こんな方におすすめ
- 中学受験での親の面接の対策を知りたい
- 中学受験の面接の様子を知りたい
中学受験での「面接対策」についてご紹介します。
合否に大きな影響は及ぼしませんが、事前に準備をしておくことで受験に安心して望めます。
「面接の目的」を理解して、親の心構えについて考えてみましょう。
中学受験における面接の位置づけ
面接がある中学でも、合格を左右するのは筆記試験の点数です。
面接では、提出書類の確認や中学受験への意気込み、受験校への理解、親子関係や子どもの人柄などを見ます。
筆記試験で合格ラインを超えているのならば「ちょっとうまく話せなかった」程度で落とされることはありませんし、逆に「立派な受け答えができた」としても一発逆転にはなりません。
しかし、何人もの子が同点で、それが合否のボーダーラインならば話は変わってきます。面接が合否に大きな影響を与える可能性も出てきます。
勉強時間を大幅に削ってまで面接対策をする必要はありませんが、基本的な準備をしておけば、安心して臨めます。
塾や家庭教師が練習をしてくれることもあるので、適宜利用してみましょう。
中学受験の面接の服装・マナー・基本
面接を受ける際の服装やマナー、形式などについて解説します。
面接の際の服装
面接は「普段の服装で」と書いてある場合も多いですが、トレーナーとジーパンなどでは会場で浮いてしまいます。
父親はスーツ、母親もスーツかそれに準じる服装をしましょう。
男児は白シャツにネクタイ、ジャケット、紺やグレーのズボン、革靴、白か黒の靴下が基本です。
女児は白い丸襟のシャツ、ジャケット、色味を抑えたスカート、白か黒の靴下、黒のローファーにするとよいでしょう。
髪の毛は清潔感のあるものにし、長い女性は邪魔にならないようにすっきりと結んでください。
鞄や時計、アクセサリー、化粧などは華美にならないようにしましょう。
面接時のマナー
- 名前を呼ばれたら返事をし、2~3回ノックをして一呼吸。
- 「失礼します」と言って入り、一礼してからドアを閉める。
- 椅子の前まで歩き、面接官の顔を見て「よろしくお願いします」と言いながら礼をする。
- 面接官がすすめてから椅子に座る。
- 背筋は伸ばす。背もたれには寄りかからない。
- 面接が終わったら座ったまま礼をする。
- 椅子の横に立ち「ありがとうございました」と言って礼をする。
- ドアまで歩き、面接官の方を向いて「失礼します」と言ってから退室。
書くと長いですが、基本はお辞儀と挨拶です。多少のもたつきやミスで不合格になることはありません。
完璧を目指し過ぎてパニックにならないようにしましょう。
「足を組む」「ふんぞり返」るなどのクセがある人は気を付けてください。
面接の形式
面接の形式は「個人面接」「保護者面接」「親子面接」など様々です。
時間は5~10分程度が一般的となっています。
あらかじめ志望校の面接の形式をチェックしておきましょう。
今年度は新型コロナの影響で例年よりも簡略化していたり、オンライン上で行ったりしている学校もあります。
中学受験の面接で親に良くされる質問と見られていること
中学受験の際に親に良くされる質問とその意図について解説します。
「受験の動機」で学校への理解や教育方針を見られる
「どうしてわが校を受験したのですか?」は必ず聞かれる質問です。
- 〇〇な校風・教育方針に魅力を感じたから。
- 通学圏内で偏差値が丁度良かったから。
- 大学進学を見据えて。
などが一般的な回答です。家庭の求める教育方針と学校の方針がマッチしているのかどうかが見られています。
何校も中学を受けている場合、間違えて他の中学の魅力を語らないようにしましょう。
「子どもの長所・短所」で客観的な視点とそれの対処法を見ている
「子どもの長所・短所はなんですか?」も定番の質問です。
親が子どもを客観的に判断できているか、長所をどう生かし、短所をどうカバーしているのかを見られています。
親ばか全開で褒めちぎるのは良くありませんが、謙遜し過ぎたりネガティブになり過ぎたりしないようにしましょう。具体的な例を話すと説得力が出ます。
