学校生活

【最新版】小学校のいじめの実態とは?データを分析して家庭で対応しよう!

こんな方におすすめ

  • 学校現場のいじめの実情が知りたい
  • 子どもがいじめられているかもしれない
  • 小学生のいじめに関するデータを教えてほしい

学校におけるいじめ件数は年々増加しており、いじめの認知件数は2019年度に過去最多の61万2,496件となっています。

その中でも、小学校でのいじめが全体の約8割を占めており、特に低学年でいじめが多い状況です

今回は、文部科学省が公表しているいじめの実態のデータをもとに、小学校のいじめはどのような状況なのか、そして、小学生のいじめに対して大人は何をするべきなのかについて紹介します。

いじめの認知件数だけでなく、その背景にまで目を向けて子どもを守っていきましょう。

子どもがいじめられていた時の対処法についてはこちらの記事で解説しています。

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小学校のいじめの実態はどうなっているの?

文部科学省のホームページに掲載されている「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」をもとに、データの推移や分析を行います。

いじめの認知(発生)学校数の推移

いじめが発生した小学校数の推移は、以下のようになっています。

平成25年度平成26年度平成27年度平成28年度平成29年度平成30年度令和元年度
10,23111,53712,78514,33415,79117,14517,458

年々いじめの発生件数は増加しています。

一見、学校現場がいじめの温床になりつつあるように見えますが、そうではありません。

なぜなら、このデータはあくまでいじめを「認知」できた小学校の数だからです。

発生件数が増えているのは、単純に「いじめが増えている」のではなく、「いじめを発見できた数」が増えているとも分析できます。

いじめの認知件数の学年別・男女別内訳

令和元年に認知(発見)できたいじめのうち、学年や男女の内訳は以下のようになっています。

学年1年生2年生3年生4年生5年生6年生
男子49,76453,57551,93646,57540,86027,433
女子37,93142,79139,98636,21030,26822,996
合計87,69596,36691,92282,78571,12854,649

認知件数は低学年が多く、高学年になるにつれて減ってきています

低学年のうちにいじめをきちんと発見し、指導してあげることが大切です。

ただし、高学年になるとスマホを利用したり、インターネットを活用したりすることでいじめが見えにくくなることもあるので、より一層気を配ってあげなければなりません。

スマホやインターネットの使い方についてルールを決めたり、家族で話し合ったりする必要があります。

小学生のネット利用についてはこちらの記事で解説しています。

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いじめの内容

小学校で認知したいじめの内容はどのようなものだったのでしょうか。

いじめの内容(複数回答可)構成比
冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌やことを言われる61.0%
軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする23.6%
仲間はずれ、集団に無視をされる13.9%
嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする8.4%
ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする5.7%
金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする5.6%
パソコンや携帯電話などでひぼう・中傷や嫌なことをされる1.2%
金品をたかられる0.9%
その他4.6%

小学校のいじめの内容として圧倒的に多いのは「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」です。

2番目、3番目の「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする」「仲間はずれ、集団に無視をされる」などといった行為は「ちょっとした悪ふざけ」の延長線上で発生してしまうケースが多くあります。

このように、加害者側は「いじり」のつもりでも、被害者側からすると精神的苦痛を伴う「いじめ」に感じている場合は多々あります

小学生の特に低学年は、スマホやお金をあまり所持していないので、ネット上でのいじめや金品をたかられるようなことは内容のいじめは少数派です。

しかし、中学や高校ではこれらの割合が上がってくるので、早いうちから「やってはいけないこと」「被害に遭ったらすぐに相談すること」などと教えてあげましょう。

いじめ加害者への対応

いじめの加害者への学校側の対応の実態は、以下の通りになっています。

対応内容(複数回答可)構成比
いじめられた児童生徒やその保護者にたいする謝罪の指導45.7%
保護者への報告42.6%
別室指導7.0%
校長、教諭が指導4.2%
スクールカウンセラーなどの相談員がカウンセリングを行う1.2%

