こんな方におすすめ
- 小学校低学年の子どもの字が汚い
- 低学年のうちに悪筆を改善したい
小学校低学年の子どもの字が汚い場合の直し方と改善方法を紹介します。
改善するためには、「なぜきれいな字が書けなくなってしまっているのか?」を知り、子どもの機嫌を損ねない声掛けが大切です。
きれいな字が書けることで、答案等の第一印象のアップも期待できます。
コツをつかんで、読みやすくきれいな字が書けるように促していきましょう。
字が汚くなってしまう理由
字が汚くなってしまう、きれいな字が書けない理由を探ると、直し方がみえてきます。
問題は「子どもの心がけ」以外にもあるかもしれません。理由が複数にわたる場合もあります。
性格が大雑把
性格が大雑把な子供は、最初から「字を綺麗に書こう」という意識がありません。
綺麗に書こうと思えば書けるのですが、書こうとする意識がないため、雑に文字を書いてしまうのです。
とはいえ、小学校低学年の子に「全ての字を綺麗に書くように心がけなさい」と言っても無理があります。集中力が持ちません。
判読不能な文字だけを指摘する、「自分の名前だけは頑張ってみよう」などメリハリをつけた指導をしてみましょう。
手が不器用・正しく認知ができていない
本人に綺麗な字を書きたいという思いはあっても、手指が思うように動かせない、文字の形がうまく認知できないという子がいます。
「親に反抗しているわけでもない、本人は頑張っているようなのにどうしても字が上手に書けない」などの違和感がある場合は、遠視、近視、乱視、もしくは発達障害を疑ってみましょう。
目のトラブルは自覚なく症状が進んでしまい見逃してしまいがちです。
発達障害の場合は、早期発見・早期対処が認知や行動の改善に有効です。
不器用さが個性の範囲内であれば、「手指の運動」や「文字を大きく書いて形を確認する」などを繰り返すと改善する場合もあります。
頭の回転が速すぎる
次から次へと色々なことが思い浮かび、文字を書く手が追い付かなくて、ていねいに字が書けなくなるというパターンがあります。
「頭のいい子ほど、字が汚い」という説もあるようです。
この場合は、字の汚さを指摘し過ぎると思考を鈍らせてしまいかねません。
「最低限の判別不能な字が書けるように改善させる」程度ににとどめた方が、その子の可能性を広げられます。
文字の練習不足
何事も練習です。
タブレットを使って勉強ばかりしていては、文字を書く機会が減ってしまいます。
紙を使って勉強をする、家庭で交換日記や文通をするなど、文字を書く機会を増やしてみましょう。
消しゴムかけが下手
文字ではなく消しゴムに問題がある場合もあります。
ちゃんと消せていない上に無理やり書くので文字が汚くなるのです。
また、消しゴムかけが苦手だと「あ、この字不味いな」と思っても「消しゴムを使ったらもっと汚くなってしまう」と直さないままにします。
幼児教育でも学校でも鉛筆の使い方は教えても、消しゴムの使い方の指導はあまりしません。
「力任せではなく、紙を押さえながら優しく小さく何度も往復させると消えるよ」と教えてあげましょう。
また、子どもはデザインに凝った消しゴムが大好きですが、勉強の際に使う消しゴムは機能優先でなければなりません。
「堅い芯の鉛筆と、消えない消しゴムと、破れやすい紙」の組み合わせは最悪です。
親が気にし過ぎている
小学校低学年の字は大人からみれば「下手」です。
親だけが「うちの子は字が汚い。困った!」と思っている可能性もあります。
読めないほど汚い字は改善する必要がありますが、大人のような「綺麗な字」を求め過ぎていませんか?
