こんな方におすすめ
- 英語の勉強を始めるベストなタイミングが知りたい
- 小学生におすすめの英語の勉強方法を教えてほしい
2020年度の新学習指導要領により、小学校での英語教育が本格的に始まりました。
突然始まった小学校での英語教育に対して、どのような勉強をさせればよいかわからない保護者の方も多いのではないでしょうか?
小学校における英語教育で重要になってくるのは、音を中心としたコミュニケーションです。
英語が正式な教科として登場するのは小学5年生からですが、英語教育に関しては低学年の頃から準備をしておくと、授業が開始してからだけでなく中学・高校と進学先でも有利になります。
今回は、小学生の英語学習について詳しく解説していきます。
参考
小学校の英語必修化については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
小学校の英語教育が必修化!その内容や実態、家庭でできる英語教育とは?
続きを見る
英語を学び始めるベストタイミングとは
結論、英語学習を始めるタイミングは、早ければ早いほど良いと言われています。
言語習得の研究において「臨界期仮説」というものがあります。
これは簡単に言うと、人間は生まれてから13歳頃までにかけて言語習得の能力が低下していき、それ以上の年齢になると新しい言語の習得が困難になるという学説です。
実際に人間は1歳前後から急激なスピードで母国語を習得していき、その後数年でほぼ完ぺきに話をすることができるようになります。
英語に関しても、できるだけ早めに取り掛かることで、その習得を容易にすることができるのです。
しかし、遅く始めたからといって英語が伸びないというわけではありません。
早めに取り組むことは有効ですが、大切なのは、学年や成長に応じた適切な勉強方法を実践することです。
学校での英語教育が始まる前の段階から、英語学習に取り組むことを早期英語教育といいます。
早期英語教育では、臨界期仮説を利用したスムーズな英語の習得をメリットとする一方で、母国語の習得を阻害してしまう懸念もされています。
英語学習の取り組みを始める際は、母国語が定まらない状態で学習を進めてしまわないように注意が必要です。
英語の学習の進め方
英語に限らないことですが、学習する時は、知識を入れるインプットとそれを形にして外に出すアウトプットの繰り返しが大切です。
聞き覚えのない音は発音できませんし、見たことのない単語は書くことができません。
また、実際に使ってみなければ、英語が身についたとは言えません。
低学年のうちからインプットを積み重ね、中学年からは積極的にアウトプットをしていくことが理想的な英語の学習の進め方です。
低学年まではインプットを中心に
就学前から小学2年生頃までの間は、英語を耳から聞くインプットを中心に行うのがよいでしょう。
低学年の頃からネイティブの発音に慣れておけば、日本人には難しい「r」と「l」、「s」と「th」などの聞き分けができる「英語耳」を養うことができます。
動画や絵本に触れる機会を増やし、アルファベットや簡単な単語に親しみを持っておくことで、学校での英語教育が始まった際につまづくことなくスタートダッシュが切れるでしょう。
中学年からはアウトプット中心に
小学校の中学年(小学3年生)からは、アウトプットの機会を増やすようにしましょう。
具体的には、英単語を実際に書いたり、文字や意味を理解した上で発音したり、英語を学ぶというよりも英語を使うという意識を持つのがよいでしょう。
特に声に出して発音することは、耳や口から視覚以外の方法で情報が入るため、効率よく記憶が定着し、正しい発音も身につけることができます。
理想的なのは、実際にネイティブスピーカーと会話をすることです。
英語が実際に伝わったという経験は、その後の学習の中で成功体験として大きな意味を持ち、英語に対する自信にもつながります。
小学生におすすめの英語の学習方法
冒頭にも述べましたが、言語の習得において重要なのは、音を中心としたコミュニケーションです。
前の項目で子どもの言語習得の早さついて書きましたが、1歳や2歳の子どもは日本語の文法を必死に勉強して話せるようになったわけではありません。
親や兄弟の話す日本語の音を聞いて、それを真似して覚え、最後に文字と文法を習うわけです。
英語も言語のひとつであり、習得方法は同様になります。
まずは、できるだけ多くの英語の音声と触れ合い、その後にアルファベットや単語を覚えて、文法を学んでいくのがよいでしょう。
テレビやラジオを視聴する
初めはとにかく英語の音声を聞く機会を増やしましょう。
一番手軽ですぐに始められるのは、テレビやラジオを視聴することです。
例えばNHKのEテレでは、学習指導要領に沿った子ども向けの英語番組が多く放映されています。
毎週や毎日、決まった時間に視聴する習慣をつければ、歌や決まり文句などが自然と身につき、語彙の増加にもつながります。
番組によって難易度別に構成されているものがほとんどなので、この方法は小学1年生から6年生まですべての段階で有効です。
動画サービスを利用する
YouTubeやNetflix、Disney+といった動画サービスを利用するのもおすすめです。
