こんな方におすすめ
- 「医学部の受験を考えているなら、中高一貫校が良い」という話を聞いたことがある方
- 子どもが医学部志望だが、中学受験をさせたほうが良いのか迷っている方
- 子どもが医学部志望だが、学校選びに迷っている方
「将来的に大学の医学部を狙っているのなら、中高一貫校に通った方が良い」「中学受験をして、早いうちから受験を経験しておいた方が良い」という話を聞いたことがある人も少なくないのではないでしょうか。
年々難化する医学部受験ですが、本当に中学受験を体験することで有利になるのか気になりますよね。
今回はそんな、医学部受験を考えているなら本当に中高一貫校が良いのか、そして中学受験を行うメリット・デメリットは何かを詳しくご説明します。
医学部合格者は中高一貫校生が多い
結論から言うと、医学部合格者の中で中高一貫校に通う生徒の比率はとても高く、医学部合格者の出身高校をランキングにすると、上位は中高一貫校が独占しているような状態です。
なぜここまで医学部合格者に中高一貫校生が多いかというと、
- 中高一貫校ならではのハイレベル・ハイスピードな授業で、入試に向けた準備がしっかりとできるということ
- 学校によってはその学校出身の医師に直接話を聞けるなど、医学部志望者に向けた手厚いサポートが受けられること
という理由が挙げられます。
特に医学部進学コースを設立している学校は、カリキュラムが医学部受験に向けた高度なものになっていたり、実際に手術用の針と糸を用いての縫合体験ができたりと、中高一貫校以外に通う生徒に大きく差をつけた学習を行えるようになっています。
医学部合格者ランキング
2022年の医学部医学科の合格者数のランキングを見ていきましょう。
順位 | 高校名(太字は中高一貫校) | 所在地 | 合格者数 |
1 | 東海高等学校 | 愛知県 | 123 |
2 | ラ・サール高等学校 | 鹿児島県 | 76 |
3 | 東大寺学園高等学校 | 奈良県 | 68 |
4 | 灘高等学校 | 兵庫県 | 64 |
久留米大学附設高等学校 | 福岡県 | 64 | |
6 | 洛南高等学校 | 京都府 | 61 |
7 | 甲陽高等学校 | 兵庫県 | 60 |
8 | 青雲高等学校 | 長崎県 | 50 |
9 | 北嶺高等学校 | 北海道 | 48 |
桜蔭高等学校 | 東京都 | 48 | |
開成高等学校 | 東京都 | 48 | |
滝高等学校 | 愛知県 | 48 | |
13 | 愛光高等学校 | 愛媛県 | 47 |
昭和薬科大学附属高等学校 | 沖縄県 | 47 | |
15 | 札幌南高等学校 | 北海道 | 43 |
16 | 豊島岡女子学園高等学校 | 東京都 | 42 |
浜松北高等学校 | 静岡県 | 42 | |
熊本高等学校 | 熊本県 | 42 | |
19 | 新潟高等学校 | 新潟県 | 41 |
西大和学園高等学校 | 奈良県 | 41 |
合格者数上位20校のうち16校が中高一貫校という結果になりました。
いかに中高一貫校が医学部合格に有利かがわかるでしょう。
医学部合格のために中高一貫校を受験をするメリット
これまでに説明した通り、医学部合格者には中高一貫校に通う生徒がとても多いです。
冒頭にて「なぜ医学部合格者に中高一貫校に通う生徒が多いのか」を簡単に説明しましたが、ここでは医学部合格のために中高一貫校を受験、そして入学をするメリットを1つずつ丁寧に紹介していきます。
医学部受験対策に十分な時間を充てられる
中高一貫校に通う最大のメリットは、医学部受験対策に十分な時間を充てられるということが挙げられます。
一定以上の偏差値の生徒が集まっている中高一貫校では、一般的な公立中学校に比べて早い速度で授業を行います。
その結果、大学受験で必要な学習を早めに終了できるため、残りの時間を医学部受験対策に充てることができるのです。
高校2年生までにカリキュラムを終え、高校3年生の1年間は受験に充てられるという学校も多いため、中高一貫校以外に通う生徒と大きく差をつけることができるでしょう。
早い時期から勉強する習慣がつく
中学受験を受けることによって、小学生の頃からコツコツと努力し勉強するという学習習慣を身に付けることができます。
このような学習習慣は、一般的な公立校よりもハイペースで授業が進む中高一貫校に入学した後にも非常に大切なスキルとなります。
圧倒的な勉強量が必要になる医学部受験を成功させるには、なるべく早い時期から学習習慣を身に付け、効率的な学習をすることは重要なことです。
レベルの高い環境に身を置ける
一般的な公立中学校には様々な学力の生徒が集まる一方、中高一貫校の生徒の学力は一定レベル以上の高い生徒が集まっています。
また中高一貫校に合格した生徒というのは、小さい頃から学習習慣がありコツコツと努力を続けて受験を勝ち抜いてきた人達です。
そのような人が常に周りにいるレベルの高い環境に身を置くことで、現状に甘んじることなく、切磋琢磨しながら成長することができるでしょう。
医学部合格のために中高一貫校を受験をするデメリット
医学部志望者にはメリットの多い中高一貫校ですが、もちろんデメリットが無いというわけではありません。
ここでは医学部合格のために中高一貫校を受験・入学をした場合のデメリットをご紹介します。
高校受験がないため、中だるみがおきやすい
当たり前のことですが、中高一貫校には高校受験がありません。
高校受験を経験した人が経験する「緊張感」などを味わわないため、中だるみを起こしてしまう可能性があります。
勉強嫌い・勉強疲れを起こしてしまう可能性がある
中高一貫校は入学直後から高レベル・ハイペースな授業を行います。
そのため、日々の積み上げが授業にて一度つまずいてしまうと追いつけなくなってしまい、勉強が嫌いになってしまう可能性があります。
また、難関大学を目指す人の多い中高一貫校では、中学生の頃から大学受験を見据えた授業を行います。
そのため、学力のことを意識してしまうあまり、強いストレスを感じて勉強疲れを引き起こしてしまう可能性があります。
受験を甘く見てしまう可能性がある
中高一貫校という難関をくぐり抜けてきたという経験から、「受験」そのものを甘く見てしまう可能性があります。
また中学受験合格者の中には、地頭が良かったのでさほど勉強せずとも合格できてしまったというパターンの方もいます。
中学受験と医学部受験は難易度が全く違うものですが、それでも一度成功体験を持ってしまった方の中には「そんなに勉強をしなくても、きっと次も上手くいくだろう」という楽観的な考えをしてしまう人も少なくないようです。
医学部進学を考えているなら、ぜひ中学受験の検討を!
今回は、医学部受験と中高一貫校の関係性、そして医学部志望者が中学受験を行うメリット・デメリットについてご説明しました。
中高一貫校に合格し努力し続ければ、医学部合格に近づくことは間違いないでしょう。
もしもお子さんを医学部に入れたいとお考えの親御さん、そして子どもがお医者さんを目指しているという方は、ぜひ中学受験を検討してみてください。