こんな方におすすめ
- 子どもがつるかめ算が苦手なので克服させたい
- 子どもにつるかめ算を説明するにはどうしたらいいか知りたい
実はつるかめ算は小学校では習わないのですが、中学受験では頻出です。
必ず抑えておかなければなりません。
ですが、どのようにしたら子どもがつるかめ算を克服できるのか、悩んでいる保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事ではつるかめ算の基本から応用まで解説しています。
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つるかめ算 基本編
つるかめ算は通常、以下のような問題設定にされています。
問:つるとかめが合わせて10匹います(本来であれば、つるは匹ではなく羽ですが)。それらの足の合計本数は、32本です。つるは何羽いますか?
このような問題を「つるかめ算」と呼びます。ですが、つるとかめに限らず、「50円のみかん」と「80円のりんご」が問題になっていることもあります。
問題のなかに「2種類のものの2つの合計」が出てきたら「あ、つるかめ算の出番だ」と気付かなければなりません。
この「つるかめ算」がスムーズに解けるようになるためには、かなりの練習が必要です。
【基本編】全てをつるだと考えると…?
この基本編の手法では、まずはじめに「全てがつる」だと考えます。
つるの足は2本ですね。上に記した例題では、それが10匹いるということです。
すなわち、足2本 × つる10匹=20本の足
ですが、問題文では合計の足の数が32本だとされています。
つまり、この10匹のうち、何匹かは、かめなのです。
どれくらいのかめが紛れ込んでいるのでしょうか。
正しい足の数、32になるには何本足りないのか、下の計算で求めましょう。
32本-20本=12本
全てがつるだと考えると12本足りない。
そこで発想の転換です。
1匹のつるを、かめ1匹だと仮定しましょう。
すると、2本足のつるから4本足のかめになったので、足の合計が2本増えたことになります。
つまり、足を12本増やすには、亀が何匹必要なのかを計算して求めればいいのです。
すなわち、12本÷2本=6匹
つるのかずは全体の10から引けばいいので、10-6=4羽となります。
よって答えは、つるは4羽が正解です。
ここまでが基本編です。
【応用編】距離と時間の問題
繰り返しになりますが、つるかめ算は、いつでもつるとかめが出てくるわけではありません。
つるかめ算を使えば、次のような問題も解くことが出来ます。
問: 5kmの道のりを、はじめは分速200mで走り、しばらくして分速100mで歩いたら40分で移動し終えました。走った時間と歩いた時間はそれぞれ何分ずつですか。
この場合も、上記の例の応用で解けます。
全部の距離を分速200mで移動したとすると、分速200m/分×40分で、
200m/分×40分=8000m
ですが問では5kmの道を移動したとされています。
8,000m-5,000m=3,000m
分速100mで移動した時間を求めると、
100m/分×(80-50)=3,000m
つまり、5,000mの道のりのうち、2,000mを分速200mで10分間走り、残りの3,000mを30分で歩いたことになります。
ところでこの問を中学1年生ではどうやって解くのでしょうか。
以下に示します。
{200x+100y=5000
{x+y=40
以上2つの式を連立方程式として扱うと、
y=40-x
200x+100(40-x) =5000
200x+4000-100x=5000
100x=1000
x=10分
方程式を使ったほうが、楽といえば楽かもしれません。
しかしそれはxという抽象概念を理解し、使いこなせる大人にとっては楽なだけであり、子どもにとっては分かりにくいかもしれません。
つるかめ算 応用編
面積図での解法
2つ目の方法は、「面積図」という手法を使って解いていきます。
まずは図の書き方から解説していきます。
つるを〇匹、かめを△匹としておき、合わせて10匹になり、全部で足の数が28本になる、ということをこの図形で表します。
図でいうと、10と書かれた底辺の部分が合計匹数、図の中の「28本」は足の数の合計です。
さて、この10と書かれた線の上に、それぞれの足の数を、長方形のたての長さで表してみましょう。
そうすると、たての長さ2の長方形と、たての長さ4の長方形ができます。
これはつまり、つるの2本の足とかめの4本の足を表しています。
ここでもし、もし全てがかめだと想定すると、4×10=40本の足があることになりますが、実際は28本です。
よって40-28=12。12本が足りていません。
なので、12本÷( 4-2 ) でつるの数は6羽だと求めることが出来ます。
そして、かめの数は10-6=4匹です。
視覚的に表すと理解しやすいですね。
発展問題
問:卵を1パック運ぶと20円もらえるが、途中で卵を1個でも割ってしまうと、1パックあたり40円を支払わなくていはいけない仕事がある。50パック運んだとき、760円もらえたとすると、割ってしまった卵のパックはいくつか。
繰り返しになりますが、問題のなかに「2種類のものの2つの合計」が出てきたら「あ、つるかめ算の出番だ」と気付かなければなりません。
今回の例題でいうと、以下が「2種類のものの2つの合計」にあたります。
・「無事に運べたパック数」と「割ってしまったパック数」の合計が50個。
・「無事に運べたパック数」と「割ってしまったパック数」の合計金額が760円。
それでは実際に問題を解いてみましょう。
まずは、「すべてのパックを無事に運ぶことができた」と仮定してみましょう。
全部運べた場合は、20円 × 50パック=1,000円もらえることになります。
しかしこれは、あくまでもらえた「はず」の金額です。
実際にもらえた金額は760円なので、240円分ずれが生じています。
さて、無事にすべてのパックを運べれば1,000円もらえたのに、実際は760円しか受け取っていないということは、お皿を割ったことで240円損をしていることがわかります。
では、何パック壊してしまったのでしょうか。
ここで、上で説明した、「つるをかめに変身させる」やり方を使います。
無事に運べた50パックのうち、1パックを「壊れた」に変えるとどうなるか。
もらえたはずの20円はなくなり、さらに自腹で40円を支払わなくてはいけない。
よって、1パック割るごとに60円損をするということになります。
ここまでわかれば、あとは割り算で答えを求めることが出来ます。
1枚割ると60円損をするところ、240円分割ってしまった。
とうことは、240円 ÷ 60円= 4パック。
壊れた卵のパックの個数は4個と答えが出ます。
つるかめ算を効率よく、体系立てて学ぶには、以下のようなドリルも有効です。
出版社 | 学研教育出版 |
価格 | ¥1,100より |
まとめ
以上、つるかめ算の基本編と応用編でした。
問題のなかに「2種類のものの2つの合計」が出てきたら「あ、つるかめ算の出番だ」と気付かなければなりません。
つるかめ算は、やり方さえ抑えてしまえば決して難しくはありません。
何度もつるかめ算を解くことで、何もみずに、まっさらなノートに一人で解答が書けるようになりましょう。
ところで、なれてしまえば比較的優しいつるかめ算ですが、求める値が1つ増えるだけで急に難問となります。
例えば、「つる、かめ、カブトムシの頭数が合計16、足の数が合計54本、つるとかめの頭数比が3:1のとき、カブトムシは何匹いますか。」
などです。
この問の解き方は、全てがカブトムシだとすると...と仮定するところから始まります。
全てが「つる or かめ」の考え方はここでも役に立つのです。
ですが、このような難問を解けるようになる前に、しっかりと基本編の問題集をやり込みましょう。
難問に挑戦するのはその後です。
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