こんな方におすすめ
- 塾に通わずに独学で中学受験に合格することは可能なのか知りたい
- 独学で受験をするメリット・デメリットを知りたい
中学受験を控えた家庭の中には、塾の費用を支払うのが経済的に厳しかったり、子どもが塾に通いたくないということがあるでしょう。
中学受験のために塾へ通わず、独学で受験することにもいくつかのメリットがありますが、その反面でデメリットも伴います。
子どもが中学受験で失敗してしまうと、その後の高校受験や大学受験にも影響しかねません。
そこで今回は、中学受験を独学で挑む際のメリットやデメリットを踏まえ、子どもの為にはどちらが良いのかを解説します。
中学受験を独学で乗り切ることは可能?
結論から述べると、中学受験では必ずしも塾へ通わなければ合格できないということはなく、塾に通わずに志望校に合格している受験生もいます。
その逆でたとえ塾に通っていても受験で不合格になっている受験生もいるため、独学だから受験に合格できないということはありません。
また、塾ごとで指導方法や学習内容が異なるため、合う塾と合わない塾があります。
ご自身の性格や方針に合わないまま塾に通っていても、合格することは厳しいです。
中学受験を成功に導いてくれる学習塾の選び方と探し方|まなびWeb
続きを見る
独学で中学受験をするメリット
塾に通わず、独学で中学受験をする際の主なメリットは以下の通りです。
通塾の費用がかからない
塾に通うためには、塾に入会する際の「入会金」をはじめ「毎月の授業代」や「テキスト代」などさまざまな費用がかかります。
実際の費用は塾によって異なりますが、毎月数万円ほどかかり、年間では数十万円ほどが相場でしょう。
いかに子どもの中学受験の為とはいえ、全ての家庭が経済的に余裕があるとは限らず、塾に通わせるためのお金が家計にかなりの打撃となってしまう家庭もあります。
その点、独学で受験に挑むのであれば、塾に通うための費用がかからず、家計にとっては大きなメリットです。
子どものペースで勉強を進められる
塾や学校の授業は多くの生徒がいるため、特定の生徒の理解力に合わせた授業ができず、理解しきれないまま次々に内容が進んでしまうことがあります。
周りのペースから遅れてしまうと、余計に焦ってしまったり、やる気の低下に繋がりかねません。
その点、独学であれば自身のペースで勉強を進められるため、周りの状況を気にせず自分のことに集中できます。
ただし、塾には個別指導塾もあるため、その場合は子どもの理解力に合わせた授業が受けられます。
独学で勉強するその他のメリットや費用面との相談になるでしょう。
個別指導のメリットとデメリットを紹介!集団指導との違いも解説
続きを見る
通塾の時間を勉強に充てられる
昨今では、オンライン上で授業を行う塾も増えてきていますが、まだまだ塾に通って授業を受けるスタイルが一般的です。
塾に足を運んで授業を受ける場合、移動のために時間を取られてしまいます。
中には塾に通うために片道30分~1時間ほどかけていることもあり、通塾の日数が多ければ多いほどかなりの時間を費やしてしまうのです。
自宅で独学で受験勉強をすることで、通塾の時間を勉強に充てられるようになり、塾に通っている受験生よりも多くの時間を勉強に費やせるようになります。
周りの受験生の影響を受けない
学校や塾では他に生徒がいることで、無意識のうちに自分と周りの生徒を比べてしまったり、気が散って集中できなかったりします。
勉強に集中できない環境では、いかに多くの時間を費やしても身にならないだけでなく、ストレスも生じてしまうでしょう。
その点、一人の環境で勉強をすることで、勉強の効率が上がりやすくなるのです。
独学で中学受験をするデメリット
独学のメリットに対して、デメリットは以下のようなことが挙げられます。
勉強方法が分からない
独学で受験をする最大のデメリットは、子どもに合った勉強方法を見つけにくいという点です。
塾の講師は、勉強を教えるプロであり、様々な性格や考え方の子どもと接してきています。
そのため、あらゆる指導法を持っており、子どもの性格や考え方に合った指導法・勉強法を選択してくれるのです。
