こんな方におすすめ
- 中学受験の女子御三家ってどこ?
- 女子御三家の学校の特徴を知りたい
中学受験を控えているお子さんやその親御さんであれば、御三家と呼ばれる学校を一度は聞いたことがあるでしょう。
「御三家」とは、東京に数多くある学校の中でも特に入学が困難とされている3つの学校のことであり、男子御三家・女子御三家それぞれあります。
また、昨今では従来の御三家に対して「新御三家」と呼ばれる学校も出てきています。
そこで今回は、中学受験における女子御三家の特徴や、新御三家と呼ばれる学校を紹介します。
ぜひ家庭の方針や好みに合った学校選びの参考にしてみてください。
中学受験における女子御三家は「桜蔭」「女子学院」「雙葉」
中学受験における女子校の御三家は「桜蔭」「女子学院」「雙葉」です。
いずれも入学の難易度が高く、進学実績も良い学校ですが、それぞれの校風や風習、生徒の特徴が異なります。
主な違いを示すた例えとして以下のような空き缶の例があります。
もし、あなたの前に空き缶が落ちていたらどうする・・・?
- 桜蔭の生徒の場合:本を読むのに夢中で感が落ちていることに気が付かない
- 女子学院の生徒の場合:その空き缶で缶蹴りを始める
- 雙葉の生徒の場合:そっと拾ってごみ箱に捨てる
このような例えからわかる通り、校風や生徒の特徴はバラバラです。
そのため、進学実績だけで選んでしまうと、お子さんが学校の雰囲気に馴染めないという状況に陥ってしまうかもしれません。
様々な観点から受験する学校を選ぶようにしましょう。
御三家「桜蔭」の特徴
桜蔭の主な特徴は以下の通りです。
基本情報
正式名称は「桜陰中学校高等学校」です。
1924年(大正13年)に東京女子高等師範学校(現・お茶の水女子大学)の同窓会である桜蔭会の会員が、教育を通して社会に恩返しをしたいという想いから出資をしあって設立されました。
住所 | 東京都文京区本郷1-5-25 |
アクセス | JR・都営三田線「水道橋」駅徒歩7分 東京メトロ丸ノ内線・都営大江戸線「本郷三丁目」駅徒歩9分 東京メトロ丸ノ内線・東京メトロ南北線「後楽園」駅徒歩10分 |
偏差値 | 70 |
生徒人数 | 1クラスあたり約48人、1学年の総人数約240人、3学年総人数約720人 |
公式HP | https://www.oin.ed.jp/ |
校風
校訓として「勤勉・温雅・聡明であれ」「責任を重んじ、礼儀を厚くし、よき社会人であれ」を掲げています。
設立以来「礼と学び」を大切にしており、勉学のみならず人間として必要な礼法にも力を入れています。
そのため、中学1年生の時には週に1回、2年生以降は5週に1回「礼法」の授業を設けているのです。
礼法の主な授業内容としては、礼の仕方や物の持ち方、正しい姿勢や椅子の座り方などの所作を学びます。
そのほかにも来客時の対応や食事における作法も学びます。
これらの学習を通して周りの人やモノへの感謝、人間関係の認識など目に見えない部分への配慮ができるようになることを目指しています。
学費
初年度にかかる主な費用は以下の通りです。
入学金 | 380,000円 |
授業料 | 447,600円 |
施設費 | 96,000円 |
教育充実費 | 96,000円 |
生徒会費・PTA会等費 | 26,500円 |
制服代 | 49,000円 |
端末購入費 | 130,000円 |
寄付金 | 1口100,000円を2口以上 |
入試問題の傾向
入試問題は「国語」「算数」「理科」「社会」の4教科であり、いずれも問題量が多く難易度が高くなっています。
それぞれの主な傾向は以下の通りです。
国語
文章量が多い長文読解形式の問題があり、長文を速く正確に読む力が求められます。
約8割ほどが記述式の問題なため、日頃から自身の考えを文章内の言葉を使ってまとめる練習をしておくといいでしょう。
算数
難易度の高い問題は出題されませんが、問題数が多く、正確かつスピーディーな計算力が求められます。
考え方や式をコンパクトにまとめらるようにしましょう。
理科
典型的な問題が多く出題されますが、難易度は高いので、暗記事項は確実に頭に入れておきましょう。
最近では気象や天体の問題も出題されるようになり、各分野から満遍なく出題される傾向にあります。
社会
