こんな方におすすめ
- 中学受験を諦めなければならない?不安になっている
- 中学受験を諦める判断基準が知りたい
- 自分の子どもに中学受験は合わないと感じている
今回は、「中学受験を諦めるか?どうしようか?」と迷った場合の判断基準を紹介します。
中学受験に合格することは大事ですが、時には「より幸せになるため」に、中学受験を諦める勇気も必要です。
親子で意見が割れてしまった場合の対処法についても考えておきましょう。
どの道を選択しても、後悔さえしなければ「失敗」ではなく「経験」です。
子どもの成績が下がった時の「親としての対処法」についてはこちらの記事で解説しています。
中学受験で成績が上がらない時に親がしてあげられることとは
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また、志望校のランクを少し下げてみることも検討しましょう。
中堅校の魅力についてはこちらの記事で解説しています。
【中学受験】中堅校の魅力や特徴をご紹介!偏差値だけで判断するのは損!
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「中学受験を諦めるかどうか?」を見極める3つのポイント
中学受験の勉強は、始めるよりも辞める方が大変です。
諦めてしまえば「今までの時間やお金が無駄になってしまう」と考えてしまいますし、今まで頑張ってきたからこそ「もう少し経ったら改善していくかも」という希望を持ってしまいます。
「中学受験を諦めるかどうか」で悩んだ時は、以下の3つのポイントを判断基準に考えましょう。
子どもにやる気はあるか?
子ども本人の「やる気」が、中学受験を諦めるか続行するかを判断する、1番大切なポイントです。
本人に勉強する気がないのに無理やり勉強をさせても、誰も幸せになりません。
親から見ると、子どもに「やる気がある」ようには見えないのに、子ども自身は「受験をしたい!やる気はある」と言っているようならば、2週間~3週間程度様子を見てみましょう。
「親が働きかけなくても、自主的に勉強している」のならば、まだ諦めるタイミングではありません。
一方、親が口うるさく言わないのを「これ幸い」とばかりに遊んでいるようならば、この先受験勉強を続行しても、お互いストレスをため込んでしまいますし、受験で望んだ結果は得られにくいので諦めることを検討したほうがいいでしょう。
子どもの中には直前に追い込む性格の子や、家庭では見せない「塾での努力」をしている子などもいますので、「見えている事実」だけですべてを判断せずに総合的に判断しましょう。
子どものやる気を学習環境から上げていくための方法について、こちらの記事で解説しています。
勉強がはかどる部屋作りの方法!やる気を上げる部屋とは?
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また、子どものやる気を出す40の名言はこちらでご紹介しています。
受験生のやる気を上げる名言・言葉40選!子どものモチベーションを上げよう!
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子どもの成績は伸びているか?
中学受験は「入塾してから半年後の成績がその子の実力」と言われています。
「入塾して半年後」もしくは「4年生の秋~冬」が、1つの見極めのタイミングです。
この時点で成績の伸びが見られないのであれば、今後も大幅な上昇は期待にしにくい可能性はあります。
偏差値がいつまでも低迷し続けているなら、「受験勉強を続けてもいい結果には繋がりにくい」と覚悟してください。
私立中学の価値は。偏差値だけで測れないとはいえ、大金を受験勉強につぎ込んだ挙句、公立中学とあまり変わらないレベルの私立中学に通うことになっても納得できますか?
中学受験を諦めるのはいつでもできますが、諦めるのならば早めに諦めた方が精神的に楽で、お金や時間のダメージも最小限に抑えられます。
公立中学で十分な可能性もありますので、その子の幸せのために考えてみてもいいかもしれません。
テストによって偏差値は変わってきますし、必ずしも偏差値が絶対ではありません。
公開テストの種類と偏差値・正答率の目安についてこちらの記事で解説していますので参考にしてみてください。
【中学受験】塾の公開テストは受けるべき?目的や意味、偏差値の目安も公開!
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中学受験の親の負担が辛くはないか?
