こんな方におすすめ
- 低学年の子どもが「学校嫌い」だ
- 「学校に行かない子ども」との向き合い方を知りたい
小学校低学年で学校嫌いになってしまった場合の治し方について紹介します。
我が子が笑顔で「行ってきます」と言えな状態は辛いものです。
しかし「何とかしてあげたい」と思う親心が、時として子どもを余計に追い詰めてしまう場合もあります。
十数年続く学生生活の最初の部分がちょっとうまくいかなかっただけと考え、焦らずに向き合っていきましょう。
今日から実践!小学校嫌いの治し方
低学年の小学校嫌いの治し方を紹介します。子どもの様子を見ながら試してみてください。
子どもの学校嫌いの悩みを家庭だけで抱え込まない
子どもの学校嫌いを心配するのは親ならば当然です。
何とかしてあげたくなります。しかし家庭だけで対処するのには限界があるので、外部も適宜頼りましょう。
親はどれだけ子ども愛していても、素人に過ぎません。
子どもを休ませてあげるタイミング、背中を押すタイミングなどを見極めるのは困難です。また、家庭だけで問題を抱えてしまうと視野が狭くなります。
「子どもは元気に学校へ行かなければならない」という考えに取りつかれ、無数にある選択肢が見えません。
担任、スクールカウンセラー、自治体の機関、小児科など信頼できるプロに相談してみましょう。
愚痴や弱音を吐ける場所が、家庭の外にあるだけでも心強いものです。
子どもの話を聞く
子どもが学校を嫌う理由を探りましょう。
「何となく学校が嫌い」という子もいますが、「何となく」ではなく「何か」があります。
原因を探るためには、子どもとの信頼関係を築くことが重要です。
「なんで行きたくないの?」と聞いて、すぐに答えてくれない場合も焦ってはいけません。
しつこく理由を問い詰めると、子どもは「親が納得しやすい理由」を言ってしまいます。
オヤツを食べたり一緒にお風呂に入ったりしながら「今日楽しかったこと」「美味しかったこと」「明日楽しみなこと」などを聞いてみましょう。
リラックスしてくると、ポロリポロリと「抱えていること」を話すようになります。
いじめや嫌がらせの場合は担任や保護者を交えての対応が必要ですが、「ちょっと嫌だったこと」程度ならば、「それは大変だったね」「よく頑張ったね」など共感を示して褒めるだけで子どもの気分が前向きになり、学校嫌いが改善していく場合も多いので、ねぎらってあげましょう。
たとえ学校嫌いの原因が根深いものであったとしても、原因が分かったり子どもとの信頼関係が築けたりしていれば改善の道は見えてきます。
問い詰めたりダメ出ししたりせず、子どもが話しやすい環境を整えてあげてください。
子どもに自信を付けさせる
自分に自信がないと、先生からの少しの注意や友達の些細な一言で「もうダメだ!学校なんて嫌い!」となってしまいます。
逆に親から愛されている自信があれば、友達に少しばかり意地悪なことを言われたとしても、「自分にはその評価はふさわしくない」あるいは「この点は良くなかったけれど、改善すれば問題ない」と思えるので落ち込みません。
得意な教科が1つでもあれば、苦手な教科があっても「でも自分には〇〇がある」と思えます。
子どもに「良いところ」を分かりやすく伝えて、褒められるところは何でも褒めてあげましょう。
お手伝いをしてもらって、褒めてあげるのもいいですね。
逆に、親が「小学校が嫌いなんてわがままでダメな子」「小学校すらまともに行けないなんてこの先どうするの」などと言ってしまうと、子どもは自信を無くしてしまい、周囲の軽はずみな評価を真に受け、失敗を恐れ、どんどん学校を嫌いになってしまいます。
親も一緒に登校する
小学校低学年の学校嫌いは学校そのものに大きな原因があるわけではなく「親と離れることが不安」である場合も多く見られます。
一緒に小学校に登校し、別室で待機しているだけでも子どもが落ち着くケースもあるので、試してみてください。
「この街路樹、もうすぐ花が咲きそうだね」「今日の給食美味しそうだね」「一時間目はあなたの得意な〇〇だね」など、楽しい予定を話しながら通学すれば、学校にいいイメージを抱きやすくなります。
一緒に通学することになると、親にとっては大きな負担になってしまいますが、いつまでも続くものではありません。
子どもが落ち着けば「今日はここまででいいよ」と言い出す日が来ます。
時には学校を休ませる
「小学校を休みたい」と言われて動揺しない親はいません。
しかし、子どもは勇気を振り絞ってこのセリフを言ったのだと感じ取ってください。
