こんな方におすすめ
- 塾の公開テストは受けるべきなのかどうか知りたい
- 塾の公開テストにおける偏差値の目安が知りたい
今回は、四谷大塚や日能研などの各塾が主催する公開テストの目的や意味を解説します。
塾の公開テストは、自分自身の実力を客観的に知る機会であり、受験本番の実践的な練習になったり正確な実力を測ったりする貴重な機会です。
中学受験を成功させるために積極的に受けた方がいいです。
ただ、公開テストは受けるだけでなく、受けた後の方がテスト以上に大切です。
公開テストの結果に振り回され過ぎず、現状を知るためのツールとして上手に活用しましょう。
また、公開テストによって偏差値に差が生じます。
これはテストの難易度や受験生の属性などによって生じるものなので、偏差値だけで一喜一憂しないようにしましょう。
中学受験の公開テストって何?
塾に通っていると定期的にテストがありますが、あくまでこれは塾内に限ったテストです。
公開テストは塾の垣根を越えて全国の受験生が受けるテストになります。
塾生だけでなく、他塾の子、家庭教師や通信教育で受験対策をしている子も一斉に受ける大規模な模試です。
テスト後は点数だけでなく、偏差値、合格率、問題ごとの正答率など細かいデータが受け取れます。
特にSAPIX、四谷大塚、日能研などの大手塾が行っているものは参加者が多く、合格判定の精度が高いのでおすすめです。
公開テストは4~6年生を対象に日曜日に行われるので各塾のホームページなどで詳細を確認してください。とくに秋から冬にかけて多く実施されます。
料金は1回数千円が相場です。
SAPIXの公開テスト
SAPIX難関校向けの受験塾のため、成績上位者が多く受け、偏差値が低く出る傾向があります。単純に他の公開テストでの偏差値との比較はやめましょう。結果を見る時には合格率や偏差値表に注目してください。
Webサービスでは当日中に採点前の答案画像が公開され、翌々日には採点後の答案画像や偏差値、順位などが公開されるので記憶の新しいうちに振り返りが可能です。
難関校に絞った志望校別の公開テストも実施しています。
四谷大塚の公開テスト
四谷大塚の公開テストで特に有名なのは6月と11月に行われる「全国統一小学生テスト」。全国2500会場で無料で実施されるので受験者数が多いのが特徴です。
また、それとは別に行われる「合否判定テスト」は私立中学も会場になるのでより本番に近い環境で受けられます。
自宅のパソコンでテストの解説授業を受けられるのも魅力です。
日能研の公開テスト
老舗の受験塾ならではの過去30年間蓄積してきたノウハウと7万件以上の入試データをもとにした判定が受けられます。
最短で、試験翌日にWeb上で成績、解説などの情報を得られるスピーディーさも特徴です。
公開テストを受けるメリットを知ろう
日曜日を丸々潰しても有り余るほど、公開テストのメリットは絶大です。
受験本番の感覚を掴む
公開テストの会場は本番さながらです。普段通っている塾の教室や校舎とは違う場所で行う場合もあります。
緊張感の養い方、休憩時間の使い方、集中力の保ち方などを公開テストで学び、受験本番に落ち着いて取り組めるようにしましょう。
自分の順位・合格率を知る
公開テストは点数だけでなく、順位や合格率、問題ごとの正答率など細かいデータが分かります。
特に小人数制や個別指導の塾、家庭教師やオンライン塾、通信教育などで受験対策をしていると「自分の実力は本当に通用するのか」という不安を持ちやすいです。
それを解消してくれるのが公開テストです。多くの受験生の中での自分の位置がはっきりと分かります。
特にSAPIXでは難関校に絞ったの「学校別判定テスト」があり、より精度高く実力の把握が可能です。
自分の得手不得手が分かる
公開テストは問題ごとの正答率が記されているので自分の得手不得手が一目瞭然です。どこを間違えたのか、何故間違えたのかなどを分析することで効率よく勉強ができます。
テストが返却されると点数に一喜一憂してしまいがちですが、点が取れている箇所と取れていない箇所をしっかりと把握しましょう。
公開模試は良問の宝庫!
公開テストは各塾が力を入れている催しです。「出来るだけ多く参加して欲しい」「正確な判定を出したい」と思っているので問題制作にはこだわりが詰め込まれています。
どの中学でも出題されない奇問や誰も解けない超難問があってはいけません。検討に検討を重ねた問題が出題されるので公開テストは良問の宝庫です。
受験対策に大いに役立ててください。
もっと公開テストを役立てるために知っておきたいこと
公開テストはただ受ければいいというものではありません。受け方や結果の捉え方のコツについてしりましょう。
点数や合格率、偏差値に一喜一憂し過ぎは良くありません。
5年生中盤くらいから偏差値は動きにくい
公開テストは4~6年生を対象に行われます。頑張って勉強し続ければ本番に近づくにつれ点数や偏差値が伸びていくだろうと思いたいものですが、5年生の中盤くらいになると少し頑張ったくらいでは大きな上昇は難しいと考えてください。
なぜならば「みんな頑張っている」からです。高い目標を抱くのは良いことですが、5年生の中盤くらいになったら「これが自分の実力」と受け入れ、志望校を絞っていきましょう。
反対に4年生の頃の公開テストに一喜一憂し過ぎるのは禁物です。4年生はまだ本格的に受験対策モードに入っていない子も少なくなく、テスト参加者も少ないので精度があまり良くありません。偏差値30台や70台が簡単に出てしまいます。
公開テストによって偏差値は変動する
公開テストによって偏差値は多少変わります。
たとえば「開成中・合格可能性80%」の偏差値は四谷大塚の公開模試では71,SAPIXの公開模試では66、日能研公開模試では71となっています。
公開テストの種類で偏差値が変わるのを念頭に置いておきましょう。
ちなみに、難関校向けの塾であるSAPIXの模試は参加者のレベルが高いので偏差値が低く出る傾向があります。「偏差値がいきなり下がった!」とパニックにならないようにしましょう。
テストごとに異なる偏差値表を取り違えないようにしてください。
全問正解を目指さなくて良い!正答率に注目!
公開テスト後にできなかった箇所を記憶が新しいうちにチェックするのは大切ですが、全問正解にこだわる必要はありません。
問題ごとに正答率が記されているので目標に応じて「正解しなければならない問題」と「捨てていい問題」を分けましょう。
たとえば、正答率90%以上の問題、これは絶対に取らなければなりません。
しかし、正答率10%以下の問題はどうでしょうか?目標の志望校の偏差値が60程度ならば、「捨てて」も大丈夫です。このように、確実に正解するべき問題とそうでない問題を見分けましょう。
特に6年生の後期ともなれば残された時間はわずかです。時間をかけて取り組むべき問題を見誤ってはいけません。
1つの目安として
- 偏差値70以上:正答率20%以上
- 偏差値60~65:正答率30%以上
- 偏差値55~60:正答率40%以上
- 偏差値50~55:正答率50%以上
- 偏差値45~50:正答率60%以上
- 偏差値~40:正答率65%以上
の問題を確実に解けるようにすると良いでしょう。
完璧主義の子は難問に取り組んで時間を使い過ぎてしまう場合もあるので特に気を付けてあげてください。
公開テストで自分を知ろう!
公開テストは本番の予行練習をしたり自分の実力を知ったりする貴重な機会です。積極的に活用していきましょう。
公開テストを受けた後は点数や偏差値などに振り回されず、得手不得手を分析するのを忘れないでください。全問正解を目指すのではなく、目標に合わせて「確実に解ける問題」を解けるようにしていくと効率の良い勉強ができます。
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