こんな方におすすめ
- 中高一貫校での「中だるみ」とは何か知りたい
- なぜ中だるみになってしまうのか原因を教えてほしい
- 中だるみをした場合の対処方法を知りたい
近年、私立の中高一貫校だけでなく、公立の中高一貫校も増えてきました。
中高一貫校にはメリットとデメリットの両側面ありますが、デメリットとして必ず挙がるのは「中だるみ」です。
中だるみとは、主に「高校受験がない」ことが要因となって起こる「モチベーションの低下」です。
一時的なモチベーションの低下の場合は、思春期や成長期において必要な要素ですが、長期的なものは不登校やうつにつながる可能性もあります。
そのため、中だるみを引き起こした要因を探し、適切な対処を行うことが必要です。
そこで今回は、中高一貫校で起こる中だるみの時期や要因、中だるみになった際の対処法を解説します。
私立と公立の中高一貫校の違いについてはこちらの記事で解説しています。
私立と公立の中高一貫校の違いとは?特徴や選ぶポイントを解説!
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中高一貫校の中だるみとは
まずは、中高一貫校における「中だるみ」とは何か、確認しましょう。
- どんな子が中だるみになりやすいのか
- 中だるみになりやすい時期はいつか
という点を中心に解説します。
なりやすい子の特徴
中だるみになりやすい子は、以下の通りです。
- 「やればできる」と思っている子
- 気軽に勉強に関する質問ができない子
- 部活動が忙しい子
- 計画を立てるのが苦手な子
中だるみになりやすい子の特徴は、大きく二分されます。
自信過剰で自己肯定感が高いタイプの子と、消極的で何事にも不器用なタイプの子です。
中学受験で合格し、小学生までの自信のまま過ごすと、成績を思うように伸ばすことはできません。
なぜなら、他の生徒も同じように合格してきた賢い子たちだからです。
また、消極的な子は、きちんと勉強するものの、カリキュラムが速く進みがちな中高一貫校がゆえに、各教科で少しずつ取りこぼしが出てきて、成績が下降し、モチベーションの低下につながりかねません。
なりやすい時期
中だるみは、多くの場合、中学1年生の1学期、中学2年生の夏休みに起こります。
時期によって要因や対処法が異なるため、次の項目ではそれぞれの要因と対処法を解説します。
【時期ごと】中だるみの要因とその対処法
一言で中だるみと言っても、中だるみになってしまう時期によってその要因は異なります。
中だるみになりやすい時期ごとにその要因を解説します。
中学1年生(1学期)の中だるみの要因
中学1年の1学期の中だるみの要因は、比較的わかりやすく、発見も容易です。
受験疲れが出る
中学受験はほとんどの場合小学4年生くらいから始めるので、子どもは遊びたい盛りの3年間を勉強に費やしてがんばってきました。
高校受験や大学受験と異なり、周囲の友だちの多くは遊んでいるのに自分だけが勉強することは、子どもにとって大変なことです。
そのため、晴れて受験に合格し、中学に通い出した途端、緊張の糸が切れて疲れをどっと感じる場合があります。
疲れを取るためにちょっとだけ休もうとして、そのままの状態から抜け出せなくなってしまうのです。
また、「中学受験に合格する」という明確な目標がなくなってしまったことによる、精神的な疲れやモチベーションの低下が要因として考えられます。
勉強のやり方がわからない
小学生の頃は、「定期テスト」という概念がなく、授業さえきちんと聞いていれば高得点が取れる問題ばかりです。
しかし、中学生からは定期テストがありますが、きちんとした学習スタイルが無かったり、習慣が無いと、勉強の仕方がわからずに成績が下がり、中だるみにつながってしまいます。
塾や親のサポートで勉強ができていた子も、1人で自立して勉強計画を立てたり、勉強時間を確保したりすることは難しい場合もあります。
また、公立の中高一貫校の進度は早く、内容も難しい場合があるので、勉強についていけなくなってしまう可能性もあります。
定期テストで点を取る方法はこちらの記事で解説しています。
【勉強方法】中学生の定期テストはこの対策で高得点を狙おう!
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反抗期になる
小学校の高学年から中学生にかけて、子どもは反抗期に突入します。
正常な成長の証ですが、親や周囲の言うことを素直に聞いていた子どもも、自分のアイデンティティを確立するために反抗的な態度を取るようになります。
そのため、親が勉強をするように言えば言うだけ勉強をしなくなったり、親の言う通りに勉強していた自分にいらいらして、何も手につかなくなったりします。
中学1年生(1学期)の中だるみの対処法
では、中学1年の1学期~夏休みの中だるみには、どのような対処方法があるのでしょうか?
