こんな方におすすめ
- 関西では定番の前受け受験のメリット・デメリットを知りたい
- お試し受験として前受けを考えている
前受けとは、お試しとして本名校を受験する前に行う受験のことです。
関西では前受け受験は定番ですが、近年では首都圏でも前受けをする方が増えています。
お試しなので受けなくても構わないのですが、メリットもあるので前受けをするか悩んでいるご家庭もあるのではないでしょうか。
本記事では、前受け受験をするメリット・デメリットや注意点を解説します。
中学受験の前受けとは?
中学受験における「前受け」とは、第一志望を受験する前に他の学校を練習のために受験することです。
中には前受けに対して「その学校を第一志望で考えている人もいるから、お試しで合格枠を取るのはおかしい」と考える方もおり、賛否両論あります。
しかし、その上でも前受け受験をする方が多いのが現状です。
ほとんどの塾でも第一志望の受験で失敗しないために、前受けをおすすめしているケースが多いですが、前受けは必ず行わなければいけないというわけではありません。
前受け受験のメリット
前受け受験は、多くの塾でもおすすめするほど、様々なメリットがあります。
主なメリットは以下の通りです。
中学受験の雰囲気を体験できる
一つ目のメリットは、中学受験の雰囲気を実際に体験できるという点です。
小学生の子どもにとって、中学受験が人生で初めての受験であり、試験が近づくにつれて緊張感が強くなっていきます。
また、試験当日の家から会場へ向かう際や、試験会場の独特の雰囲気にはほとんどの方がプレッシャーに感じるでしょう。
ましてや自分がずっと行きたかった学校の試験当日となれば、プレッシャーはかなりのものです。
もし第一志望の学校だけを受験する場合、初めて経験するプレッシャーを感じながら入試問題を解かなければいけないため、実力が出し切れないかもしれません。
そのため、前受け受験をすることで、事前に受験の雰囲気を感じておき、本命校の受験に少しでもリラックスした状態で臨めるようになるのです。
合格してプレッシャーを軽減できる
二つ目のメリットは、合格を経験することで、第一志望の学校を受験する際のプレッシャーを軽減できる点です。
長い受験期間を無駄にしないためにも、どこの学校にも合格出来なかったというのは避けたいところです。
そのため、第一志望ではなくとも、合格を獲得しておくことで受験失敗の可能性が無くなり、プレッシャーが軽減されます。
そうすることで、余計な緊張や不安を感じにくくなり、第一志望校の試験日当日にパフォーマンスを発揮しやすくなるのです。
出願から合格までの流れを把握できる
三つ目のメリットは、出願から合格までの流れの把握です。
中学受験は出願してから受験校の合格を通達されるまでの間に様々な手続きや対応があります。
まずは受験をする学校への出願の仕方をはじめ、受験当日の流れ、合否の確認、合格した際のインターネット上での手続きなどです。
また、出願に関しても窓口での出願やインターネット上での出願など、受験する学校によって出願方法が異なります。
特にインターネットに慣れていない方の場合、なかなかスムーズに出願できないというケースもあるでしょう。
そのため、事前に出願からの流れを把握しておくことで、第一志望の学校を受験する際も慌てることなく、受験が可能となるのです。
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前受け受験のデメリット
前受け受験の主なデメリットは以下の通りです。
万が一落ちてしまった時のフォローが必要
いかに前受け受験といえど、不合格になってしまう可能性はゼロではありません。
受験前は「滑り止め」や「力試し」という風に気軽な気持ちで臨む方もいるでしょう。
しかし、お試しのつもりで挑んだ学校で不合格になってしまった場合、お子さんはもちろんですが、親御さんまで一緒に落ち込んでしまうかもしれません。
万が一前受け受験で不合格になってしまった際は、まずは子どものフォローを優先してください。
受験に対するモチベーションが落ちてしまわないように気を付けましょう。
受験料がかかる
中学受験では、試験を受けるだけでも費用がかかってしまいます。
実際にかかる金額は受験する学校によって異なりますが、公立の中間一貫校では約2,000円前後であり、国立大付属中学校では約5,000円、私立中学校では約20,000円ほどが相場でしょう。
前受け受験をすることでメリットはありますが、その分費用がかさんでしまうため、家計の負担になってしまうのです。
時間がかかる
前受け受験とはいえ、過去問を解いたり、当日は移動と試験時間で丸一日ほど時間がかかってしまいます。
そのような時間があるなら第一志望校に向けた勉強をしたいという方もいるでしょう。
前受けをするメリット・デメリットを天秤にかけ、どこに重きを置くかしっかりと話し合いましょう。
前受け受験の注意点
続いて、前受け受験をする際の注意点について詳しく解説します。
試験会場が学校ではないこともある
前受け受験の場合、試験当日の会場が受験する学校ではなく、大きなホールや貸し切りの会議室で行われることがあります。
そのため、事前に試験会場をしっかりと確認しておかなければいけません。
もし試験会場が学校ではない場合、前受けのメリットの一つである「雰囲気に慣れる」という点が薄れてしまうと思われがちです。
しかし、実際に慣れるべきは建物の雰囲気ではなく、大勢の受験生と一緒に試験を受ける空間の雰囲気と言えます。
そのため、仮に会場が学校以外でも場慣れのメリットはありますが、どうしても校舎の雰囲気もあわせて体験させたいという場合は、会場が校舎である学校を受験すると良いでしょう。
合格しやすい学校を選ぶ
前受け受験のメリットである「合格してプレッシャーを軽減させる」を活かすためには、合格できる学校への受験が必要不可欠です。
特に前受け受験の場合、万が一不合格となってしまった際のリスクが大きいため、多少学力のハードルを下げてでも合格しやすい学校を選ぶべきでしょう。
子どもへの伝え方
前受け受験の際は、子どもへの伝え方も重要です。
たとえば、子どもに「滑り止め」「合格しても行かない」と伝えてしまうと、受験する学校に対して「簡単に合格できる」という認識を持ってしまいやすくなります。
その結果、勉強にも身が入らず、気が抜けた状態で試験当日を迎えてしまい、不合格という最悪の結果に繋がりかねません。
そのため、子どもには「滑り止め」という本当の意味を隠し、すべての学校で第一志望校のように取り組めるように伝えておきましょう。
前受け受験でもしっかりと対策はしておく
先述したように、前受け受験において不合格という形に終わってしまうのは、最悪の結果と言えるでしょう。
万が一不合格になってしまうと、子どもが中学受験へのモチベーションが下がってしまいます。
そのため、前受け受験の意味が「滑り止め」や「第一志望校への勢いをつけるため」だとしても、確実に合格を獲得できるように、入念な対策をしておきましょう。
前受け受験を有効に活用して志望校に合格しよう
今回は、中学受験における前受け受験についてメリット・デメリット、前受けの際の注意点について解説しました。
前受け受験は賛否両論があるものの、適切な方法で取り組めば多くのメリットが得られます。
万が一のリスクを回避しつつ、前受け受験のメリットを最大限に活かすためには、入念な準備や対策が必要不可欠です。
もし、お子さんの中学受験を成功させたいのであれば、前受け受験を有効的に活用し、第一志望校の合格率を少しでも上げられるようにしましょう。