こんな方におすすめ
- 中学受験で「長文問題」が不安
- 「長文問題」対策を取って、成績を上げたい
中学受験において長文読解は合否に大きな影響を与えます。
しかし、長文読解は「いつも使っている日本語」という安心感からか、ついつい後回しにされてしまいがちです。
長文は「感覚」で解くものではありません。傾向を知り、対策を取れば、着実に成績を上げていけますよ。
中学受験の長文読解対策が合否を握る理由
中学受験において、「長文読解で点が取れるかどうか?」は合否に大きな影響を及ぼします。
後回しにせずにじっくりと対策をしていくことがおすすめです。
国語は算数と並んで配点が大きい中学が多い
中学受験の科目は国語・算数・理科・社会が基本ですが、その中でも国語と算数の配点を理科と社会に比べて多くしている中学が少なくありません。学校によっては国語と算数の二科目のみの場合もあります。
理科や社会がおざなりでいいというわけではありませんが、国語は算数と並んで高得点を狙いたい教科です。
国語は長文読解の比重が大きい
ほとんどの中学受験の国語では、長文読解の配点が全体の7割を締めます。
残り3割は漢字や熟語などで、もちろんおろそかにはできませんが、長文読解ができるかどうかが国語で高得点が取れるかどうかの分かれ目です。
長文読解は「力がついた」ことが実感できにくいので、ついつい後回しにしてしまいがちですが、算数や理科のように「公式」を意識すると安定して点が取れるようになっていきます。
長文読解に強くなるために今日からできる対策3つ
どんな種類の長文が出てきても、安定して点数を取るための対策を紹介します。
模試で点数が取れなかった言い訳として「今日は文章が合わなかった」という子がいますが、受験本番においてその言い訳は通用しません。
どんな文章が出てきてもこの3つの対策は必ず役立ちます。
設問を先に読む
長文読解問題が出た場合、まずは問題文ではなく設問に目を通しましょう。
「何を問われているのか?」を最初に頭に入れておけば、問題文の中のどこに注目して読めばいいのかが分かります。
最初に問題文を読み始めてしまうと、「どこに注目をしていいのか?」が分からないまま端から端まで精読するので、必要以上に時間と気力を費やしてしまいます。
文章をたくさん読む
長文読解は、算数や理科の公式のようにシステマチックに解いていけます。
しかし、算数の公式を使うためには四則計算をマスターしている必要があるように、長文の公式を使うためには長文が読めなければなりません。
日ごろから様々な種類の文章をたくさん読みましょう。
小説以外ならば新聞が向いています。
社会で役立つ時事問題の知識も得られるので一石二鳥です。
正しい接続詞や助詞、指示語の使い方を体に染みこませてください。
無料で読めるネットニュースは、底が浅すぎたり、素人が適当に書いていたりする文章も多いので、長文読解の対策にはなりません。
速読を訓練する
長文読解の文章量は2,000~4,000字です。
問題文も長文の傾向があるので、合わせて3,000~6,000字を読むことになるでしょう。
文章を読むスピードが早ければ早いほど、問題を解くのに費やす時間が多く取れます。
そのためには、速読のトレーニングがおすすめです。
一般の人は文章を読むとき、頭の中で音に変換して読んでいます。
小説や詩などはその方が文章を良く味わえますが、中学受験で悠長なことは言っていられません。
文字は文字のまま音に変換せずに理解しましょう。
また、眼球を動かして文字を追って読む人が多いですが、この方法では目が疲れる上、段落ごとに眼球を上下させるので時間のロスがでます。
速読のコツは「文字を音に変換せずに理解する」「眼球を極力動かさずに多くの文字を読む」の2つです。
最初は難しいですが、トレーニングを続ければ成果が出ます。
ゲーム感覚で楽しめる速読アプリの利用もおすすめです。
低学年のころは「音読」が推奨されますが、文章を早く読むのには向いていません。
しかし音読そのものには素晴らしい効果とメリットがあります。
読解の基礎は音読です。おろそかにしてはいけません。
長文読解の種類と対策
長文読解は説明的文章、物語文、随筆の3種類の中から出題されます。
それぞれの意識するべきポイントを解説します。
説明的文章
- 結論を見つける。
- 結論と具体例の関連に注目する。
- 接続語で文脈を掴む。
- 指示語が何を指すかを読み取る。
説明的文章には論説文と説明文の2種類があります。
似ていますが、論説文は「筆者が主張したいことを説明した文章」で、説明文は「テーマについて具体例を挙げながら説明する文章」です。
筆者が「主張したいのか?」「説明したいのか?」で見分けましょう。
普段から本をたくさん読んでいる子であっても、説明的文章は読み慣れておらず、読みにくいと感じてしまいます。
説明的文章では、大人向けの言葉でさまざまな具体例が長文で出てくるので、元のテーマや結論、主張を見失ってしまうことが点のとれない原因です。
また、接続詞に注目してください。
「しかし」「けれども」「だが」「なぜなら」「つまり」「すなわち」などの接続語に注目すると、起承転結が見えてきます。
接続詞の後には説明的文章の中で重要な内容が書かれているので、印などをつけておく方法がおすすめです。
また、「それ」「これ」「あれ」などの指示語は何を指しているのかも、正確に読み取りましょう。
説明的文章の場合、2文字の指示語が何行にも及ぶ内容を指している場合もあります。
指示語の指す内容が読み取れれば、筆者の主張を読み取れたも同然です。
物語文
- 登場人物の心情が問われる。
- 場面の変化を掴む。
- 想像力を広げ過ぎない。
物語文は、明治時代の小説など少し古めのものから出題される傾向もありますが、おおむね説明的文章よりも読みやすいと、多くの子どもは感じます。
しかし、「手ごたえはあったのに、実際には点が取れていない」というケースが毎年後を絶ちません。
物語文では、登場人物の心情を問う問題が多く出題されますが、「感情移入」が「思い込み」になってしまうことが原因です。
中学受験の問題において問われているのは登場人物の心情であって、受験生がどう思ったかではありません。
ここを読み違えないようにしましょう。文章の中に「回答の根拠」を見つけてください。
そのためには場面の変化が重要なポイントです。
特に回想を含めた時間軸の移り変わりは正確につかみましょう。
小説好きの子はついつい深読みしてしまいやすいですが、問題に取り組む時に重要なのは裏の裏まで想像することではなく、場面を正確に読み取る客観的な理解です。
随筆
- 事実と意見を読み取る。
- 構成を意識する。
- 一般常識や自分の意見にとらわれない。
随筆は作者の経験とその感想や意見で構成されています。
文章は柔らかめで、1文節が短く、読みやすい文種です。
しかし、作者の経験(事実)と感想(意見)を区別して正確に読み取れないと点が取れません。
「普通の人はこう考える」「世の中の多くはこのパターンだ」という思い込みを捨てて文章を読んでください。
随筆を読むときは「事実①→事実②→意見」「事実①→意見①→事実②→意見②→結論」など、どのような構成なのかを意識して読むことがポイントです。
堅くない文章だからこそ、事実と意見の区別がつけられないと苦労します。
長文読解の対策は「正しい読み方」にあります!
長文読解は、中学受験の合格に大きな影響を与えるので、対策が重要になります。
日ごろから多くの文章を読んで、正しい日本語を身に付けましょう。
速読ができると有利になります。
説明的文章、物語文、随筆のそれぞれの傾向を知り、「なんとなく」や「自分がどう感じるか」ではなく、システマチックに筆者や登場人物の主張や考えを読み解きましょう。
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