こんな方におすすめ
- 小学校高学年の子供に読書を勧めたい
- 小学校高学年の読書感想文や勉強に役立つ本を知りたい
小学校高学年は、児童書だけでなく一般文藝にも親しめる年頃です。
多感な時期に出会った本は、大人になっても心に残ります。
素敵な経験をたくさんしてください!
「短編」「中長編」「海外小説」、その他のジャンルから、選りすぐりの12冊を紹介します。
さっくり読める「短編小説」
短編小説は隙間時間に読書を楽しめます。
今すぐ『楽しい』と『結末』が欲しい人におすすめです。
5分後に意外な結末シリーズ
学研プラス 詳細
タイトルにあるとおり、1篇5分で読めるアンソロジーです。
人情、SF、ホラー、ファンタジーなどいろいろな話があるので飽きません。
たくさんの作家さんが参加しているのでお気に入りの作家さんを見つけたら今度はその人の本にチャレンジしてみるのもおすすめです。
世界中の都市伝説やジョーク、伝承などが散りばめられています。
ねらわれた星(星新一ショートショートセレクション1)
星新一(著)詳細
ショートショートの巨匠、星新一のセレクションです。
短編(ショート)よりもさらに短い「ショートショート」という形式で、斬新な設定と結末を次々と繰り出してきます。(「せっかくの素敵なネタを使い捨てにしている」と同業者に嫌われるほどだったとか)
SFを中心に風刺、ホラーなど何でもありの世界です。
昭和に書かれたものも多く入っていますが、古さを感じさせません。
クラスメイツ<前期><後期>
森絵都(著) 詳細
北見第二中学1年A組の1年間を、クラスメイト24人の視点で描いた連作短編集です。
部活を通して自分探しをする千鶴、人気者になりたいけれど空回りをしてしまう蒼太、親友と初恋で揺れ動く里緒など、様々な悩みや願いを抱いた中学生たちの描写が瑞々しいです。
舞台は中学校ですが、思春期を迎えた小学校高学年ならば、「あ、分かる」「この子は自分に似ている」「この子はあの子っぽいな」などと思う瞬間にたくさん巡り合えます。
もうすぐ始まる中学校生活に想いを馳せてみるのもいいですね。
じっくり味わいたい「中編~長編小説」
少し時間をかけて読み切りたい人におすすめの本を紹介します。
精霊の守り人
上橋菜穂子(著) 詳細
30歳の女用心棒バルサは『精霊の卵』を宿し、帝に命を狙われるチャグム皇子の護衛をすることに。やがてそれは世界をまきこむ事態になり……。
和風ハイファンタジー小説です。
主人公が『30歳』なのは小学生向けの小説としては少々異色ですが、謎解き、アクション、人間関係などが重厚で子供向けの小説にありがちな「ご都合主義」が徹底して排除されています。
普段ファンタジーを読まない人でも嵌りやすい作品です。
Arknoah1僕のつくった怪物
乙一(著)詳細
いじめられっ子の兄弟、アールとグレイは「アークノア」と呼ばれる不思議な世界に迷い込んでしまった。
帰るためには自分の『負』が作り出してしまった怪物を倒さなくてはならなくて……。
世界が全て『部屋』でできているユニークな設定に引き込まれます。
アークノアでは老いや飢え、戦争、死さえもありません。情景描写を楽しんでいるとあっという間に読み進めてしまうことでしょう。
しかし、根底にある兄弟の孤独や怒り、そして願いにドキリとさせられます。
時に残酷な展開もあり、飽きさせません。
かがみの孤城
辻村深月(著)詳細
不登校で引きこもりの少女・こころ。ある日突然鏡が光り、鏡の向こうの世界に導かれた。
そこは不思議な館で、似たような境遇の少年少女7人と9時から17時、『鍵』を探しながら過ごすことに……。
あらすじだけ書くとファンタジー要素が強いですが、内容はどこまでも現実世界が迫ってきます。
外に出たくない気持ち、『普通の子』になれない焦り、親との確執、微妙な人間関係……「分かる」が多すぎて胸が苦しくなってしまうほどです。
こころの迷い、勇気、成長、決断を見届けましょう。
異国情緒も楽しめる「海外小説」
「日本人作家が海外を舞台に書いた小説」と「海外の作家が書いた小説」は雰囲気が大きく違います。
どう違うのかは読んでのお楽しみ!