新しい目標を持つ
「自分は将来何になりたいか」「中学校、高校で何をしたいのか」をじっくりと考えるようアドバイスしてください。
すぐには思いつかなくても、一緒に考えたり相談に乗ってあげたりして、将来のことを考えるように導きましょう。
将来何をしたいかが決まると、新しい目標が持てるので、中だるみせずにモチベーションを高めることができます。
また、遠い将来の目標でなくても構いません。
「次の中間テストで80点以上取る」「毎日英単語を3つ覚える」など、今すぐできて、結果がはっきりする具体的な目標を立て、クリアできるように取り組むと、中だるみは自然としなくなります。
立てた目標を紙に書くなどして共有すると、よりモチベーションは高まります。
勉強方法を調べる
勉強のやり方がわからない場合は、塾や家庭教師などのプロにサポートして貰うのが効果的です。
定期テストの過去問を持っている場合や、塾に同じ学校の先輩がいることもあります。
そういった情報をもとに、自分だけの勉強方法を身につけることで、早めに中だるみの対策ができます。
保護者の方が詳しいのであれば、子どもの性格に合わせた適切な勉強方法をアドバイスしてあげてください。
中学2年生の中だるみの要因
中学2年生の中だるみの要因には、次のことが挙げられます。
部活動が忙しい
遊びたい盛りの小学校時代に思う存分遊べなかった反動で、部活動に打ち込む子どもは多くみられます。
中学・高校時代に部活動に真剣に取り組むことは、社会性を培ったり、忍耐力や集中力が育つので、とても良いことです。
しかし、部活動が忙しくなることで勉強がおろそかになり、成績が下がることでモチベーションの低下が引きおこる可能性もあります。
環境に慣れてきた
中学校生活も2年目となり、授業の進度や友人関係に慣れる頃です。
それにより、日常の刺激がなくなり、勉強の意欲が低下してしまうこともあります。
また、学校の中での「キャラ」も確立されつつあり、ガラッと性格を変えたり、友人関係を変えたりすることは難しくなってきます。
勉強についていけなくなった
中学1年生の頃は、そこまで発展的な内容に取り組んだりはしません。
しかし、授業進度が早いので、各教科や各単元で「取りこぼし」が出てきてしまうことも多々あります。
その取りこぼしを中学1年生の段階で改善しないと、中学2年生でさらに大きな差になってしまいます。
学年内の順位も固定化されつつある時期なので、「どれだけ頑張ってもあの子は越えられない」と感じてしまうこともあります。
中学2年生の中だるみの対処方法
中学2年生の中だるみの対処方法には、次のことが効果的です。
部活動との両立を考える
中高一貫校に限らず、部活動と勉強の両立は中学生の課題です。
「どのようにしたら両立できるのか」を一緒に考えて、毎日の時間の使い方を見直してみましょう。
場合によっては、担任や顧問の先生と相談して、学業との両立をさせたい旨を伝えてみましょう。
具体的な対応策を提示してくれたり、練習時間を考慮してくれたりする場合もあります。
明確な目標を立てる
中学生のどの段階でも、明確な目標を持っていることは大事です。
時期ごとに目標を振り返り、現在はどの程度達成できているのか、目標の立て方は適切かなどを確認してみましょう。
中学校生活にも慣れ、見えてきたことも増えたと思うので、中学1年生で立てる目標とは質の違う目標が立てられるはずです。
高校生活の過ごし方も含めて、将来をイメージしてみるように声かけをしましょう。
補習塾に通わせる
補習塾に通わせることで、取りこぼしていた勉強を回収できます。
中高一貫校を主な対象とした学習塾(WAYSなど)もあるので、子どもに合った塾を選んでみましょう。
一般の塾に通う場合、中高一貫校は少し特殊なので、個別指導の塾を選ぶことをおすすめします。
また、その際に「同じ中学の先輩が通っていたか」を確認しておくといいでしょう。
定期テストの過去問を持っている可能性が上がるからです。
まとめ
中高一貫校にはメリットとデメリットの両側面ありますが、デメリットとして必ず挙がるのは「中だるみ」です。
一時的なモチベーションの低下の場合は、思春期や成長期において必要な要素ですが、長期的なものは不登校やうつにつながる可能性もあります。
以下のような子は中だるみになりやすい傾向があるので、十分注意しましょう。
- 「やればできる」と思っている子
- 気軽に勉強に関する質問ができない子
- 部活動が忙しい子
- 計画を立てるのが苦手な子
親が神経質になると逆効果なので、様子を見ながら要所要所で新しい目標に迎えるよう、この記事を参考にサポートしてあげてください。