テレビとは違い、時間帯を選ばず好きなタイミングで視聴が可能なので利用しやすく便利です。
動画によって、特徴や難易度が変わるので子どもにあったものを選ぶように注意しましょう。
YouTube
YouTubeでは、国内外問わず、子ども向けにアップロードされた英語教育の番組が無料で視聴できます。
大量の動画がアップロードされているので、レベル別に動画を選ぶことができ、小学校6年間を通じて有効な学習方法と言えます。
また、どれだけ視聴しても無料なので手軽に始められるというのも魅力のひとつです。
NetflixとDisney+
NetflixとDisney+は有料のサービスですが、YouTubeでは見られない人気の公式アニメや映画を日本語音声と英語音声の両方で視聴することができます。
好きな作品を2つの音声で繰り返して視聴することで、音声だけでなく意味の理解も早まります。
ただし、NetflixやDisney+は、英語学習を目的としたコンテンツではないため、YouTubeとは違って難易度が分かれているわけではありません。
ある程度、英語を理解しながら視聴する必要があるため、5年生以上の高学年向けの学習方法といえます。
絵本を読む
読み聞かせは、日本語でも小さい子どもに有効な方法ですが、英語の場合でも同様に高い効果があります。
音と文章、そして絵を見ながらストーリーを想像していくため、難しさもある一方で慣れてくると最も効率の良い方法といえます。
発音だけでなく、単語や文章のつくりをなんとなくつかめるようになれば、子どもが自分一人で読めるようになるのでさらに効率は上がります。
おすすめは「Oxford Reading Tree」というシリーズで、イギリスの80%以上の小学校で使われている教科書です。
1冊につき280話程度の物語が収録されており、CD付きのものもあるので読み聞かせに自信がない場合でも安心して活用できます。
ステージ1からステージ9までの合計10段階でレベル分けされているので、学年や学習状況に合わせて選ぶとよいでしょう。
レベル | 対象学年 |
ステージ1 | 就学前(2歳~6歳) |
ステージ1+ | 小学1年生・小学2年生 |
ステージ2 | 小学3年生・小学4年生 |
ステージ3、ステージ4 | 小学5年生・小学6年生 |
ステージ5~9 | 中学生以上 |
会話をする(シャドーイングをする)
英語は言語なので、使用するのが最も効率の良い学習方法といえます。
したがって、可能であれば英会話教室やオンライン英会話などでネイティブスピーカーと会話をすることが望ましいです。
仮にそれが厳しい場合でも、動画や音声をシャドーイングすると同様の効果が得られます。
シャドーイングとは、英語を聞きながら、そのすぐ後を影のように追いかけて発音することです。
ネイティブスピーカーが話している文章をシャドーイングすれば、イントネーションやリズムやリスニングとスピーキングの力が身につきます。
学年を問わず、英語に触れる際はとにかく声に出す癖をつけるのがよいでしょう。
辞書を使う
英単語を効率よく学ぶためには辞書の利用が最も望ましいです。
低学年から英和辞書を利用する場合は、視覚と音声で感覚的に使える辞書がおすすめです。
英語が教科として始まる3年生からは、辞書を引く癖をつけることが望ましいです。
最近では英語の教科化にともなって、小学生向けの見やすい辞書が多く出版されており、1冊で6年間使い通せるものなどもあります。
ペンがおしゃべり! ベビー&キッズ えいご絵じてん500&22SONGS 旺文社
タッチペンで単語に触ると、英語と日本語の音声が聞けます。
イラストや効果音で楽しく英語を学ぶことができ、ネイティブの発音で歌った歌も22曲収録されています。
就学前の児童から英語教育が始まる前の小学1年生・2年生向けの辞典です。
音声タッチペン付き アルクのえいご絵じてん SUPER
タッチペンでタッチするだけで、単語、歌、会話、クイズ、チャンツなど約2800種類もの音声を聞くことが可能です。
タッチペン付きの他の辞書と比べると、語彙の数が非常に多く、小学校中学年から高学年まで対応したつくりになっています。
11人のイラストレーターによって書かれた可愛い絵も魅力的です。
学研プラス 新レインボー小学英語辞典 小型版
小学校・中学校で習う語と、英検3級レベルまでの語が収録されており、はじめて英語にふれる人から中学英語の入門期まで幅広く使用できます。
また、単語だけでなく日常英会話でよく使われる表現を対話形式で記載されており、実際にどのような英語を使えばよいのかを学ぶこともできます。
まとめ
小学生の英語学習において、最も大切なのは英語の音声に慣れ親しむことです。
動画やテレビを利用してたくさんの英語を聞き、絵本や実際の会話(シャドーイング)の中で正しい発音をすることが理想的です。
また、小学校低学年のうちから英語学習を始めることで、日本人が苦手な音も聞き分けられる英語耳を習得することも可能になるので、できるだけ早めに英語の学習を始めることをおすすめします。
英語は、他の教科に比べて実用性も高く、さまざまな入試や採用試験でも重視される項目なので、苦手意識が芽生える前に慣れ親しんで、円滑なコミュニケーションが取れるようにしておきましょう。