こんな方におすすめ
- 子どもの遊びにはどんな価値があるの?
- 子どもの発育にはどんな遊びがおすすめなの?
子どもにとって遊びとはただ楽しむためのものではありません。
食事や排せつ、睡眠と同じくらい重要な「やらなければならないこと」です。
なぜなら、遊びは身体や心の発育に欠かせない要素だからです。
小学校卒業までにどれくらい遊んだかで、心身ともに大きく変わってくるといっても過言ではありません。
遊びによるメリットやより発育を促す遊び方などについて知りましょう。
遊びを通じた子どもの発育とは?
子どもは遊びによってさまざまな分野の発育が促されます。
どれも豊かな人生において欠かせないものばかりです。
身体が発達する
身体を動かす遊びや外遊びは基礎体力や運動能力を鍛えます。
運動能力を鍛えることでケガをしにくい体にしたり、体を動かすことで心肺機能を高めたりすることができます。
また、空腹を感じることで食欲が増し、身体的な成長も促せます。
疲労を感じることで睡眠の質も高まり、体内時計もしっかりと出来上がります。
コミュニケーション能力・社会性が身につく
遊びを通して順番を守る、ルールを守る、交渉をする、楽しくする方法を考えるなど、コミュニケーション能力や社会性が身についていきます。
何度も衝突を繰り返しながら、子どもたちは人間関係を円滑にする方法を学んだり他者の気持ちを理解していくのです。
子どもたちは自分たち自身で問題を解決していく力があります。
あそびの最中や、たまにあるケンカの最中につい大人が口を出したくなるものですが、保護者は一歩離れて見守る姿勢を心がけてください。
創造力や柔軟性を養う
創造力、頭の柔軟性などは大人になってからだと固定観念に縛られてしまい、なかなか伸ばせません。
創造力とはなにかを考え、それを形にするために作り上げていく力のことです。
これらの能力や素養は、子ども時代に自由に遊ぶことで養えます。
経験や知識が浅い子どもだからこそ、常識やルールに囚われずに様々なことを試したりひらめいたりできるのです。
子どもたちが楽しんでいるのならば「そのおもちゃはこうやって使うものだよ」「サッカーボールは足で蹴るものなんだよ」などと大人が口をはさむのは不用意な行動です。
ルールを周知しなければならないスポーツと異なり、遊びには本来決まったルールはないからです。
積極性や自発性が身につく
子どもの「やってみたい!」「遊びたい!」という気持ちは「頑張りたい」「チャレンジしたい」「手に入れたい」という積極性に繋がります。
たくさん遊ばせて「遊びって楽しい」「工夫って面白い」「もっとうまくできるようになりたい」と思う気持ちを育てましょう。
想像力が養われることで、「あれもやりたい」「これもやりたい」と積極的にいろいろなことに挑戦できるのです。
子ども自身が「〇〇をしたい」と積極的になれるようにするためには子ども自身が物事を進めていく経験が必要です。
子どもの発育に重要な遊び
ごっこ遊び
ごっこ遊びは創造性や柔軟性、社会性が育ちます。
カードゲームやスポーツと違って明確なルールがないので簡単に始められる一方、自由度が高く、創造性を問われる遊びです。
限られたアイテムを何に見立て、どんな物語を作っていくのか考えるのは脳の発達を促します。
ごっこ遊びの定番と言えば「おままごと」ですが、憧れの職業や人気のテレビ番組など、子どもの年齢や嗜好に合わせて様々な遊びが可能です。
小さな社会を遊びの中で体験することが発育における非常に重要な要素です。
スポーツ・ゲーム
ルールが明確なスポーツやゲームなどは勝ち負けがあり、社会性を身に着けられる遊びです。
ルールを守ることや集団行動をすること、コミュニケーションの仕方などを学ぶ絶好の機会となります。
スポーツと遊びは本来異なるものですが、発育において重要な要素です。
決められたルールの中でどう楽しむか、どのように工夫するかを考えることがいい影響を与えます。
また、体を使うスポーツならば身体能力の向上にも役立ちます。
年下の子やハンディがある子に対する思いやりを考えてあげるのも大切なことです。
手先を使う遊び
