こんな方におすすめ
- 中学受験でどこを受験すれば良いか迷っている
- 大学は有名大学に通わせたい
中学受験では、中高一貫校以外に大学附属校を受験するという選択肢もあります。
大学附属校はその名の通り、大学までエスカレーター式で上がれるので、大学進学が保証されており安心感があります。
しかし、進学してみたら想像と違っていたということもあるでしょう。
本記事では、大学附属校を受験するメリット・デメリットを解説します。
志望校を進学校と大学附属校で迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
大学附属校とは?
「そもそも大学附属校って何?」という方もいるでしょう。
大学附属校とは、大学に付属する小学校、中学校、高等学校のことであり、中学受験で大学附属校に入学した際は中学校から大学の計10年間の一貫教育を受けられます。
「附属大学校」と聞くと、受験のハードルが高いと感じるでしょうが、必ずしも受験が困難というわけではありません。
学校によってレベルが異なるため、ハードルが高い学校があれば、そこまで高くない学校が存在するのも事実です。
また、昨今の大学受験は、2016年以降で定員を大きく上回る合格者を出しにくくなったり、2021年1月からセンター試験の廃止により大学共通テストに変更となったりと、大きく変化が起こっています。
そのため、大学受験で合格しにくくなったり、大学受験に不安を抱えている人が増えたことで、中学受験のうちに大学附属校に入学を考える人が増えているのです。
中学受験で大学附属校を受験する4つのメリット
まずは、中学受験で大学附属校を受験する際のメリットについて紹介します。
1、大学受験なしで進学できる
1つ目のメリットは、大学までの進学が安心できる点です。
大学までエスカレーター式で進学できるという点は、大学附属校における最大のメリットとも言えます。
もちろん、進学後も真面目に学校に通う必要はありますが、大きな問題がない限り進学は概ね保証されています。
お子さんからすれば今後受験する必要はないという安心感が生まれますし、親御さんにしてみれば子どもを塾に通わせたりしなくて良いという精神的な負担は減るでしょう。
注意点として、大学附属校の受験を考えている方は、大学進学率の確認を忘れないようにしましょう。
2.受験の為の時間を他のことに使える
続いてのメリットは受験の時間を有効活用できる点です。
高校や大学への受験勉強は、日頃の学校での勉強だけでは足りず、塾や家庭教師を活用して受験勉強する方がほとんどでしょう。
そのため、勉強に膨大な量の時間を費やすことになり、プライベートや部活の時間がなくなってしまいます。
その点、高校や大学への受験が不要な大学附属校に進学することで、周りの受験生が受験勉強に費やしている時間を自身の好きなように使えるのです。
3.友人と深い関係が築ける
大学附属校では友人と深い関係が築けることも大きなメリットです。
例えば中学受験をせずに進学する場合、中学校の3年間、高校3年間、大学4年間はいずれも違った友人やコミュニティに属します。
そのため、中には卒業後に疎遠になってしまう友人もいるでしょう。
その点、大学附属校に入学した際は、大学までの10年間を同じ友人と学校生活を共にするため、より長く深い関係性が築けるのです。
4.施設が充実している
大学附属校の学費は通常の私立校に比べるとやや高いですが、その分施設が充実していることが多いです。
大学附属校は、小学校や中学校、高校など複数の学校が一つの敷地内に建てられていることがあり、敷地が広く、利便性の高い設備を導入していケースが多くあります。
施設が充実していることで、入学してからの学校生活も充実しやすくなるのです。
中学受験で大学附属校を受験する4つのデメリット
大学附属校を受験することでさまざまなメリットがありますが、その一方でデメリットもあります。
主なデメリットは以下の4つです。
1.さまざまな指導法やコミュニティが一定になりやすい
1つ目のデメリットは、指導法やコミュニティについてです。
