こんな方におすすめ
- 塾の掛け持ちってできるの?
- 複数の塾へ通う意味はあるの?
- すでに塾に通っているけど、なかなか成績が上がらない
このようなお悩みや疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、そもそも塾の掛け持ちはできるのかという観点から、塾の掛け持ちをするメリット・デメリットや掛け持ちをする際の注意点について解説していきます。
塾の掛け持ちを検討している方や、中学受験に向けた塾の利用方法に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
中学受験対策で塾の掛け持ちは可能?
結論から言うと、基本的には塾の掛け持ちは可能です。
中学受験に挑む子の多くは通塾をしていますが、さらに複数の塾を掛け持ちするご家庭も少なからずいます。
塾側が他の塾への掛け持ちを制限することもありません。
しかし、ただ闇雲に複数の塾を掛け持ちしても、成績アップには繋がるわけではありません。
現在すでに塾に通っている場合には、さらに通う塾を増やす方が良いのかをしっかりと見極めることが重要です。
塾と一言で言っても、その種類はさまざまあり、目的やカリキュラムに合っているかを見極めることが大切です。
集団指導塾 | ・質の高い講師による授業を受けられる。 ・塾友との関係性が生まれ、時にライバルとなってお互いを高め合いながら切磋琢磨できる。 ・あらかじめ決められたカリキュラムに沿って進めていく。 |
個別指導塾 | ・一人一人に合った学習内容で、個々のペースで進められる。 ・苦手な箇所を把握しやすく、しっかりと克服できるまで取り組める。 |
オンライン塾 | ・インターネットを介しての学習が可能。 ・オンライン上でやりとりできるので、手間がかからない。 ・自宅にいながら学習できるので、移動の手間もなく時間を有効利用できる。 ・マンツーマンで個々のペースで進められる。 |
家庭教師 | ・マンツーマンでの指導が受けられる。 ・塾で理解しきれなかった内容をフォローができる。 ・分からない教科や単元のみを補え、スポット利用が可能。 |
集団指導塾が一般的であった2000年ごろをさかいに個別指導塾の需要は増え、中でも集団指導塾と個別指導塾との併用が増えています。
小学生では個別指導塾に比べて集団指導塾が多く、中学・高校と進むにつれて、受験対策として「個別指導塾」を選ぶ割合が多くなっているのが現状です。
そんななか、小学生・中学生で塾を掛け持ちする割合は3〜4割程度。
受験勉強を効率的におこなうための「個別指導塾」と捉えると良いでしょう。
個別指導塾と家庭教師で悩んでいる方はこちらも参考にしてみてください。
【中学受験】個別指導と家庭教師どっちが向いている?それぞれの特徴を紹介
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塾を掛け持ちするメリット
学力アップを目的として、塾の掛け持ちをするご家庭も少なくありませんが、その他にもたくさんのメリットがあります。
ここからは、塾を掛け持ちすることによってどのようなメリットが得られるのかについてご紹介します。
学習効果がアップする
どのレベルまで学力アップを目指すのか、目指す志望校によっても学習内容は異なりますが、塾の併用をする子の多くが学習効果のアップを実感しています。
レベルが高いところを目指すのであれば、その分学習範囲も広くなるため、満遍なく学習するためには複数の塾を掛け持ちするのも一つの方法でしょう。
1科目から受講できる
科目ごとに塾を使い分けるという方法もあります。
特に個別指導塾では、国語だけ・算数だけといった1教科から受講パターンを選べるのが特徴です。
集団指導塾での授業形態には、勉強を早く進められるというメリットがあるため、授業を受けなくても勉強を進められる・はかどるのであれば、個別指導塾で十分でしょう。
自身の得意不得意から何の教科が必要なのかを見極めながら塾選びをおこなうことで、ムラのない学習が可能となります。
苦手分野を克服できる
苦手教科の対策は塾の掛け持ちをするうえでも、大きな目的の一つです。
1教科から受講可能であれば、苦手な教科に絞って対策することも可能です。
点数に上限があるテストにおいては、得意教科をさらに伸ばすことよりも、苦手を克服することの方が成績アップに繋がりやすいと言えます。
例えば、「国語の記述式問題が苦手」「社会の歴史問題が苦手」であれば、それらを中心に必要な箇所を学ぶことができるというわけです。
得意科目をさらに伸ばせる
受験で合格を勝ち取るには、主に2つの方法がある。
- 苦手な箇所を減らす
- 得意な箇所をさらに伸ばす
どちらの方法も実践していくと良いですが、「早く」「大きく」点数を稼げるのは得意な箇所をさらに伸ばす方法です。
得意な教科でしっかり得点を稼ぐためにも、伸ばせる教科はどんどん問題を解いて応用まで対策しておくことをおすすめします。