幅広い分野から出題され、大学入試で重視されるような、思考力や表現力を問うような問題も出題されます。
そのため、知識を身に付けるだけでなく自分の意見や考えをまとめて記述する力も身に付けておく必要があります。
問題量が多いため、時間がかかりそうな問題は抜かして解けそうな問題から進めていく戦略を考えてもいいでしょう。
卒業後の進路
桜蔭中学校・高等学校を卒業後の大学の進路は学校の公式サイトにて公表しています。
2022年(令和4年度)の進学実績を一部抜粋したものは以下です。
- 東京大学:77人
- 東京医科歯科大学:11人
- お茶の水女子大学:6人
- 千葉大学:8人
- その他の国公立大(医学部):14人
(参考:令和4年度進路状況)
御三家「女子学院」の特徴
つづいて「女子学院」の主な特徴は以下の通りです。
基本情報
女子学院は米国長老教会宣教師のジュリア・カロゾルスによって1870年(明治3年)に設立されたプロテスタント系の学校です。
住所 | 東京都千代田区一番町22-10 |
アクセス | 東京メトロ有楽町線「麹町」駅徒歩3分、 東京メトロ半蔵門線「半蔵門」駅徒歩6分 東京メトロ南北線「市ヶ谷」駅徒歩10分 東京メトロ丸ノ内線・南北線「四ツ谷」駅徒歩15 分 JR・都営新宿線「市ヶ谷」駅徒歩8分 JR「四ツ谷」駅徒歩12分 |
偏差値 | 70~77 |
生徒人数 | 1クラスあたり約40人、1学年の総人数約220人、3学年総人数720人 |
公式HP | https://www.joshigakuin.ed.jp/ |
校風
キリスト教の精神をもとに高い人間性や自立した女性の育成を目指しています。
女子学院は校風が比較的自由であることで知られており、「校章バッジを身に付ける」や「指定の上履きを履かなければいけない」などの簡易的な校則が4つほど設けられている程度です。
また、キリスト教教育に基づいて朝は礼拝から始まり、週に1時間、聖書の授業が設けられています。
学費
初年度にかかる主な費用は以下の通りです。
入学金 | 380,000円 |
授業料 | 41,000円(月額) |
施設費 | 15,000円(月額) |
冷暖房費 | 1,100円(月額) |
JG会費 | 800円(月額) |
生徒会費 | 390円(月額) |
旅行積立金 | 3,800円(月額) |
クラス費 | 100円(月額) |
防災費 | 740円(入学年度の4月のみ) |
寄付金 | 1口100,000円を3口以上 |
入試問題の傾向
女子学院も「国語」「算数」「理科」「社会」の4教科であり、問題数が多いだけでなくスピードも求められます。
各教科の主な傾向は以下の通りです。
国語
さまざまなジャンルの問題が出題され、文章量が多いため正確かつ素早く読解する能力が求められます。
問題自体の難易度はそこまで高くないものが多いですが、文章を読みながら理解して整理する力が必要となります。
また、文章題の中で語彙力が問われる問題が出題されており、意外と配点も高いので過去問などからしっかりと対策をしておきましょう。
算数
大問の数は5~7問程度であり年度ごとで異なります。
数の性質や図形は毎年出題されており、立体図形は特に多い傾向です。
難易度は高くありませんが、少数を含んだ計算問題も多いため、細かな計算をスピーディーかつ正確に行う必要があるので計算ミス等に注意しましょう。
解答用紙には計算過程もしっかりと残すことを心がけましょう。
理科
難易度はそこまで高くありませんが、大問が4~5問あり比較的問題数が多い上に広い分野から万遍なく出題される傾向にあります。
実験や観察、計算問題が多く出題されるため、過去問を反復することが大切です。
社会
幅広い範囲から多くの選択問題が出題されるため、素早く解く必要があります。
また、図や資料を読み解く問題もあるため、読み取った内容から自身の考えをまとめる練習が必要です。
卒業後の進路
女子学院中学・高等学校卒業後の大学の進路は学校の公式サイトにて公表しています。
2022年(令和4年度)の進学実績を一部抜粋したものが以下です。
- 東京大学:31人
- 京都大学:11人
- 一橋大学:11人
- お茶の水女子大:9人
- 千葉大学:5人
- 東京医科歯科大学:5人