低学年の字の汚さの判断基準は「読めるか」「読めないか」です。
綺麗な字が書けることは素晴らしい特技ですが、これからの時代は文字の綺麗さが求められる場面や仕事はごくごく限られています。
子どもが文字を書くことを嫌いにならないためにも、神経質になり過ぎないようにしましょう。
子どものプライドを傷つけず汚い字を直すための声掛け
「あなたの字は汚い」「綺麗に書きなさい!」と言う言葉は、子どものプライドを傷つけてしまいます。
子どもが「きれいな字を書こう」と思えるような声掛けを紹介します。
汚い字による失点を指摘する
文字が汚い子は、必ず文字で些細な失点をしています。
「4」と「9」、「ツ」と「シ」、「力」と「刀」などで×をもらっていたら、それを指摘しましょう。
採点者が読めなかっただけでなく、書いた子ども自身が読み間違えて繰り上がり計算などをミスしている場合も多いです。
そんな時すかさず「せっかく分かっていたのに、ていねいな文字じゃなくて点が取れないなんて勿体なかったね」「内容はいいのに、たった1文字読めなかっただけでマルがもらえないなんて残念だよね」などと声掛けをしましょう。
子ども自身に「汚い文字は損だ」と理解させるのです。
逆に文字による失点が全くないのならば、子どもの文字は「読めている」ので、最低ラインはクリアしているといえます。
文字は読むためのもの
文字は読まれてこそ価値を発揮します。
提出物ではないノートや日記なども、後で書いた本人が読めないのでは意味がないということを、子どもが自覚することが大切です。
ためしに、「昨日書いた自分のノート読める?」と聞いてみましょう。実際に本人に音読させるの方法もおすすめです。
子どもが汚い字は不便だ、読めないと意味がないと理解します。
汚い字を書く子は「自分さえ読めればいい」と考えている子が多いものですが、「ちょっと時間が経つと自分すら読めない文字」を書いていることに気付かせましょう。
汚い字の改善方法
子どもの汚い字の改善方法を紹介します。
読めない文字に絞って練習
指摘する項目が多すぎると子どもはパンクしてしまいます。ダメ出しの嵐では文字を書くことが嫌いになるだけです。
まずは下手な文字ではなく、判別不能な字に絞って指摘しましょう。
「ソ」と「ン」、「2」と「3」、「わ」と「れ」、「末」と「未」などの文字の違いや書き分けのポイントを子どもに教えます。
「こっち向きにはねる」「上のほうが長い」など具体的に言葉で伝えましょう。
「見ればわかるでしょ。ちゃんと書き分けて」では「どこを見ていいのか分からない」となってしまいます。
ドリルで練習
迷路や文字の練習帳で運筆の訓練をしましょう。
ドリルは100円ショップでも購入できます。文字ごとに書き方のコツがていねいに解説されているものもあります。
小学校低学年の集中力は10~15分といわれています。1度に大量にこなすのではなく、毎日継続して少量のドリルを継続させましょう。集中力の訓練にもなります。
親子で一緒にやったりシールやマル付けをすれば、モチベーションの向上につながるでしょう。
習字を習う
どうしてもがまんできなくて口うるさく指摘してしまう場合は、親は手を引いて習字教室などプロにお任せすることもおすすめです。
ただし、毛筆の上手さは硬筆の上手さには直結しません。硬筆の汚さが気になる場合は必ず硬筆の習字教室を選びましょう。
教室の環境が刺激となり、子ども自身が「もっと字を綺麗に書きたい」と前向きな意識変化も期待できます。
「丁寧に書きなさい」に意味はない。人と比べるのもダメ
文字を上手に書けない子に「ていねいに書きなさい」と言っても、言われた子どもは何をどうしたらよいのかわかりません。きれいな字を書くための具体的な指導が必要です。
「線の傾け方」「止め」「跳ね」「大きさ」などの見本を示しながら、ひとつひとつ指摘しましょう。
「綺麗に書こうと思えば書ける子」であっても、全ての文字を綺麗に書くにはものすごいエネルギーを必要とします。
全体的に文字のレベルを上げて欲しいのならば「升や罫線のある紙を使って大きさをそろえてみようね」程度の声掛けに留めましょう。
また「〇〇ちゃんは字が綺麗なのに」と言う言葉も、子どもを傷つけるだけです。
小学校低学年の汚い文字の直し方、改善方法のポイントは「具体的な指摘」
小学校低学年で文字は「読めるかどうか」が重要です。読めない程汚い場合は子どもに「汚い文字は損」と自覚させ、どうやったら読める文字になるのかを具体的に教えてあげましょう。
文字が汚い理由は「雑に書いている」以外にも様々な理由が考えられます。「この子は不真面目でいい加減だ」と決めつけてはいけません。子どものプライドを尊重しつつ、きれいな読みやすい字を書けるように具体的に説明しながら進めましょう。
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