授業内容や教材を選べる
複数の塾に通えば、それぞれの塾の良いとこ取りができるのもメリットの一つです。
同じ中学受験を受ける場合であっても、
- 小学校の内容から
- 受験内容から
- 基礎レベル中心
- 応用レベル中心
など、一人一人学びたい内容は異なります。
例えば、苦手な算数は基礎〜標準レベル、得意な国語は応用〜受験レベルなど、塾の掛け持ちすることで効率的な学習が可能でしょう。
時間に融通がきく
塾を掛け持ちすることで、時間を効率的に活用できます。
集団指導塾では授業のカリキュラムがすでに編成されているので、学習する時間は決められています。
一方で、個別指導塾は都合の良いときに受講できます。
両者の特徴を上手く利用しながら、時間の融通が利くような通い方ができる点もポイントでしょう。
また、塾によっては自習室を無料開放してくれる場合もあり、自宅ではなかなか集中できない子でも勉強に集中できるでしょう。
その場合、自宅から塾までの距離が遠ければ、移動に時間がかかってしまい効率的でありません。
掛け持ちをする場合には、自宅や学校の近くで自習室がある塾を選ぶと良いでしょう。
相性の良い講師に出会いやすい
人対人なので、講師との相性の良し悪しもあるでしょう。
塾を掛け持ちすれば、その分お子さんの性格に合った相性の良い講師に出会える確率が高くなり、子どもに合う塾・講師が見つかりやすいのもメリットの一つです。
同じ受講料を支払うわけなので、成績アップに繋がる先生を見つけ出すことも大切であり、子ども自身も安心するでしょう。
講師との相性は信頼度にも大きく左右し、子どものやる気にも繋がるのでとても重要です。
信頼関係がしっかりと築けていれば、特別何かしなくても自然と学力アップが期待できます。
より多くの受験情報を得られる
どの塾であっても、受験に関する情報を積極的に収集し、傾向を探って合格者のデータを保有しています。
そのため、複数の塾を掛け持ちすることで多くの有益な情報を得られ、過去の塾生の学力や進学先の情報なども得られやすいでしょう。
やはり受験をするうえでは、過去のデータをしっかりと分析して受験に活かすことが重要になります。
受験の傾向を把握して自らの受験に活かすためにも、情報収集は大切なプロセスです。
塾での仲間が増えて交友関係が広げられる
自分と相性の良い講師や学習カリキュラムと出会える確率が上がるのも、塾の掛け持ちをするメリットと言えます。
通塾するタイプの塾であれば、塾での交友関係も広がります。
志望校や学力のレベルなど塾によって、さまざまな学校の塾生と関わりを持てるため、情報交換という意味でも大きく影響を受けることになるかもしれません。
塾内の交友関係では、以下のようなメリットが生まれます。
- ライバルが増え、学習のモチベーションが上がる
- 志望校や将来の夢、学校生活などに関して新たな知見を得られる
- 受験に関する情報をより早く、より多く入手できる可能性がある
お互いを刺激し合えるような仲間と出会えれば、勉強への意欲も自然と湧いてくるでしょう。
塾を掛け持ちするデメリット
塾を掛け持ちすることで、メリットだけでなくデメリットも生じます。
具体的にどのようなデメリットがあるのか、見ていきましょう。
より多くの費用が必要になる
当たり前ですが、複数の塾へ通えばそれだけ経済的にも負担が増えます。
新たに塾へ通う場合、以下のような費用が発生します。
必要な費用の内訳 | 必要なタイミング |
塾入会金 | 入会時 |
教材費・授業料・管理費 | 毎月 |
講習費(春・夏・冬) | 長期休み |
模試受験料・オプション講座受講料 | 不定期 |
掛け持ちを考える際は、事前にどのくらい費用が必要なのか見積もり、それに見合った結果が得られるかどうかを見極める必要があります。
志望校へ入学後に、家計が回らなくなってしまってはどうしようもありません。
後々困らないためにも、はじめにある程度予算を考えたうえで塾の併用を考えることをおすすめします。
中学受験にかかる費用については以下でも解説しています。
中学受験にかかる費用は?費用を抑える方法も解説
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指導方法の違いで混乱してしまう可能性がある
同じ塾内であっても講師によって学習方法が異なることはよくあることですので、塾が違えばなおさらでしょう。
勉強のやり方が異なれば、塾に通う子ども本人は混乱してしまいます。
同じ教科を受講すれば、指導方法にも違いがあり、答えの導き方なども違えば困惑しかねません。
掛け持ちをする場合には、異なる教科を受講するようにし、混乱を最小限にとどめるようにしましょう。
ある程度理解が進んでいる子であれば、「こういう解き方もある」「この塾はこういう方針なんだ」と納得できるかもしれませんが、そうでなければ困惑してしまう可能性もあります。