(参照:2022年度入試 大学別合格者数(主な大学)2022年4月現在)
御三家「雙葉」の特徴
最後に雙葉の主な特徴をご紹介します。
基本情報
雙葉中学校は1875年(明治8年)にサン・モール修道会の会員が設立し、カトリックの精神に基づいたミッションスクールです。
運営している母体は「幼きイエス会」という修道会であり、国内外に姉妹校が設けられています。
住所 | 東京都千代田区六番町14‒1 |
アクセス | JR「四ツ谷」駅徒歩2分 東京メトロ丸ノ内線・南北線「四ツ谷」駅徒歩2分 |
生徒人数 | 1クラスあたり約40人弱、1学年の総人数約180人、3学年総人数500人 |
公式HP | https://www.futabagakuen-jh.ed.jp/ |
校風
校則は厳しくありませんが、「徳においては純真に、義務においては堅実に」という教訓を掲げていることもあり、礼儀正しく品のある女性を目指した教育がされています。
また、一人一人が真の知性を養うことを教育目標にしており、自ら考えて責任を持った行動や周りの人への配慮をできる人間性を身に付ける校風が根付いているようです。
そのため、ボランティア活動や生徒が毎日校内の掃除をするなどの習慣があります。
学費
初年度にかかる費用は主に以下の通りです。
入学金 | 240,000円 |
授業料 | 529,200円 |
施設維持費 | 171,600円 |
後援会費 | 72,000円 |
寄付金(任意) | 1口50,000円 |
入試問題の傾向
先述の2校と同様、入試教科は「国語」「算数」「理科」「社会」の4教科であり、それぞれの傾向は以下の通りです。
国語
ここ数年は出題の形式や問題数、文章が異なるため、傾向を掴むのは難しいです。
設問の形式も選択式や空所補充、説明記述など種類が豊富です。
そのため、知識や記憶問題はしっかりと覚えておき、過去問も反復してどのような形式でも解けるくらいに理解しておく必要があるでしょう。
算数
大問は5問ほどですが、年度によって問題数が異なります。
そのため、余裕をもって問題を解き切れるように計算スピードや正確性を上げておく必要があるでしょう。
中でも規則性の問題や平面図形の問題が多く出題される傾向にあるため、過去問の反復が必要です。
理科
「科学」「生物」「地理」「物理」の4分野から万遍なく出題されるので、どの問題も解けるようにしなければいけません。
また、時事的な問題も出題されることがあるため、秋以降では理科にかかわる時事問題にも目を向けておくと良いでしょう。
社会
「歴史」「地理」「公民」の順で配点の割合が高く、歴史の対策は必須です。
幅広い知識が求めれる上に、資料や統計資料の読み取りなどの問題もあるため、暗記だけでなく問題処理能力を向上させる必要があります。
卒業後の進路
雙葉中学校・高等学校を卒業後の大学の進路は学校の公式サイトにて公表しています。
2022年(令和4年度)の進学実績を一部抜粋したものが以下です。
- 東京大学:9人
- 東京医科歯科大学:4人
- 京都大学:3人
- 千葉大学:3人
- お茶の水女子大学:2人
- 筑波大学:2人
(参照PDF:2022年進路状況)
新御三家「豊島岡」「鴎友」「吉祥」
ここまででご紹介した御三家に加えて「新御三家」と呼ばれているのが「豊島岡」「鴎友」「吉祥」です。
いずれも偏差値は60を超えており、2022年度の現役東京大学合格者数は「吉祥」が3名、「鴎友」が9名おり、「豊島岡」は14人となっています。
また、どの学校も募集人数が200名を超えていることから、今後も新御三家の入学者が増え、更なる注目を集めることになるでしょう。
自分の校風に合う学校を選ぼう
今回は中学受験における女子御三家「桜蔭」「女子学院」「雙葉」のそれぞれの校風や学費、進路実績をご紹介しました。
紹介した通り、現在の御三家はいずれも偏差値が高く実績もあるため、入学の難易度は高いです。
それぞれの学校で特徴が異なるため、自身の性格や方針に合わない学校もあるでしょう。
そのため、中学受験を考えている方は、これまでの御三家に加え、新御三家も視野に入れて自身の性格や方針、理想に近い学校を選ぶと良いでしょう。
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