こんな方におすすめ
- 英検Jr.と英検との違いが知りたい
- 英検と英検Jr.の違いが知りたい
- 子どもに受けさせるならどちらがおすすめか知りたい
2020年の教育改革により小学校でも英語を学ぶこととなり、英語教育に関心がある保護者が増えています。
英語の資格検定と言えば「英検」が有名ですが、インターネットなどで「英検Jr.」の名前を見てどう違うの?どちらがおすすめなの?と疑問に思っている保護者の方もおられるのではないでしょうか?
そこで今回は、英検Jr.と英検の違いやどちらがおすすめなのかを詳しく解説します。
英検とは
英検は正式名称を「実用英語技能試験」と言い、公益財団法人日本英語検定協会によって実施されています。
1年に3回実施され、5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級の7つのレベルがあります。
試験会場には本会場と準会場の2種類があり、個人で受験する場合は本会場、団体で受験する場合は準会場で受験します。
5級、4級までは、筆記(リーディング)とリスニングの2つの技能で、3級以上になるとスピーキングとライティングも問われるため、最終的には英語の4技能を学ぶ必要があります。
なお、英検は現在オンラインに対応しております。
オンラインに対応した英検CBTについてはこちらの記事をご参照ください。
英検CBTや英検S-CBTとは?5つメリットや英検との違いを解説!
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英検Jr.とは
1994年に新しく誕生した試験で、当時は「児童英検」と呼ばれていましたが、2015年に「英検Jr.」に変更されました。
英検と同じ公益財団法人日本英語検定協会によって、実地・運営されており、英語を読めない子どもが受けることを前提とした試験です。
そのため、試験は英語を聞いて合ったイラストに〇をつける形で行われます。
英検5級の受験者30万人には及びませんが、年間で8万人以上の子どもが受験しています。
英検Jr.と英検の違い
英検Jr.と英検にはどのような違いがあるのでしょうか?比較しながら詳しく解説します。
レベル
英検は、5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級の7つのレベルがあります。
対して英検Jr.は、「BRONZE」「SILVER」「GOLD」の3つの段階にレベルが別れています。
〇英検のレベルは、以下の通り。
級 | 受験レベル |
5級 | 中学初等程度 |
4級 | 中学中程度 |
3級 | 中学卒業程度 |
準2級 | 高校中級程度 |
2級 | 高校卒業程度 |
準1級 | 大学中級程度 |
1級 | 大学卒業程度 |
〇英検Jr.のレベルは以下の通り。
ランク | 受験レベル |
BRONZE | 小学校低学年で英語学習レベルが初歩 英検Jr.を初めて受ける子どもにおすすめ インターナショナルの幼稚園ならキンダー1年生が適切 |
SILVER | 小学校中学年 英会話教室に週に1回1年以上通っている子どもにおすすめ インターナショナルの幼稚園ならキンダー2年が適切 |
GOLD | 小学校高学年 英会話教室に週1で2年以上通っている子どもにおすすめ インターナショナルの幼稚園ならキンダー3年が適切 |
合否判定の有無
英検は一般的な試験と同じで合否判定がありますが、英検Jr.には合否判定がありません。
英検Jr.は、正解率で表され、8割以上の正解率で次のレベルが受験できます。
出題の方法や解答方法が異なる
英検は、上記でも触れましたが、5級、4級までは、筆記(リーディング)とリスニングの2つの技能で、3級以上になるとこれにスピーキングとライティングが加わることになります。
それに対して英検Jr.は、どのテストもリスニングのみで行われます。
BRONZEでは、解答はリスニングで聞いた問題に合ったイラストに〇をつける方法、SILVERはイラストに〇をつける形式をメインに、アルファベットを答え、GOLDでは音無しの問題や4コマ漫画のセリフを補填する問題も出題されます。
受験方法
英検は、2021年現在のところ自宅でオンライン受験はできません。
反対に英検Jr.は個人の場合、自宅でのオンライン受験のみです。
受験日や回数
英検は1年に3回のみ受験できますが、英検Jr.は決済日から3ヶ月以内なら好きな時に受験でき、有効期間の延長システムもあります。
受講料
英検の受講料は、以下の通りです。
級 | 本会場 | 準会場(団体のみ) |
5級 | 2,500円 | 2,000円 |
4級 | 2,600円 | 2,100円 |
3級 | 3,800円 | 3,400円 |
準2級 | 5,200円 | 4,800円 |
