こんな方におすすめ
- 算数が苦手なお子さんを持つ方
- 中学受験の算数がどういったものなのか特徴を知りたい方
多くの学校で受験科目に設定されている算数は、非常に重要だと認識している親御さんも多いかと思います。
しかし中学受験で使用する算数は、公立学校で習う算数よりも高度な場合が多く、苦手意識を持ってしまう子も多いようです。
今回は算数に苦手意識を持っているお子さんにどうやって勉強させれば良いのか悩んでいる方に向けて、中学受験の算数の特徴から算数が苦手な子の特徴、そして算数の苦手を克服するための勉強方法を解説します。
中学受験の算数の特徴
まずは中学受験の算数の特徴を知っておきましょう。
小学校で習う算数よりもレベルが高い
中学受験で出題される算数の問題は、公立小学校で習う算数よりも応用問題が多いのが特徴です。
小学校で習う算数は公式さえ暗記していればテストである程度の点数が取れるのに対し、中学受験の算数は問われている意味を論理的に考えて、どの公式を使えば答えが導き出せるのかを考える力が求められます。
難関中学校の入試に出てくる問題の中で公立中学校で習うような問題はなんと2割程度だと言われており、中学受験の算数は小学校で習う算数よりもかなりレベルが高いと言っても良いでしょう。
合否に大きな影響を与える
毎年中学受験シーズンが終わる頃に各学習塾が出している入試結果分析資料を確認すると、受験者平均点と合格者平均の差が一番大きい教科は、ほとんどの学校で算数となっています。
これは前述した通り、中学受験の算数は小学校で習う算数よりもかなりレベルが高く、十分な対策を取っていないと高得点を取るのは難しいことが関係しています。
結果として算数の点数が合格率に大きな影響を与えるケースが非常に多いため、「中学受験は算数で決まる」と言われることもあるくらい、中学受験における算数は重要な科目となっています。
算数が苦手な子の特徴
合否に大きな影響を与える算数ですが、できれば苦手意識を克服して、ライバルに差をつけたいですよね。
克服法を解説する前に、なぜ算数に苦手意識を持ってしまうかについて知っておきましょう。
出題された条件・図形のイメージができない
中学受験で出題される文章問題や図形の問題は、抽象的に出題された条件や図形をしっかりとイメージして理解する力が必要です。
しかし算数が苦手な子の多くは、このイメージすることが苦手で出題内容が理解できず、苦手意識を持ってしまうことが多いようです。
詳細は後述しますが、頭の中でうまくイメージできるようになるためには実際に図を書いてみるのがおすすめです。
公式・解法を丸暗記している
公立小学校で行われている算数のテストであれば、公式さえ覚えていればある程度の点数を取ることができます。
しかし中学受験の問題は公式・解法パターンさえ知っていれば点数が取れるというものではなく、問題文を読んで出題内容を理解・整理した上で、どういった方法で正解を導き出すかという力が求められます。
そのためとりあえず指定された解法を使って機械的に問題を解くことはできるけれど、なぜこの解法を使用するのかという意味をしっかりと理解していない場合は、応用問題でつまづいてしまう可能性があります。
途中式を書かない
中学受験の試験では、たとえ解答が間違っていても途中式さえ合っていれば部分点が貰える場合があります。
これは解答そのものよりも、「どうやって考えて答えを導き出そうとしたのか」の過程を見る学校が多いからです。
しかし算数に苦手意識を持っている子の中には答えさえだせればいいと考え、途中式を書かなかったり、筆算をぐちゃぐちゃに書いて計算ミスをしてしまう子が少なくありません。
計算式を書いていないと、間違った問題を見直したときに自分がどうやって考えたかを思い出す手がかりが少ないため、復習の効率も悪くなってしまいます。
出題された問題の内容をある程度頭の中でイメージ・整理することができるようになるまでは、途中式はしっかり紙に書いた方が良いでしょう。
算数の苦手を克服するための勉強方法とは
結論から言うと、算数の苦手を克服するためには、
- 計算力をつけること
- 出題パターンを知ること
が大切です。
ここでは、どのような方法で勉強すればこの2つを満たすことができるのかをご紹介します。
算数の勉強を毎日の習慣にする
算数の苦手を克服するための一番の近道は、算数の勉強を毎日の習慣にすることです。
毎日勉強することが一番の近道なんてと思った方もいるかもしれません。
しかし、算数が苦手な子は文章問題や図形問題などを解くための応用力の前に、そもそも計算力が身に付いていない子が多いのです。
計算力を付けるためには、結局多くの問題を解くことが大切です。
また一気にたくさんの問題を解けば身に付くというものでもないため、週末に問題集をまとめて7ページもこなすよりも、毎日1ページずつ解いて行くほうが確実に計算速度が早くなっていきます。
そのため、算数の苦手を克服するためには、毎日少しずつ勉強し続けることが非常に大切です。
いきなり難易度の高い問題を毎日の習慣にしようすると嫌になってしまうと思うので、まずは簡単な計算問題をドリル1ページ分解く、というところから始めると良いでしょう。
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図形問題は自分で図形を書いてみる
図形問題が苦手だという子は、問われている図形をうまくイメージできないことが多いです。
そのため苦手を克服するためには、出題された図形を頭の中でイメージできるようになるまで何度も自分で書いてみるのが良いでしょう。
最初は時間がかかっても良いので何度も何度も書いてみることで、だんだんと図形の特徴をつかむことができ、問題が解きやすくなります。
文章問題は条件を書き出す
中学受験の算数の文章問題は、問題文が3〜4行もある場合もあり非常に複雑です。
問題で問われている意味を理解する前に数字だけを取り出して式を組み立てようとしてしまうと、なかなか正解にはたどり着けません。
こんなときに試してほしいのは、問題で提示されている条件を箇条書きにして、状況を整理してから頭の中でイメージしていくことです。
単純なことではありますが、実際に書き出すだけで格段にイメージがしやすくなり、問題の意味がつかみやすくなります。
同じ問題集を繰り返し解く
中学受験において算数は非常に重要だからと、とにかくどんどん新しい問題集を購入する親御さんは少なくありません。
しかし算数に苦手意識を持っている子の場合は、まずは同じ問題集を繰り返し解くことをおすすめします。
中学受験の算数において重要なのは、出題パターンや解き方を記憶に定着させることです。
一度解いた問題を何度も反復練習することで、出題パターンと問題を解くために必要な公式を紐づけて覚えることができます。
また、何度も同じ問題を解いて正解することで、「自分は正解できる」という成功体験を得ることができ、算数への苦手意識もだんだんと薄れていくでしょう。
対策を立てて算数の苦手を克服しよう
今回は中学受験の算数の特徴から算数が苦手な子の特徴、そして算数の苦手を克服するための勉強方法を解説しました。
試験の点数の差がつきやすい算数は、受験の明暗を分ける重要な科目です。
算数を苦手とする子は多いですが、逆に言うとしっかりと対策を立てて克服すれば、多くのライバルに差をつけることができます。
毎日少しずつ勉強し続けることが苦手克服の近道ですので、保護者の方はぜひお子さんの習慣作りをサポートしてあげてください。