こんな方におすすめ
- 子どもに運動させることってそんなに重要?
- 運動するとどんなメリットがあるの?
- 親はどんなサポートをすればいいの?
「運動することは身体に良いことなので、外遊びをさせよう」といわれますが、「具体的にどんな良いことがあるの?」と思われている保護者の方が多いのではないでしょうか?
今回は、「子どもに運動をさせるメリット」を詳しくご紹介します。
併せて「すすめのスポーツ」や「親のサポート」の仕方もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
子どもの頃はしっかりと運動させる
現代の子どもは、保護者が子どもの頃に比べてみても身体を動かす機会がずっと少なくなっています。
交通手段が発達して歩いたり走ったりする機会が減り、空き地などが少なくなって外で遊べる場所が減ってしまったためです。
そのため、子どもの運動能力は年々低下しており、文部科学省の「幼児期運動指針ガイドブック」でも問題として挙げられています。
2019年の「時事メディカル」に掲載された記事には、調査対象である幼稚園児から中学生までの子どもの約4割が「片足でまっすぐ立つ」「しゃがむ」「前屈」「腕をまっすぐ上げる」などの動作が1つもできなかった、という結果が記載されています。
ゴールデンエイジを見逃さない!
5歳から12歳までの期間は、身体能力や運動能力が急激に発達する一生に1回の時期で、ゴールデンエイジと呼ばれています。
この時期に適切な運動をすると、「運動能力や運動神経が発達し、スポーツが得意な子どもになりやすい」とされています。
この時期に子どもがしっかり運動できるよう、保護者は環境を整えてあげましょう。
「積極的に公園などの屋外で一緒に遊ぶ」「習い事でサッカーや野球、水泳など子どもの好きなスポーツを始める」「ゲームなどの室内遊びは時間を制限する」などが効果的です。
子どもが運動すると得られるメリット
子どもが運動すると得られるメリットには、次の3つが挙げられます。
身体の発達に良い影響を与える
運動をすると筋力や神経の発達が促されます。骨や筋肉が鍛えられるので、しっかりした骨格が作られ丈夫な体になります。
また、体力が向上するので疲れにくくなり、運動能力が向上して危機回避能力を上昇させます。心肺機能が鍛えられて持久力がアップし、呼吸器の病気にかかりにくくもなります。
反対に運動をしないと持続力や瞬発力・平衡感覚などが鍛えられないので、運動能力や運動神経が低下して運動が苦手になります。
その結果、将来的に肥満や生活習慣病になるリスクが高くなります。体力も低下するためけがをしやすくなり、免疫力も低下して病気にかかりやすくなります。
心の成長に良い影響を与える
運動をすると、身体だけでなく心の成長にも良い影響を与えます。
サッカーや野球などの集団スポーツは、みんなで力を合わせることが大切なので協調性や社会性を育てます。
水泳や体操などの個人スポーツは、コーチと話し合ったり同じスクールに通う仲間と競技を競ったりすることで、コミュニケーション能力が増します。
また、新しいことにチャレンジする精神や、いろいろな局面に立ち向かう勇気・度胸が身につきます。
困難を乗り越えることによって自信が生まれ、集中力、粘り強さが培われます。
その他にも、社会への適応能力が養われる、友達ができる、自分に自信がついてポジティブな性格になる、など心の成長にたくさんの良い影響を与えます。
健康に良い影響を与える
しっかりと運動すると、お腹が空き、よく食べるようになります。
身体の成長が著しいこの時期にたっぷりと栄養バランスの良い食事を取ると、健康な身体つくりに役立ちます。
また、身体が心地良く疲れるので、ぐっすり眠りすっきりと目覚めるようになります。時間になると眠くなるので夜更かしもしにくくなり、規則正しい生活を送ることができます。
運動神経は遺伝しない
「子どもに運動をさせたいけど、私に似て運動神経が悪いのでは?」と心配する保護者の方もおられます。
実は遺伝するのは筋肉の質や骨格で、運動神経は遺伝しません。運動神経の善し悪しを決めるのは環境と経験です。
ですから、子どもの頃からたくさん運動していると、運動神経はよくなります。
「運動神経が悪いから苦手」ということで運動をしないと、ますます運動神経は悪くなってしまいます。
ただし、筋肉の質や骨格によって向いているスポーツや向いてないスポーツがあります。バスケットは身長が高い方が向いている代表のスポーツです。
また、性格によっても向き不向きのスポーツがあります。
人と比べられたり自分のペースで運動したい子どもには、個人競技が向いていますし、人とコミュニケーションを取るのが得意な子どもは団体競技が向いています。
小さな頃から積極的に身体を動かし、8~9歳くらいになったら子どもに向いているスポーツを選ぶことをおすすめします。
大事なことは好きなものを選ぶこと
子どもが運動すると上記で述べたようにたくさんのメリットがあります。
しかし、いやいややっては上達もしませんし、運動そのものを嫌いになってしまうリスクも大きくなります。
大事なことは子どもが好きな運動をさせること。
例えば、マラソンは苦手でもバスケットが好きならバスケットをやらせましょう。
バスケットに必要な体力がつけば、マラソンも苦手ではなくなります。
「好きこそものの上手なれ」ということわざの通り、好きな運動をすることが運動を続けて上達する最大の鍵となります。
子どもにおすすめのスポーツ
では、どんなスポーツが子どもにおすすめなのでしょうか?
水泳
水泳は、子どもに人気がありなおかつおすすめのスポーツです。全身の筋肉をくまなく使いますが、膝などの関節に負担がかからないので、ケガが圧倒的に少ない競技です。
サッカー・野球
男の子に定番の人気スポーツですが、サッカーは近年は女の子にも人気です。
どちらも集団競技なので協調性を培うことができます。
体力強化の面では走り続けるサッカーの方が若干上ですが、野球も基本的な体力はしっかりつきます。
体操
体操は身体の様々な動きを強化します。
逆上がりの跳び箱が何段飛べた、などひとつひとつできることが増えるので、達成感を得やすい競技です。
空手などの武道
空手や柔道、剣道などの武道は礼儀をとくに重んじるので、身体能力の強化だけでなく、礼儀や目上の人に対する作法などを学ぶことができます。
バレエ・ダンス
女の子にとくに人気の競技です。
品のある身のこなしやきれいな姿勢は、身に付くと一生の財産となります。
テニス
日本選手の活躍で近年人気がでてきたスポーツで、体力強化に役立ちます。
個人競技が好きな子どもにおすすめです。
ポジティブな言葉がけやサポートで子どもを支える
子どもが運動を続けるためには環境を整えるだけでなく、適切な言葉がけも大切です。
とくにスポーツの試合や競技で負けたり失敗したりした時には、子どもが自信をなくしたりやる気をなくしたりしないように、ポジティブな言葉がけをしましょう。
結果よりもがんばった過程をしっかりと褒め、評価しましょう。
自分までがっかりして、批判したり不機嫌になったりしないように心がけてください。
また、栄養のバランスに気を遣った食事を用意したり、早寝早起きを促す声かけをしたりすることも大切なサポートです。
まとめ
現代では、昔の子どもに比べて運動する機会も量も少ない子どもが増えています。
運動することは、子どもの心と身体に健やかな成長を促します。
肥満や生活習慣病になりにくくなる、など一生の健康にも関わってくるので、子どもにはしっかりと運動させましょう。
親は子どもが運動できる環境を整え、適切な言葉かけでモチベーションを保って運動を続けることができるようにサポートしましょう。
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