手先には神経が集中しているので砂遊びや折り紙、粘土、絵画、パズル、プラモデル、お菓子作り、楽器演奏など手指を使う遊びは脳を活性化させます。
複数で遊んでいるのならば道具の貸し借りを通じてコミュニケーション能力が養えますし、一人遊びならば集中力が養えるでしょう。
お手本や理想通りにできず、解決策を考えたり試行錯誤したりして粘り強さが育ちます。
逆に、お手本に囚われず、創造性や発想力を伸ばすのにもぴったりです。
家庭で充実した遊びを行うためのコツ
子どもの発達をより促すために家庭でできることを紹介します。
子どもの気持ちを大切に
保護者が「遊びを通して子どもを成長させよう!」と力み過ぎてしまうと子どもに「〇〇しないさい」「〇〇はダメ」などあれこれ口を出してしたくなります。
「一人遊びでは社会性が育たないからみんなと遊びなさい」「鬼ごっこよりもルールが複雑だから缶蹴りをやろう」など、保護者が主導となり、管理をするような遊びでは子どもの「芽」を摘み取ってしまいかねません。
見守っているともどかしい気持ちになる時もあるでしょう。
しかし、子どもが遊びの中でする試行錯誤や失敗も発育には欠かせない経験です。
「一人遊びは、みんなで遊べない子が仕方なくする消極的な遊び」「複雑な遊びの方が良い」など保護者が偏った価値観を与えてしまうと子どもは劣等感や偏見を持つようになります。
自分の世界に籠りたい、ただがむしゃらに走りたいなど、子どもの気持ちを尊重するのを忘れないでください。
年齢の違う子どもとの交流を持つ
年上の子と遊ぶとたくさんの刺激が得られます。
年長者の真似をしようとチャレンジ精神が芽生えやすいです。
逆に甘えん坊タイプな子も年下の子と遊ぶと「自分が面倒を見てあげなければ」という責任感を持ったり我慢を覚えたりします。
保護者だけや同い年の子とだけ遊んでいるのでは得られない刺激です。
遊びのアレンジを提案してみる
遊びが単調になってきているようでしたら保護者がアレンジを提案してみましょう。
たとえば鬼ごっこだったら色鬼や手つなぎ鬼、氷鬼などルールを少し変える、おままごとだったら「〇〇パーティー」などのイベントに誘うなどです。
アレンジやオリジナルルールで遊びがもっと楽しくなれば子どもは「もっと楽しくするためにはどうしたらいいか」を自発的に考えるようになります。
それは「うまくいかなかった時の解決方法」を考える習慣になり、人生を切り開く重要なスキルです。
安全管理を怠らない
子どもは夢中になっていると視野が狭まり、事故のリスクが高まります。
なんでもかんでも「危ないから」と取り上げてしまうのは良くないですが、大事故や大けがに繋がりそうなものには目を光らせてください。
特に外遊びでは、身体にひも状のものや名札についている針などの危険物を付けて遊ばないように徹底させましょう。
そのほかにも、車や水、火、害虫、日焼けなど注意するべきものがたくさんあります。
室内遊びでも尖ったものを使ったり刃物で工作したりする際には目を離さないようにしましょう。
遊びを褒める
子どもの発育に遊びは重要です。
だからこそ、お手伝いや勉強を褒めるように遊びについても褒めましょう。
より楽しむための工夫が素晴らしかったこと、小さい子を思いやって我慢したこと、負けて悔しいけれど最後まで投げださなかったこと、ご飯をモリモリ食べてしまうほど走り回ったことなど、スゴイな、偉いなと思ったことはどんどん褒めてください。
遊びは後ろめたいことや勉強よりも劣っていることではありません。
子どもが遊びを肯定的に捉えられるような声掛けをしてあげましょう。
遊びを通して子どもは大きく成長します
大人の娯楽と子どもの遊びは同じではありません。
子どもは遊びを通して体、脳、心を成長させていきます。
- 自由に遊ばせる
- 体を使わせる
- ルールを守る
- 交渉する
- アレンジする
- 様々な年齢の子と交わる
などは、より子どもの発育を促す効果があります。
家庭では安全に留意しつつ、たくさんの遊びの機会を提供し、出来るだけ子どもだけでトラブルを処理できるように見守ってあげましょう。
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