こんな方におすすめ
- 中学受験でプログラミングが問われるのは本当か知りたい
- プログラミング入試の対策をどうすればいいかわからない
新学習指導要領により、2020年から小学校でプログラミングの授業が必修化になりました。
プログラミングといっても高度なコードを組むわけではなく、主にプログラミングに必要な論理的思考力などを養います。
この小学校のプログラミング必修化に伴い、今後プログラミングが中学受験の入試科目として問われてきます。
すでに、いち早く入試科目として取り入れている学校もあります。
そこで今回は、プログラミングによる入試はどのようなものなのか、中学受験におけるプログラミング対策はどうしたらいいのかについてご紹介します。
直接的な入試科目としてのプログラミングだけでなく、プログラミング検定が評価の対象になったり、論理的思考が受験勉強に役立ったりするなど、プログラミングは中学受験に深くかかわっており、今後もますます重要度が増していくでしょう。
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入試科目としてのプログラミングとは
プログラミングで入試を行う中学が出てきたものの、まだまだ一般的とは言えません。
2022年現在、どのような形でプログラミング入試が行われているのかをご紹介します。
プログラミング入試を取り入れている中学校の例
まず、プログラミング入試がある中学とその内容について代表的なものを紹介します。
中学受験におけるプログラミング入試の歴史はまだ浅く、今後内容が変わっていく可能性は大いにあります。
その時々で出題傾向を抑えるようにしましょう。
駒込中学
東京の駒込中学では、2019年からSTEM入試を取りいれています。
STEMとは、Science, Technology, Engineering and Mathematicsの頭文字をとったもので、科学技術などの発展のために取り入れられている教育モデルのことです。
同学園では、埼玉大学STEM教育研究センターとの共同授業があることからも、STEM教育に相当力を入れていることがわかります。
小学生用のプログラミング教材Scratch(スクラッチ)を使って入試を行います。
試験時間は80分ですが、最大1時間50分まで延長可能とのこと。
受験生が納得いくま でプログラミングをやりきることができます。
駒込中学校では、8月7日(日)の13:30~16:00で「プログラミング入試体験」が開催されます。
興味のある方は申し込むことをおすすめします。
聖徳学園中学
東京の聖徳学園中学では、2種類のプログラミング入試から選ぶことができます。
マインクラフトまたはSphero(スフィロ)を利用して行う入試の2種類です。
聖徳学園中学のHPでは、以下のように説明がなされています。
・マインクラフト入試
マイクロソフト社のマインクラフトを活用した、集中思考・創造性を重視した入試です。
デザイン思考を取り入れた創造性を評価します。・Sphero(スフィロ)入試
論理的思考力を重視した入試です。
ボール型ロボットSpheroを使用し、思考力・判断力・コミュニケーション能力・プログラミングを楽しむ力を評価します。
算数が好きなお子様にオススメします。引用:聖徳学園中学HP
駒込中学で取り入れられているScratch(スクラッチ)やマインクラフトは、ビジュアルプログラミングといい、画面上で完結しますが、Sphero(スフィロ)は「ロボットを実際にどう動かすか」という内容(ロボットプログラミング)となっています。
相模女子大中学部
神奈川県の相模女子大中等部では、2019年からプログラミング入試を取り入れています。
子どもが自分自身で認識していない能力(非認知能力)を見極めるために導入したようです。
中学部の授業でも高度なプログラミングが行われており、今後ますますプログラミング教育に力を入れていくことが予想されます。
実際の入試内容は、最初に20分程度のプログラミング学習をし、その知識をもとに80分でプログラムするというものです。
そして、その後プログラムの内容を発表し、グループディスカッションを行います。
学習したことを正しく活用する力や、試行錯誤を繰り返す姿勢、プレゼンテーション能力などが総合的に求められます。
2023年度以降のプログラミング入試にむけた「プログラミング体験会」が定期的に開催されています。
2022/7/2(土) 9:30~11:30/2022/9/17(土) 9:30~11:30/2022/10/15(土) 9:30~11:30/2022/11/19(土) 9:30~11:30/2022/12/10(土) 9:30~11:30/2023/1/7(土) 9:30~11:30
の日程で開催されているので、興味のある方はお申し込みをおすすめします。
プログラミング入試で評価されるポイント
プログラミング入試で評価されるポイントは中学によって様々ですが、ミッションの成功の可否だけで点数が決まるわけではありません。
与えられた課題が最後までこなせなくても、問題を発見し改善したり、取り組んだことの発表をしたり、全体像を正しく理解したりすることなどが大きな加点ポイントになります。