モモ -時間泥棒にぬすまれた時間を人間に返してくれた女の子のふしぎな物語-
ミヒャエル・エンデ(著)詳細
廃墟に住み着いた粗末な身なりのモモは「話しを聞く力」に優れていて、ちょっとした人気者の女の子。
しかし、世界から「時間」を盗もうとする「灰色の男」が暗躍し始め、次第に人々はギスギスし始めてしまう。
モモは「灰色の男」から時間を取り戻そうとするが……。
ちょっと不思議な女の子を主人公にしたスリル溢れるファンタジーです。そして「時間とはなにか」「豊かさや幸せとはなにか」を押しつけることなく考えさせてくれるでしょう。
時間を節約すればするほど幸せから遠ざかってしまう人々の描写には、40年以上前に書かれた小説とは思えない程の説得力があります。
シャーロック・ホームズの冒険
アーサー・コナン・ドイル(著)詳細
ホームズには「あの女性」と呼ぶ人がいる。
彼が綿密に立てていた計画がたった一人の女性によって台無しになってしまったのだった。
言わずと知れた名探偵シャーロック・ホームズの活躍を描いた短編集です。
物語自体が痛快で面白いのはもちろんですが、読むメリットはそれだけではありません。
シャーロック・ホームズのオマージュやパロディは多くあるので、本家を読めばそれらをもっと楽しめるようになりますよ。
シートン動物記 オオカミ王ロボほか
シートンほか(著)詳細
強くて賢いオオカミ「ロボ」は、近隣の牧場を荒らして人々を困らせていた。
牧場主やハンターたちが罠や銃、毒餌、猟犬などで対策をしようとするが、全く効果ない。
「何とかしてくれ」と依頼を受けた動物学者のシートンはロボの群れを観察し、ついにロボの弱点を見つけるが……。
「人間 vs オオカミ」の図式ですが、オオカミの「愛の話」でもあります。
そのほか、ご主人様大好きな犬のビンゴ、独りぼっちで生きるクマのワープなどたくさんの動物が登場し、様々な生き方を見せてくれます。
「社会問題・雑学」など
「世界」をもっと知ってみましょう!
武器より一冊の本をください 少女マララ・ユスフザイの祈り
ヴィヴィアナ・マッツァ(著)、横山千里(翻訳) 詳細
女に生まれただけで学校へ行き勉強をする機会を奪われてしまう……。
戦争、死、たくさんの理不尽な禁止令に溢れた日常たちで生きる若者たちを分かりやすく描く。
2012年にタリバンに銃撃された少女・マララさん。奇跡的に回復し、国連で「女性を解放する最も有効な道具は『教育』です」とスピーチを行いました。
世界には現代日本とはかけ離れた価値観が根付いている地域があり、それと戦う人々がいます。
新13歳のハローワーク
村上龍(著)詳細
2003年に刊行され、ベストセラーになった『13歳のハローワーク』の新バージョンです。
数多くの職業が紹介されています。「〇〇が好き」と好きな教科のページを開くと「好き」が生かせる職業がズラリと並び、胸が躍ります。
どんな大人になりたいか、好きや特技をどうやったら役立てられるのか……小学校高学年になると「自分の人生」について考える機会も増えてくるので道標の1つとなるでしょう。
仕事とはお金を稼ぐ手段であるだけでなく、世界をつなぐ窓や架け橋なのです。
世界の食べ物マップ
ジュリア・マレルバ&フェーベ・シッラーニ(著)詳細
世界中の食べ物を紹介している超大型本です。
世界一臭い缶詰「シュール・ストレーミング」、巨大な芋虫「ウィチェッティグラブ」、日本の「納豆」や「刺身」……見慣れた食材や料理から珍味や郷土料理まで網羅していて、眺めているだけで楽しい気分になれます。
「行ってみたい国」「食べてみたい料理」などに思いを馳せてみてください。
これを読んでから近所のスーパーの輸入食材を覗いてみるのも楽しいですよ。
小学校高学年は素敵な本に出合えるチャンス!
小学校高学年におすすめの本を11冊紹介しました。
気になる本はありましたか?
「隙間時間にサラッと読みたい短編」「時間をかけて攻略した中長編」「海外の香りとともに楽しみたい海外小説」「広い世界を知れる本」……たくさんの良い経験をしてください。
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