。
自宅学習の場所は子どもの気持ちを尊重しよう
今回は、リビング学習のメリット・デメリットや効果を高めるポイントなどを解説してきました。
結論として、一番大切なことは「子どもにとって一番勉強しやすい環境で学習すること」です。
ほど良くリラックスして勉強に打ち込める場所は人それぞれでしょう。
子どもの性格や兄弟の有無などによっても判断は異なります。
まずは、子どもの気持ちを一番に尊重し、勉強をする本人の希望にできる限り寄り添い、納得して安心して学習できる環境を提供してあげましょう。