有給休暇などという堂々と休める制度がない子どもの方が、親よりもずっと「小学校には毎日行くべき」という固定観念にとらわれています。
そんな状況で敢えて休みたいと言い出したのですから、深刻な事態です。
小学校低学年はまだまだ体力、気力、精神力が未熟なので単純にパワーが切れている場合もあります。1~2日休んだらケロリとして小学校に行く子も多いので、親が騒ぎ過ぎないようにしましょう。
子どもに「どうしようもなくなったら、家にいればいい」と安心感を与えてあげることで、「どうしようもなくなるまでは頑張ろう」と思わせてあげられます。
親は親で日常を楽しむ
「学校が嫌いな子」を心配するのは、親としては当たり前です。
しかし、子どもの心配ばかりしていないで、親は自分の日常にも興味とエネルギーを向けましょう。趣味、仕事、家事などを、できる限りこれまで通り楽しみながらこなしてください。
子どもにばかり注意が行っていると、子どもは「小学校が嫌いなのはとてもダメなことなのだ」と劣等感が大きくなります。
親が「子どもの学校嫌い」を生活の中心に置くと視野が狭くなり、家庭の雰囲気がピリピリして、子どもがますます辛くなるばかりです。
小学校を嫌いになる原因については対処が必要ですし、子どものケアも重要ですが、親子共倒れにならないようにしましょう。
深刻な学校嫌いにさせないために
低学年の場合、少しの働きかけや時間が学校嫌いを改善する場合もあります。
「小学生は小学校が好きであるべき」という考えを捨て、学校嫌いが深刻にならないように働きかけましょう。
早寝早起き規則正しい生活を
たとえ不登校になってしまったとしても、子どもを昼夜逆転生活にさせてはいけません。朝は登校に間に合う時間に起こし、夜更かしさせないようにしましょう。
昼夜逆転生活になってしまうと、本来の学校が嫌いな理由に加えて「朝起きられない」が学校へ行かない理由になってしまいます。
朝起きたら顔を洗い身支度させる習慣をしっかり付けましょう。朝起きられないと、学校嫌いを治すためのステップが「朝起きること」からスタートしなければならなくなってしまいます。
たとえ小学校の教室に行きつけなくても、できれば保健室やフリースクールなど「どこか」に行くようにしましょう。
規則正しい生活を崩さなければ、「小学校に行く」ことを復活させやすくなります。
勉強をする
勉強が遅れると子どもの劣等感に拍車がかかるので、家庭学習はしっかりと行いましょう。
とくに小学校低学年で習う算数が理解できていないと、今後の算数・数学に深刻な影響が出ます。
親が教える自信がないのならば、フリースクールや家庭教師もおすすめです。少し費用が掛かりますが、不登校専門の家庭教師ならば、勉強だけでなくカウンセリングもしてくれます。
ハードルを限界まで下げる
「子どもは毎朝元気よく小学校に行くべきだ」という考え方を捨てましょう。
大人だって毎日ノリノリで通勤したり家事をしたりしているわけではありません。気が乗らない日だってあるはずです。
子どもは親の期待に応えたいと思っている一方で、がっかりさせることを恐れています。「小学校が好きで、お友達みんなと仲良くして、人並みに勉強ができる」ことを当たり前に求めてしまうと、子どもは苦しくなってしまうのです。
妊娠している時に「心臓が動いているだけありがたい」と思った気持ちを思い出してみましょう。
「朝起きて、自分で服着替えて朝ご飯食べて、さらに小学校に行くなんてすごい!」というスタンスで見てあげてください。
そうすれば子どもも「自分は親の求める最低ラインはクリアしている。あとは余力で学校にも行ってみるか。ダメならダメでいいや」と気構えずに小学校へ行けます。
小学校低学年の学校嫌いは子どもを追い詰めないのが治す近道!
小学校低学年の学校嫌いの治し方のポイントは、「子どもを追い詰めないこと」と「親が焦らないこと」です。
親が「普通の小学生」を求めれば求めるほど、子どもは苦しくなってしまいます。「普通の小学生」なんていません。
ママと離れたくないのならば一緒に登校すればいいし、小学校に居場所がないのならば家庭を居場所にすれば問題ありません。
子どもが「少し頑張ってみようかな」と思えるような環境を整えてあげましょう。
子どもが助けを求めているのならば手を離さないであげてください。
その代わり、親は外部に助けを求めてください。
視野は常に広く「〇〇であるべき」に縛られ過ぎないことが小学校嫌いを治す近道です。
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