あくまで中学受験の入試科目であり、IT会社の入社試験ではないのでハイレベルなプログラミング能力は求められていません。
また、パソコンやプログラムなどは当日に初めて扱うのではなく、入試前に「練習」できる中学が多くあるので、事前に触れておくことで落ち着いて入試に臨むことができます。
たとえば相模女子大中学部では、事前の体験会に90名を超える参加者が集ったそうです。
このような体験会やイベントは各校で行われている傾向です。
プログラミング入試でも学科試験は勉強する必要がある
プログラミング入試は増えてきていますが、まだまだ全体で見れば実施数は少なく、中学入試のメインは学科試験です。
例えば、駒込中学の2021年入試では、募集人数120人のうち、プログラミング入試枠は10名となっています。
ほとんどの中学ではプログラミング入試であっても学科試験も課せられていて、学科試験で一定以上の得点を取らなければなりません。
そのため、現状ではプログラミングの力だけで中学入試を乗り切ろうとするのは、現実的ではありません。
学科試験におけるおすすめの参考書はこちらの記事で解説しています。
中学受験の参考書を選ぶポイント7選|成績を上げる参考書とは?|まなびWeb
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ジュニア・プログラミング検定をもっていると有利になる中学も
ジュニア・プログラミング検定は、小・中学生向けのプログラミングに関する知識を認定する資格試験のことです。
この検定を所持していると相模女子大学中学部や大妻嵐山中学、八王子実践中学など一部のプログラミング入試で優遇されます。
優遇措置がなかったりプログラミング入試を実施していなかったりする中学でも、小学生の頃から資格を所持していると調査書等でアピールポイントになります。
ジュニア・プログラミング検定は、市販の参考書やプログラミング教室で勉強することができます。
検定の試験を受けるという緊張感は、中学入試にも通ずるため、場慣れとしての良い機会でもあります。
ジュニア・プログラミング検定以外にキッズプログラミング検定などもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
プログラミング入試の勉強・対策方法
中学受験をしなかったり、プログラミング入試を受ける予定がない子でも、プログラミングを学ぶことはおすすめです。
プログラミングを習うなら低学年からがおすすめ
中学受験を見据えてプログラミング教室に通うのならば、なるべく早めがおすすめです。
なぜなら、高学年になってからプログラミング教室通い始めても受験勉強や学習塾と両立させるのが大変になってしまうからです。
そのため、小学校低学年(1.2年生)からプログラミング教室に通っておくといいでしょう。
プログラミングと聞くと難しそうな印象を受ける人もいるかと思いますが、小学1年生がたくさん在籍するプログラミング教室はたくさんあります。
本格的な中学受験対策が始まる前の段階でプログラミング教室に通い、論理的思考力を身に着けたうえで受験勉強を開始するのが理想的です。
プログラミングが学べるのは教室だけではない
子ども向けのプログラミング教室はたくさんありますが、プログラミング教室に行かなければプログラミングが学べないというわけではありません。
例えば、プログラミングが学べるゲームやおもちゃなどがおすすめです。
近年では、ボードゲームやカードゲームも専門のカフェがあるくらい流行っています。
小学生や中学入試で求められるプログラミングは、高度なものではありません。
プログラミングそのものではなく、その過程の論理的思考や試行錯誤(トライ&エラー)、集中力が重要なのです。
お子さんに合った方法でプログラミングや論理的思考を身につけていきましょう。
難関中学狙いなら論理的思考力は必須
偏差値の高い中学ほどいわゆる「パターン化された問題」は出題されなくなってきます。
「この問題はこの攻略法」「この問題の解き方はこれ」などという勉強の仕方をしていても「なぜそうなるのか」を理解していなければ解けない問題ばかりです。
そこで求められるのが論理的思考力です。
与えられた条件や問題を論理的に考え、試行錯誤をして解く力が求められます。
難しい入試問題を解く過程は、プログラミング学習と似ているため、いい訓練になります。
まとめ|プログラミングを学び、中学受験を有利にしよう!
新学習指導要領により、2020年から小学校でプログラミングの授業が必修化になりました。
プログラミングで入試を行う中学も増えてきており、今後ますます注目されていくでしょう。
プログラミング入試を受けなくても、プログラミングを学ぶことで得られる論理的思考力は勉強をしていくうえで大いに役立ちます。
そのため、中学受験を受けるかどうかにかかわらず、小学校低学年(1.2年生)からプログラミング教室に通い、学ぶことをおすすめします。
そして、プログラミング入試においても、従来の4教科勉強も重要であることには変わりがありません。
お子さんが興味をお持ちなら、プログラミング入試にぜひ挑戦してみてください。