2級 | 5,800円 | 5,400円 |
準1級 | 6,900円 | ナシ |
1級 | 8,400円 | ナシ |
準会場とは、学校などの施設で団体で受験する際の会場で、個人で申し込む際には受験することができません。
英検Jr.の受験料は、以下の通りです。
ランク | 価格 |
BRONZE | 2,300円 |
SILVER | 2,500円 |
GOLD | 2,700円 |
必要な語彙数
英検と英検Jr.では、習得するのに必要な語彙数が異なります。
英検の場合は以下の通りです。
級 | 語数 |
5級 | 600語 |
4級 | 1,280語 |
3級 | 2,580語 |
準2級 | 4,080語 |
2級 | 5,780語 |
準1級 | 7,630語 |
1級 | 10,030語 |
英検Jr.の場合は以下の通りです。
ランク | 語数 |
BRONZE | 302語 |
SILVER | 600語 |
GOLD | 1000語 |
メリット
英検の最大のメリットは、英検の資格を持っていると、将来受験や就職時にプラスとなる場合があることです。
中学受験では、英検の資格を持っていると学校によって内容は異なりますが、英語の推薦入試の資格を得る、合否の判定ライン上にいた場合に優遇される、試験の点数に加点される、入学後に特待生や奨学金を得ることができる、などの優遇措置を受けることができます。
このような中学校は現在、東京都だけでも16校あります。
その中には、私立の東京女学館中学校(帰国子女枠)や私立の大妻中野中学校・高等学校(帰国子女枠)も含まれています。
明法中学・高等学校では一般入試でも英検4級が利用でき、英検4級を所持していれば、全ての入試回で加点されるということです。
また、英検は就職時の履歴書に保持している資格として記入できます。
それに対して英検Jr.は、「コミュニケーションを図る態度の育成」 「音声や基本的な表現に慣れ親しませる」 「言語や文化についての理解を深めさせる」などの小学校の外国語活動に対応しているため、英語教育にスムーズに以降できるのがメリットです。
また、ゲーム感覚で取り組めるため、英語に親しみやすく、英語を学ぶモチベーションが維持しやすくなります。
その他にも、低学年から始めるとリスニングのみなので英語耳(RとLなどの日本人が苦手とする発音の聞き分けができるようになる能力)身につきやすい、自宅で気軽にチャレンジできるなどのメリットもあります。
さらに、試験後すぐに結果を知ることができ、長年のデータから年齢や学習経験数が同じ受験者の平均値が表示されるので、現在の実力を客観的に知ることができます。
ちなみに、英語の他の検定試験でのレベルが分かる英検CSEスコア(国際基準のSEFRに対応して出されたスコアで、英検CSEスコア対応の他の試験での自分のレベルを知ることができます)は、英検も英検Jr.も対応しています。
英検と英検Jr.どちらがおすすめ?
小学生が目指す場合は、英検がおすすめです。
もともと英検Jr.は、文字(英語、日本語)が書けない小学生以下の子どもでも受けることができるように、リスニングのみで答えは内容に合ったものに〇をつける(マウスでチェックを入れる)仕様となっています。
始めから合否の判定を受け、不合格になって英語の勉強が苦手となったり、親子で出かける負担が大きく試験のハードルが上がったりしないように、合否の判定をせず、自宅で気楽に試験を受けることができるように作成されています。
そのため、英検Jr.は英語に親しみ、英語の勉強が楽しくなって、スムーズに英語教育に移行できるように、小学校入学以前の児童におすすめします。
小学校に上がると、文字を読むことも覚えるので、英検Jr.で英語のモチベーションを保ったまま、資格を得ると将来役に立つ英検をチャレンジすることをおすすめします。
また、小学校入学と同時に英語教育を始めた場合は、小学校の1年生で1年間英語に慣れ親しみ、2年に上がったら英検Jr.のBRONZEを受験、3年でSILVER、4年でGOLDが取得できたら、5年で5級、6年で4級を目指すことを目安とするとチャレンジしやすいでしょう。
もちろん、始めから英検にチャレンジすることもできます。
まとめ
英検と英検Jr.は、どちらも公益財団法人日本英語検定協会によって、実地・運営されています。
英検Jr.は英検を受ける前に、英語に慣れ親しみ、英検にスムーズに取り組むための準備段階に受けるのに適しています。
英検は、資格を持っていると中学受験で優遇措置を受けることができますし、その後も高校入試、大学入試、職種によっては就職時にも役に立ちます。
ですので、小学生になって英語の資格を得たい場合は、英検を受験することをおすすめします。
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