大学附属の中学校に入学することで、約10年間同じ指導法を受け、同じ友人と過ごします。
そのため、考え方や価値観の幅が狭まりかねません。
また、約10年間、同じコミュニティに属することで、交流の幅も狭くなりやすく、将来的に関われる人数が厳選されやすくなってしまいます。
同じ学校に通っているからといって、必ずしも考え方や交流関係が限定される訳ではありませんが、意識的に視野を広げるように心がけることは大切です。
2.受験が無いことで勉強をする習慣が無くなりやすい
一般的に高校や大学へ進学する際には、それぞれの受験合格に向けて必死に勉強をします。
そのため、特定の時期から勉強をする習慣が付きやすいでしょう。
一方で、高校や大学受験をせずに中学受験が最後になる場合、受験に向けた勉強が不要になり、勉強をする習慣が無くなりやすいのです。
勉強もせずだらだらと過ごしていたら、時間が無駄になってしまいます。
子どもは時間を無駄にすることないように自立し、保護者は子どもの様子を見ながらフォローしてあげましょう。
3.外部受験へのサポートが無い
中学入学時点で行きたい大学の学部まで決まっているお子さんはほとんどいないでしょう。
大学進学を考え始める時期になったときに、行きたい学部がない可能性もあります。
その場合は他大学の受験をしなくてはなりませんが、大学附属校では外部受験へのサポートが手薄です。
ですので予備校や家庭教師などに頼ることになります。
また、他の生徒は内部進学がほとんどなので、その中で受験をするというのは受験に集中できなかったりと、お子さんに負担になるでしょう。
4.希望する学部にいけない可能性がある
大学進学はできるとしても、希望する学部に進学できないケースがあります。
大学附属校では、成績が良ければ自身の希望する学部への進学が可能ですが、その反面で、成績が悪い場合は希望する学部にいけないことがあります。
そのため、希望する学部に進学するためには、入学後も勉強に励み、高い成績を維持しなければいけないのです。
もし、希望する学部にいけず外部受験をする場合は、前述したように受験サポートには期待できないので注意しましょう。
主な有名大学附属校
中学受験で人気な大学附属校はさまざまあるため、今回は関東と関西に絞って紹介します。
関東で有名な大学附属校
関東で有名な大学附属校は以下の通りです。
学校名 | ||
慶應義塾中等部 | 早稲田中学校 | 應義塾湘南藤沢中等部 |
武蔵中学校 | 慶應義塾普通部 | 早稲田大学高等学院中学部 |
早稲田実業学校中等部 | 明治大学付属明治中学校 | 早稲田佐賀中学校 |
東邦大学付属東邦中学校 | 立教女学院中学校 | 青山学院中等部 |
立教池袋中学校 | 立教新座中学校 | 中央大学附属横浜中学校 |
青山学院横浜英和中学校 | 学習院女子中等科 | 法政大学第二中学校 |
関西で有名な大学附属校
関西で有名な大学附属校は以下の通りです。
学校名 | ||
同志社香里中学校 | 近畿大学附属和歌山中学校 | 兵庫県立大学附属中学校 |
関西学院中学部 | 甲南女子中学校 | 同志社中学校 |
神戸海星女子学院中学校 | 京都女子中学校 | 立命館中学校 |
同志社女子中学校 | 清教学園中学校 | 関西大学第一中学校 |
近畿大学附属中学校 | 帝塚山学院泉ヶ丘中学校 | 関西大学中等部 |
立命館宇治中学校 | 同志社国際中学校 | 甲南中学校 |
大学附属校への受験はよく調べてから決めよう
今回は、中学受験における大学附属校に焦点を当てて解説しました。
中学受験さえ乗り越えば大学進学まで保証されているというメリットはありますが、その反面大学の進路まで決まってしまうので、志望校を決める際はより慎重に選ぶようにしましょう。
また、大学進学できるからといって、勉強に手を抜いてはいけません。
希望する学部に進学するためにも日々勉学に励む必要があります。
受験がなくても怠けず自立したお子さんは、ぜひ大学附属校の受験を検討してみてはいかがでしょうか。