例えば「凝り性なところが長所」ならば、今までどんなことに興味を持ち、何をしたのかを言いましょう。
「食卓に出したシラスの中に混じるちりめんモンスターに興味を持ち、図鑑で調べて、夏休みの研究にして褒められた」「ビーズ細工が趣味で、土日は何時間でも集中してやり続けている」など具体的なエピソードを言うと、面接官は子どもの人柄を察しやすくなります。
また、凝り性の子を家族がどう支え、伸ばしているのかも伝えてください。
短所はネガティブになってしまいがちですが、短所をカバーするために何をしているかなどを織り込むと印象がよくなります。
例えば「片付けが苦手なのが短所」ならば「机や引き出しの中がごちゃごちゃになってしまいやすいですが、置く場所を決め、次の行動に移す前に一度片付けるように声掛けを繰り返しています。本人も片付いた机の気持ちよさに気が付いてくれたようで段々と自主的にできるようになってきています」などと言うと向上心や伸びしろをアピールできます。
「親子関係・家庭での様子」で家庭環境や子どもの積極性を見ている
家庭では普段どんな会話をしているのか、どんな過ごし方をしているのか、勉強環境、好きな遊び、気に入っている本などを聞かれます。
親が子どもをどれくらい理解しているのかの確認と家庭が円満であるかどうかを見られている質問です。
健全な家庭で育っているのならば中学でも円満な人間関係を築けるだろうという評価が得られるでしょう。
もちろん、スマホゲームや漫画、ファーストフードが好きで共働き家庭で親子の時間が少なくても、よほど荒れた家庭環境を連想させない限りは問題ありません。
むしろ見栄を張らないように注意しましょう。子どもと親で言っていることが違うと気まずくなってしまいます。
中学受験の面接で親が特に気を付けること
中学受験におけるうっかりやってしまいがちなNG行動について知っておきましょう。
親が子どもの話を遮る・奪う
親子面接では親がヒヤヒヤするような受け答えを子どもがしてしまう場合もあります。しかし、子どもが何を言っても遮るのは我慢してください。非常に心象が悪くなる行為です。
想定外の質問をされて子どもが言いよどんでしまう時も、親が「〇〇って言いたいんじゃない?」など子どもの代弁をしようとするのも良くありません。
子どもが助けを求めて視線を送ってきても、「落ち着いて自分の言葉で言ってごらん」と微笑んで応援してあげるだけに留めましょう。
多少のハプニングにうろたえず、子どもを信じて見守ってあげてください。
親と子どもの答えに矛盾がある
なるべく親と子で言っている内容に矛盾や食い違いが無いようにしましょう。
良くあるのは親が受験校を決めたにもかかわらず、子どもの自主性をアピールしようとするケースです。
親が「文化祭に行って子どもが夢中になり、受験したいと言いました」と言っているのに、子どもが「母がこの中学をすすめたので受験しました」などと答えては矛盾が生じてしまいます。
筆記試験で点数が取れていればこの程度で落ちることはありませんが、ギリギリの点数ならば危ないでしょう。
中学受験で子どもが確固たる志望動機や信念、自主性を持っているのはむしろ珍しいくらいです。余計な見栄を張る必要はありません。
将来の夢や親にとっての子どもの長所と子どもが自覚している自分の長所が違っているなどは問題ありませんが、あきらかに嘘が分かるような受け答えは避けたいものです。
事前に上記の「良くされる質問」については家でシミュレーションをしておきましょう。
中学受験の面接は親と子のコミュニケーションを大切に
中学受験の面接は就職の面接とは違い、落とすための試験ではありません。
学校の方針と家庭のマッチ度を確認するためなので落ち着いて受けましょう。
聞かれることは大体決まっているのであらかじめ親子ですり合わせをしておくのが有効です。
塾や家庭教師が練習をしてくれるので不安な場合は頼んでみてください。
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