こんな方におすすめ
- 子どもの国語の成績を上げさせたい
- 物語文の具体的な勉強方法を教えてほしい
お子さんが「国語の文章問題が苦手で、がんばって勉強してもなかなか克服できない」と悩んでいる保護者の方は多いのではないでしょうか?
文章問題は、こうすればすぐに成績が上がる!というポイントはありません。
しかし、効果的な勉強をすれば必ず成績は上がるので、あきらめずにがんばりましょう。
今回は、国語の文章問題の中の「物語文」の勉強方法を詳しく解説します。
物語文が苦手な場合の克服方法の参考にぜひしてください。
物語文と論説文は取り組み方が異なる
中学入試の国語では、必ず文章問題が出ます。
国語が苦手な場合、ほとんどの子どもが文章問題を苦手としています。
一口に文章問題が苦手、と言っても、文章問題には大きくわけて物語文と論説文があり、それぞれ取り組み方が異なります。
文章問題は、がんばったからと言ってすぐに成績が上がるものではありません。
しかし、それぞれに適した取り組み方で、地道に努力を続けると必ず成績が上がってくるので、イライラせずに落ち着いて取り組んでください。
文章を読んで書いてある内容が理解でき、成績が上がれば国語の苦手意識はなくなります。
物語文の勉強方法
物語文は、主人公の気持ちを読み取ることが一番大切です。
そのためには、次のことを意識して文章を読んでください。
5W1Hを常に意識する
物語文の話の流れを理解するためには、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、どうした)を意識して読むことが大切です。
5W1Hを意識して、頭の中に物語のイメージを思い浮かべることができるようになりましょう。
物語の背景を想像することも大切です。時代背景があまりにも違うと、現代の子どもには想像がつきにくい場合があります。
例えば、現代の子どもは「家族が6畳一間に住んでいた」「隙間風がびゅうびゅう入る部屋」「ひもじいとどんなに苦しいか」「6歳で奉公に出る」「戦争中」などの文章を読んでも、イメージが全くつかめない子どもも多くいます。
その場合は、DVDや映画などで時代背景がわかるものを見せると、イメージをつかむのに役立ちます。
火垂るの墓(戦争中)、はだしのゲン(原爆)、ALWAYS三丁目の夕日(高度成長期)などを親子で鑑賞するといいでしょう。
主人公の気持ちを客観的に理解する
物語文を読み解くために一番重要なのは、「主人公の気持ちを読み取ること」です。
物語を読んでいくうちに自分が主人公になってしまうと、自分の気持ちになってしまって主人公の気持ちになりません。
感情移入せずに、客観的に主人公の気持ちを考えるよう、指示してください。
とくに、主人公の気持ちの変化には注意が必要です。
物語文を読む時は、「どんな出来事がおこったか」「その時の主人公の気持ち」「主人公はどんな反応、態度を取ったか」をセットで考えるようにしてください。
気持ちを表す言葉を正しく覚える
物語文を読み解くには、気持ちを表す言葉を正しく覚えることが大切です。
「○○は泣いた」と書いてあった時に、喜びの涙なのか悲しみの涙なのかでは意味が180度異なります。
「目を奪われてしまった」と書いてある文章を読んで「恐ろしくて目をつぶった」と思ってしまったり「目を細めた」と書いてある文章を読んで、「目が悪いので見にくかった」と思ってしまったりする場合もあります。
語彙力を高め、4文字熟語はしっかりと覚えて、書いてあることを正確に読み取れるようにしてください。
また、記述問題では、その場面に合った言葉を選べるかどうかで、点数が異なります。
「切ない」「著しい」「しのびない」など、日常生活では使わない言葉の意味や使い方をしっかりと理解するように導いてください。
間違った問題やわからなかった言葉を書き出す
物語文を克服する勉強をしていて間違ってしまった問題や、わからなかった言葉、熟語などは、専用のノートを作って書き出しましょう。
書き出した問題や言葉は、完璧に理解して覚えるまでノートを見て何度も繰り返し勉強してください。
読む速度を上げる
国語の文章問題が苦手な子どもは、文章を読むことが苦手なので読む速度も遅く、文章問題を読む時にも時間がかかります。
問題を読むのに時間を取られると必然的に解答を考える時間が減るため、正解率が下がりますます国語が苦手となる、という負の連鎖に陥っていることが多くあります。
まずは、文章をたくさん読んで文章を読むことに慣れ、読む速度が速くなるようにしましょう。
受験がせまり、文章をたくさん読む時間がない、という場合は、過去問をたくさん解いてください。
音読をする
音読をすると、目と耳の両方から情報を入れるので、文章を理解しやすくなります。
また、目で読むだけだと、わからない言葉や文章を読み流してしまうことがあります。
音読の場合はわからないとスラスラと読めないので、理解できていない箇所を見つけやすいと言うメリットもあります。
音読をした後は読みっぱなしではなく、何が書いてあったか要点をわかりやすくまとめて説明するところまでをワンセットすると、読解力がアップします。
答えと思った文章に線を引く
物語文を読む時には、「ここが重要」「ここが答え」と思った箇所に線を引く習慣を付けましょう。
国語の物語文の試験では、本文中に書かれていることを理解しているかどうかを問われます。
とくに「○○について述べてある箇所はどこか?」「このことを指しているのはどこか?」という問題に対して有効です。
会話文に注意する
物語文に多く出てくる「会話」は、主人公の気持ちを表していることが多くあります。
また、誰と誰の会話なのか、会話が続いている時に話している人は誰かに注意します。
会話文は必ず話している人が交互に発言しているわけではないので、間違えないよう気を付けてください。
接続詞をチェックする
「しかし」や「だが」などの接続詞の後と前では、主人公の気持ちが変わっていることがあります。
また、「なので」「だから」の後には説明文が書かれています。
問題文を読む時には、接続詞は○で囲んだり、線を引いたりしてわかりやすいようにしておきましょう。
日常会話でも考える
日常の会話や生活でも、語彙を増やすよう心がけてください。
テレビドラマや映画を見ていてわからない言葉が出てきたら、すぐに調べる習慣をつけておきましょう。
まとめ
近年では、算数や社会、理科も文章問題が出されるようになったので、国語の文章問題ができるかどうかは、入試の合否に大きく関わります。
文章問題が苦手な子どもは、そもそも文章を読むことが苦手だったり嫌いだったりします。
文章を読むことは、中学受験だけでなく高校受験、大学受験でも必要です。
取り組めばすぐに結果が出るわけではありませんが、適切な勉強をコツコツと続けていくと成績はアップするので、あせらずにがんばってください。
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