中学受験はお金も時間もかかります。
塾のお金や送り迎え、子どもの勉強を見るなどのサポートが「辛い」「割に合わない」「自分ばっかり大変!」と感じるようならば、中学受験を見直しましょう。
「私はこんなに頑張っているのに、子どもは応えてくれない!」という不満を募らせているとしたら、親だけが中学受験に熱を入れすぎていて空回りしているのかもしれません。
「誰も幸せにならず、感謝もされない中学受験を、今後も続ける意味があるのか?」をもう一度考えてみましょう。
親が「頑張りがいがある」「支えてあげたい」という気持ちを抱けないのならば、中学受験はやがて「子どものため」ではなく「自分(親)のため」という位置づけになり、応えてくれない子どもを恨むようにもなり得ます。
中学受験を諦めれば、子どもに対しておおらかに接することができるかもしれません。
また、それに伴い「何のために中学受験をするのか」を定期的に子どもと話し合う必要があります。
長期戦の中学受験では、目的が「中学受験で合格すること」になってしまいがちですが、「なぜその中学を志望校にしたのか」「中学に入って何がしたいのか」が本来の目的であるべきです。
親子で話し合うことで同じ方向を向きながら受験勉強に取り組めるでしょう。
「中学受験を諦めたくない」と子どもが言った時の対応とは
親としては「このまま中学受験のための勉強を続けるメリットは少ない」と判断しても、子どもが納得しない場合の対応について紹介します。
親からは「子どもが勉強を頑張っていないように見えた」としても、子どもなりに頑張っている場合は、一方的に「諦めろ」と言われても子どもは納得できません。
「今までの時間や我慢や頑張りが無駄になるのが怖い」のは、子どもも同じです。
「成績を上げる」などの条件を付ける
「次の塾のクラス替えで上位クラスに入る」「次の模試で偏差値〇〇以上」など、期限を区切り、「成績を上げる」ことを中学受験続行の条件にしましょう。
それができないのならば、「これ以上中学受験のために時間やお金を負担できない」ときっぱりと告げてください。
中学受験は子どもの頑張りが大前提ですが、「親の負担も大きいのだ」と子どもに理解をさせましょう。
成績アップの条件をクリアしたのならば、「今後も成績を維持、もしくはさらに上げる」ことを条件に、中学受験を続けさせる方法がおすすめです。
「高校受験で頑張ろう」と言う
人には様々なタイプがあります。一番頑張れる年齢も人それぞれです。
中学受験が人生の全てではありません。
中学受験が乗り越えられない子はその後の人生もダメだというわけではないのです。
「あなたは大器晩成型の人間だから今はベストタイミングではない。高校受験で頑張ろう」と子どもに伝えてみてください。
中学受験のために培った勉強の習慣や考え方、努力は決して無駄になりません。
第三者を交えて冷静に話す
親子での話し合いでは感情的になってしまうのならば、塾の先生など信用できる第三者を交えて行うようにしましょう。
説得の際には「誰が悪いわけでもない」ことを強調してください。
そして、「今までは中学受験がベストな道だと思い進んできたけれど、もっと素敵な道を見つけたら、そっちへ進もう」というスタンスでポジティブに話しましょう。
中学受験を諦めたことを「失敗」にしないために
中学受験に挑戦したこと、そして中学受験を諦めたことを「失敗」にしないようにしましょう。
中学受験を諦めるのは大変な判断です。
だからこそ「英断だった」と言えるような新しい生活を作っていく必要があります。
子どもを責めない・謝らない
親は子どもに対して「あなたがたもっと中学受験の有意義さを理解して、勉強に身を入れてくれたら」という責める気持ちや「親の都合で中学受験を押し付け、貴重な子どもらしく遊ぶ時間を奪い、負担を強いてしまった」という罪悪感を抱きやすいですが、子どもにぶつけないようにしましょう。
言葉に出してしまえば、お互いを恨んだり罪悪感を持ったりして、深い亀裂が生じかねません。
中学受験を押し付けたことを謝るのでしたら、受験を諦めた時の1回だけです。
いくら謝っても時間は戻りません。
親が何度も謝ったり責めたりすればするほど子どもは「自分は人生に失敗した」と思ってしまいます。
「いいタイミングで損切りできた」「中学受験の世界を覗き見られて面白かった」と割り切り、「これからをどう過ごすか」について考えをシフトさせましょう。
開き直るのとは少し違いますが、「人生寄り道をすることもあるけれど、やり直しはいくらでも効くのだ」と学ぶいい機会です。
「諦めて良かった」と思える生活を送ろう
中学受験を諦めた後は「諦めて正解だった」と思えるような楽しい生活を心がけましょう。
「やっぱりもう少し頑張るべきだったのではないか」という思いが頭をよぎる瞬間もあるかもしれませんが、もう決めたことです。
受験勉強を続けていたら「せめてあの時に諦めていたら」と思い続けることになっていたかもしれません。
「子どもと一緒にたくさん遊ぶ」「浮いたお金で少し贅沢をする」などもよいでしょう。
「中学受験が叶わずショックを受けているのに、さらに子どもを楽しませる心の余裕なんてない!」という親もいるかもしれませんが、気持ちを切り替え、家庭内の笑顔を増やす行動をとると「これで良かったんだ」と納得できるようになります。
そして公立中学の悪口や悲観的なことは言わないようにしましょう。
高校受験に向けてプレッシャーをかけるのも早すぎます。
「地元の公立中学に行くんだから、せめて成績はトップをキープしてね」という理不尽な取引や押しつけも良くありません。
子どもが自尊心を失ったり公立中学の同級生を見下したりしてしまいます。
中学受験を諦めるのは悪いことではない
「中学受験を諦める」ということは、勇気のいる決断です。
しかし、子どもにやる気が感じられなかったり、成績が振るわなかったり、親が限界を感じているのならば、検討してみましょう。
無理に続行しても、イタズラに時間やお金を浪費し、辛いだけかもしれません。
中学受験には向き不向きがあり、頑張りや意気込みだけではどうしようのない部分もあります。
諦めることを決めたら、気持ちを切り替え、「これでよかったんだ」と思えるような日々をこれから作っていきましょう。
人生は、その時その時でベストな判断をして、積み重ねていくものです。