こんな方におすすめ
- 志望校で「時事問題」が出題されそうなので、対応が必要
- 「時事問題」対策が必要だが、どうすればいいの?
中学受験の「時事問題」対策について考えてみましょう。
「時事問題」は出題パターンがある程度決まっており、取り上げられる事項も予想が付きやすいので、効率よく勉強ができる単元です。
日常のニュースは大人向けに作られているので、小学生にとっては「難しそう」「堅苦しい」「自分には関係ない」と思ってしまいがちですが、時事問題を出題する中学の「社会に関心を持って欲しい」というメッセージを受け止めて、しっかり取り組みましょう。
中学受験の「時事問題」の出題傾向は?
中学受験の「時事問題」対策は、まず「出題傾向」を把握しましょう。
「時事問題って、めちゃくちゃ範囲が広そう」と恐れる心配はありません。
身近で大きな時事が出題
中学受験では、マニアックな考え方や知識が求められる問題も多いですが、「時事問題」には「有名で身近な時事」が取り上げられます。
「新聞の隅で少しだけ取り上げられた事柄」などが出題されることがありません。
「知っているか・知らないか」「思いつくか・思いつかないか」ではなく、「誰もが知っていることをどれだけ理解し、どう考えているか?」が、時事問題で点を取るポイントです。
「その年の7月までの時事」が出題範囲
中学受験の受験問題は、夏ごろに完成します。
そのため、その年の7月頃までに起こった時事が出題されやすいのです。
受験直前の冬頃になって「時事問題対策をしなくちゃ!」とニュースに注目するようになっても、その時に取り上げられている話題が出題される可能性は低いでしょう。
時事問題対策は、その年の話題が出そろって問題集が完成する冬頃から本格的に行うというが効率的です。
出題パターンは3種類
- 資料(地図・表など)と関連づけて理解できるか?(政治・経済など)
- 当事者としてどう考えているか?(身近な福祉・環境問題など)
- 多面的な考え方(外交・環境問題・経済など)
出題パターンはだいたい上記の3種類になります。
ただ知識や自分の主張を書き連ねても高得点は取れません。
出題されている話題だけでなく、「何を問われているのか?」に注目しましょう。
受験生の考えや主張が問われる問題も多くありますが、就職試験ではないので「個性あふれる回答」を目指す必要はありません。
模範的な回答パターンを、問題集などで身に着けてください。
中学受験で2020年に取り上げられた「時事問題」と2021年の予想
中学受験で、2020年に多く取り上げられた時事問題と、2021年に扱われる可能性の高い時事問題についてまとめました。
2020年の中学受験で良く取り上げられた時事問題
- 消費税増税
- キャッシュレス決済
- 天皇の退位と新天皇の即位
- 参議院通常選挙
- 働き方改革
- 自然災害
- アメリカと中国の貿易摩擦
- イギリスのEU離脱
- 海洋プラスチックごみ
などがよく出題されました。
「海洋ブラスチックゴミ」を始めとする「環境」関連の時事問題は、関連する条例などと絡めて例年よく出題されるレギュラー枠の問題です。
2021年の中学受験で取り上げられる可能性が高い時事問題
- 新型コロナウイルス関連
- リモートワーク
- 菅内閣
- 消費税増税
- キャッシュレス決済
- レジ袋の有料化
- 海洋プラスチックごみ
- アメリカ大統領選挙
- マイナンバーカード・マイナポイント
などが予想されます。
「消費税増税」は2020年度も多く出題されましたが、「実際に増税された結果」や「キャッシュレス決済還元事業」についてなど、2020年よりもさらに一歩進んだ問題が予想されます。
また、新型コロナウイルスは世界に大きな影響を与えました。
「ウイルス感染対策」だけでなく、「Go Toキャンペーン」や「リモートワーク」などの経済面も絡めて理解しておきましょう。
2021年は2012年以来の総理大臣交代があった年でもあります。
内閣の役割や構成、憲法上の位置付けなども確認しておきましょう。
菅内閣についてだけでなく、安倍内閣時代を振り返る出題もあるかもしれません。
主要人物のフルネームは、漢字で書けるようにしておいてください。
また、レジ袋の有料化は小学生にも大きな影響を与える話題です。
「有料化になった理由」「マイバックを持つ効果」「脱プラスチックするためには、どうしたらいいのか?」、さらに昨年に続けて取り上げられそうな「海洋プラスチックごみ」問題などとも関連付けて整理しておきましょう。
アメリカ大統領選挙に絡めて、「日本とアメリカの政治体制の違い」も問われるかもしれません。
「マイナンバー制度」は、実施されてかなり経ちますが、「マイナポイント」で再び注目されている話題です。
「マイナンバーやマイナンバーカードの役割」を確認しておきましょう。
中学受験のための3つの「時事問題」対策!