独学で勉強をする場合は、子ども自ら勉強法を試行錯誤しなければいけませんが、子どもはまだ小学生であり、自分で適切な勉強法を見つけるのは困難でしょう。
また、たとえ親が一緒に勉強法を考えたとしても、勉強を教えることに慣れている親はそんなに多くはないはずです。
万が一間違った勉強法を続けてしまうと、無駄な勉強時間が増えてしまったりと、効率が悪くなってなかなか成績が上がらなくなります。
そのため、独学で受験をする際は、特に勉強方法に注意しなければいけません。
志望校の対策がしにくい
塾では、中学受験に合格させるための指導を行っており、学校ごとの入試問題の傾向を把握しているため、志望校に合格しやすくなります。
しかし、独学で勉強する時はそのような入試問題の傾向に関する情報は収集しづらく、闇雲に参考書や過去問を解くだけになりかねません。
志望校に合格する為には、闇雲に過去問を解くだけでなく、学校ごとの入試問題の傾向を把握した上で、適切な対策を取る必要があります。
そのため、独学でいかに多くの時間を費やそうと、志望校への合格率が上がりにくくなってしまうのです。
競争心が出ない
中学受験を検討する家庭の多くは、小学6年生に進学するくらいの時期に志望校を決めはじめ、受験に向けた勉強は本格化します。
長期期間、子どもが継続して勉強できるようにするためには、モチベーションの維持が必要不可欠です。
塾に通っている場合、周りの受験生と点数を競い合うことで競争心が芽生え、モチベーションが維持しやすくなります。
しかし、独学で子ども一人だけでは、何を目標に努力すれば良いのかわからず、勉強に飽きてしまうかもしれません。
ただし、他人と競うことを苦手とするお子さんもいるので、保護者はお子さんの性格をしっかりと把握しましょう。
外的要因が多い
小学6年生の時期は特に好奇心旺盛な時期であり、周りのあらゆる物に意識を奪われやすいです。
塾に通う場合、教室の雰囲気や周りの受験生の影響で勉強に集中しやすい環境が作られています。
一方で自宅で勉強をする場合、ゲームやおもちゃ、テレビやスマホなど様々な外的要因から、勉強に集中できないケースが多いでしょう。
勉強中、周囲の物に意識を向けてしまうと、効率が悪くなり、無駄に時間を費やしかねません。
ゲームやスマホなどの使用についてルールをあらかじめ決めておくことをおすすめします。
スケジュール管理がしにくい
受験勉強は長期間になるため、闇雲に勉強をすれば良いというわけではなく、計画的なスケジュール管理が求められます。
塾に通っていれば、受験勉強のプロである講師が計画的なスケジューリングを行ってくれますが、独学の場合、スケジューリングや管理も自ら行わなければいけません。
そもそものスケジュールが間違っていると、計画通りに勉強を進めても受験の合格率は低くなってしまうため、親子で正確なスケジュール管理をするのはハードルが高いでしょう。
親の負担が大きい
塾に通っていれば、細かく分かりやすい解説をしてくれるため、勉強の効率も上がりやすいです。
対して子どもが参考書や過去問を活用して独学で勉強をしていても、答えや解説を見ても理解しきれない問題が出てくるため、親の協力が必要不可欠になります。
親側も仕事や家事があるため常に付きっ切りで勉強を見るわけにはいかないでしょう。
しかし、子どもが一人で解決できない問題が出てきた場合、親が協力をしなければ子どもの勉強が進まないため、親側にかなりの負担がかかってしまうのです。
独学で乗り切ることも可能だがハードルは高い
今回は、中学受験を塾に通わず、独学で行う際のメリットやデメリットについて紹介しました。
受験勉強を独学で行う際の主なメリットは費用面や時間的な要素が多いですが、塾に通って勉強をすることで得られるメリットはそれ以上に大きいでしょう。
そのため、より志望校に合格させたいという場合は、塾に通わせた方が無難だと言えます。
万が一、子どもが中学受験に失敗した場合、勉強に対する意欲が無くなったり、今後の受験に苦手意識を持ったりというリスクが生じます。
そのようなネガティブなケースも考慮した上で、塾に通わせるべきか、独学で受験するかを検討してみてはいかがでしょうか。