混乱を防ぐためにも、はじめのうちは親が塾の宿題を見守りチェックしたり、やることを分かりやすく整理してあげるようにしましょう。
通塾が負担になりやすい
塾までの距離が遠ければ、なおさら通塾の負担は大きいでしょう。
塾の掛け持ちをする場合には、平日は自習室の利用も見据えて学校や自宅近くの塾を選び、土日は少し距離があってもしっかり受験対策ができる塾に通うなど、工夫して複数の塾を掛け持ちしていくと良いでしょう。
精神的なストレスが増える可能性がある
新しく入塾すれば、新たにシステムや授業形態、宿題のこなし方を覚える必要があり、慣れるのにも時間がかかります。
慣れない中での勉強は、ストレスになる可能性も十分考えられます。
入塾前には、事前に体験や見学するなどして、塾の雰囲気を子どもにも見せてあげられると良いでしょう。
塾を掛け持ちする際の注意点
中学受験で塾の掛け持ちをすることは、成績アップにもつながる有効的な手段となる場合もあります。
しかし、以下のようなポイントを押さえておかなければ、必ずしも成績が良くなるとは限りません。
塾の掛け持ちが意味のあるものにするためにも、しっかりとチェックしておきましょう。
苦手分野を明確にしておく
先にも述べたように、苦手分野の克服が個別指導塾と掛け持ちをするメリットでもあります。
自身の苦手分野がなにかを明確に把握していなければ、ただ学習を繰り返すだけになってしまいます。
苦手な箇所に、集中して取り組めるような塾選びも大切です。
集団指導塾のカリキュラムに合わせる
集団指導塾と個別指導塾とで掛け持ちする場合、集団指導塾のカリキュラムに沿った内容の授業を個別指導塾でも受けると良いでしょう。
集団指導塾ですでに作られている「授業→宿題→やり直し→テスト」の一連の作業の内容を、より質の高いものにしていくのが個別指導塾と捉え、しっかりと両者の学習進度を意識しながら取り組んでいくようにしましょう。
解説を聞いて終わりにしない
問題を解いた後の「丸付け」「解説を見る」とともに、忘れてはいけないのが「解き直し」です。
解説を見て「なるほど~そういうことね、わかった!」と、頭の中だけで解決して納得したつもりでも、実際には理解できていないこともあります。
「分かる」→「できる」にかえるためにも、再度解き直しをする習慣を身につけましょう。
受講する授業の数(コマ数)を多くし過ぎない
通う塾の数が増えれば、当然その分授業のコマ数も増えます。
授業のコマ数が増えれば、予習復習にも時間がかかるのでいっぱいいっぱいになってしまいます。
せっかく塾の掛け持ちを始めたのに、授業についていくだけで精一杯になってしまっては効率が悪くなります。
通塾タイプのものを掛け持ちして自習時間が確保できない心配がある方は、自宅学習の時間が確保できる「オンライン塾」の利用も検討すると良いでしょう。
同じグループの塾に通う
塾によっては、集団指導塾と個別指導塾のそれぞれを運営している場合もあります。
同系列の塾で集団指導と個別指導の両方を取り扱っていたりすることもあるので、意識して塾選びをしてみましょう。
同じ運営元であるメリットは、塾の指導方針や講師の指導方法が同じなので混乱が少ないことが一番に挙げられます。
塾系列内での情報共有がしっかりとできているので、スムーズに授業を受けることができるでしょう。
学校の授業をないがしろにしない
塾を掛け持ちしていると、分かったような気になってしまい、学校での授業を軽視してしまう場合があります。
しかし、積極的な姿勢が取れなくなってしまうことで結果的に内申点に大きく響いてしまい、受験に大きな影響を与えてしまう可能性もあります。
学校の授業と塾は切り離して考え、それぞれの学習に対して意欲的な姿勢で取り組むようにしましょう。
内申点の重要性については以下でも解説しています。
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子どもの意見を尊重する
塾の併用で一番負担がかかるのは、通う本人です。
本人の気持ちをしっかりと確認しないまま入塾してしまえば、ストレスでしかありません。
成績アップどころか、反動で成績がダウンしてしまう可能性も考えられます。
後々、親子関係に響いてしまえば、受験そのものを見直す必要が出てくるかもしれません。
まずは、子どもの意見を尊重し、無理のない方法で学力アップを目指すと良いでしょう。
塾の掛け持ちをする際は目的を明確にしよう
塾を増やす場合には、単に成績アップを狙うだけではなく、明確な目的をしっかりと考えてみましょう。
塾の掛け持ちは、誰もが向いているわけではありません。
あくまでも目的は、志望校に合格することです。
複数の塾を掛け持ちすることに満足してしまわないよう、子どもの意見も尊重しながら塾の掛け持ちを検討していくことをおすすめします。
周りが掛け持ちしているからと流されず、曖昧な動機で始めることはやめましょう。
塾の掛け持ちによって効率的な学習をおこない、ぜひ受験本番に向けて有意義な時間を過ごしてみてくださいね!