小学生のいじめの加害者に対する対応で最も多いのが、保護者への報告と被害者への謝罪の指導です。

そのほか、件数は少ないですが、クラス替えや外部機関(専門機関、司法機関)などと連携するなどの対処報告もあります。

小学生のいじめの加害者へは懲罰的な対応というよりは指導・ケアに重点を置いた対処が基本です。

中学、高校になると、退学や停学、出席停止など、より重い対処が行われるケースも目立ってきます。

いじめ被害者への対応

いじめの被害者への学校側の対応は、以下の通りになっています。

対応内容(複数回答)構成比
学級担任や他の教職員等が家庭訪問を実施6.1%
教育委員会と連携して対応2.4%
別室を提供したり、常時教職員が付くなどして心身の安全を確保2.0%
スクールカウンセラー等の相談員が継続的にカウンセリングを行う1.5%
児童相談所などの関係機関と連携した対応0.2%
緊急避難としての欠席0.1%

いじめ被害者への対応は多岐にわたり、非常に複雑です。

被害者に様々な人が関わり、寄り添いながら心の傷を癒し、日常を取り戻せるように努めています。

小学生のいじめで保護者ができることは何?

小学生のいじめの実態やデータを踏まえたうえで、保護者は大切な子どもにしてあげることはなんでしょうか?

被害者・加害者にならないため、いじめが起きてしまった場合は早期対応するため、日ごろから心がけたいことをまとめました。

「いじめ」とは何かを伝える

文部科学省はいじめを「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍しているなど当該児童生徒と一定の人的関係のあるほかの児童生徒が行う心理的または物理的な影響を与える行為」と定義しています。

つまり、

  • 継続的でなくても
  • 物理的でなくても
  • 悪気が無くても

被害者が「苦痛」だと感じればそれはいじめなのです。

この点を子どもによく伝えましょう。

「相手にも悪いことがある」「ちょっとした悪ふざけ」は言い訳になりません。

逆に「自分にも悪いところがあったからしょうがない」「この程度のことは我慢しなくちゃいけない」という気持ちを持つと、受けているいじめがエスカレートしてしまいます。

何がいじめなのか、何をしてはいけないのかを日ごろから家庭で話し合いましょう。

「こんな時、相手はどんな気持ちになる?」と子どもに考えさせるのも有効です。

子どもを観察する

いじめの早期発見・早期対処のためには、子どもをよく知ることが大切です。

普段とは違う様子が見られるなら、それは気を付けてください。

以下は、いじめの加害者にも被害者にも見られる特徴です。

  • 怒りっぽくなる
  • 体調が悪そう
  • 差別的発言が目立つ
  • 持ち物の異常

ストレスを抱えていると、自分よりも弱い立場の相手で発散しようとしてしまう場合があります。

つまり、加害者もなんらかの困りごとを抱えている可能性があるのです。

そして、いじめられる側ももちろん強いストレスを感じます。

被害者は「元気がなくなる」場合もありますが、小学校で抱えてしまったストレスを家庭で発散をしようと弟妹をいじめたり反抗的な態度を取ったりする場合も少なくありません。

急に「悪い子」になったと感じたら頭ごなしに叱るのではなく、何か困っていることが無いか声をかけましょう。

子どもと話す

子どもに学校の様子を聞きましょう。

特定の子を馬鹿にしたような発言がある場合は、相手の立場や気持ちを考えられるように促しましょう

一方で、嫌なことをされたり必要以上に我慢していたりするようならば「〇〇って言ってごらん」などと相手への伝え方を教えてあげてください。

良くないのが「そんなの無視しなさい」という言い方です。

子どもは嫌なことがあっても「無視できない自分が悪い」「大人は助けてくれない」と思ってしまい、SOSを出せなくなってしまいます。

ちょっとした出来事や愚痴ならば「それは偉かったね」「そう言われて相手もうれしかったと思うよ」「それは残念だったね。明日はうまくいくよ」など、共感して受け止めてあげましょう。

まとめ

文部科学省のデータによると、いじめの認知件数は年々増えています。

いじめにきちんと対応をしようという風潮から発見件数が増加していると考えられますが、それでもなおいじめの件数は多く、発見されていないいじめも必ずあります。

家庭でも何がいじめなのかを子どもに伝えていきましょう。

被害者や加害者にならないため、早期に発見できるようになるためには普段からの子どもとのかかわりも大切です。

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