中学受験の「時事問題」対策について紹介します。
「時事問題」に興味を持つということは、自分の生きる世の中に興味を持つことです。
上記の2つの対策は受験対策を身構えずに日ごろから家族全員で行っていきましょう。
地図に強くなる・地図を確認する
「時事問題」では資料として「地図」よく使われます。
日ごろから「地図」に見慣れておき、主要な都市や国の場所を把握しておきましょう。
家の中に「地図」や「地球儀」を置いて、「ニュースや話題に出た場所を探す」習慣をつけることが有効です。
子どもがすぐに場所を探せなくても、急かさずに見守ってあげてください。あれこれ探しているうちに色々な地名を覚えます。
どうしても苦戦しているようならば、「ここら辺をみてごらん」など大まかなヒントを上げましょう。
好きな「お菓子」などの、子供が興味を持てそうな物の原産国などを確認させるのも楽しいですよ。
親が率先してニュースに関心を持つ
日ごろから親がニュースに関心を持ちましょう。
世の中で起こっていることをどんどん話題にしていけば、子どももニュースに興味を持ち、時事問題に強くなる下地ができます。
子どもが分からない話題の場合は、かみ砕いて説明してあげてください。
子ども向けの新聞や時事問題を扱った本などを与えるのもおすすめです。
子どもは視野が狭いので、ユニークな意見を言い出すこともありますが、頭から否定したり討論してやり込めたりすると、「またニュースについて話しても嫌な思いをするだけだ」と感心を持たなくなってしまいます。
正論であっても、伝え方には気を付けてください。
子どもは「SNSでバズっている話題」も立派なニュースだと思っており、家庭でそれが話題になることもあるでしょう。
しかし「SNSで盛り上がっていること」だけをチェックしるだけでは「中学受験の時事問題対策をしている」とは言えません。
それでも、使い方によっては子どもにニュースへの興味を持ってもらう足掛かりにはなります。
6年生の冬になったら時事問題集を解く
冬になったら中学受験用の「時事問題」集に取り組みましょう。
模試でも冬から「時事問題」について出題されます。
「どんなことが世の中で起こっているのか?」を丸暗記するのではなく、「なぜそうなったのか?」「どんな影響がどこに現れているのか?」も関連付けて身に付けましょう。
社会という教科は単元ごとにブツ切れで丸暗記になってしまいやすいですが、実際の世の中は全てが繋がり、影響し合っています。
塾によっては「時事問題」対策をあまり行わないところもあります。中学によって「時事問題」の扱いはさまざまだからです。
受験校の問題傾向を見て、「時事問題」が多く出るようならば、塾に相談して特別講習を受けたり、家庭で問題集などを使って対策したりしましょう。
「あなたはどう思ったか、どんな意見があるか」という問題は張り切って独創的な考えを書き連ねる子もいます。それはとても素晴らしいのですが、中学受験で出題される場合は「模範解答」があるので、「どんな回答を求められているのか?」について理解していきましょう。
中学受験の「時事問題」対策は効果が出やすい!
中学受験における「時事問題」は、ある程度予想が付きやすいので効率よく対策ができます。
受験校で「時事問題」が出題される場合は、冬頃から問題集に取り組みましょう。
また問題集を解くだけでなく、日ごろからニュースや地図に親しんでおくことも大切です。
時事問題はただニュースを丸暗記するのではなく、「背景」や「理由」「課題」などを関連づけて理解しておきましょう。
「遠い世界のでき事」「子どもの自分にはどうすることもできない課題」と感じ、あまり興味を持てない子の場合は、家庭で積極的に話題にしたり、子ども向けの時事を取り扱った本や動画を与えたりしましょう。
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