中学受験

作文の書き方や基本ルールとは?記述問題で減点されないための必要知識

こんな方におすすめ

  • 子どもの作文能力を上げたい
  • 作文の書き方を基本から教えてほしい
  • 作文対策をどのように行えばいいかわからない
  • 作文の採点をする際の基準が知りたい

公立中高一貫校や一部の私立中学の入試で出題される「作文問題」。

文章を書く能力は、高いに越したことはありませんが、それ以前に作文を書く際の基本的なルールを知っていなければいけません

そこで今回は、小学生や中学生が知っておきたい最低限の作文のルール書き方を解説します。

受験をしない場合でも重要な知識なので、ぜひこの記事で習得しましょう。

作文は、公立の中高一貫校や一部の私立中学受験でも課されます。

作文の基本ルールにのっとって採点されるので、事前にしっかりと対策をしておきましょう。

作文を書く際に意識したい「きれいな字」の身につけ方はこちらの記事で解説しています。

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作文の書き方に関する基本的なルールとは

作文には最低限のルールが存在します。

中学受験において、文章の内容以前に作文のルールが守られていないと大幅な減点になってしまうので、十分注意する必要があります。

原稿用紙を以下のルールを守りながら使い、そのうえで十分な内容の文章を書きましょう。

例として実際に原稿用紙で文章を書いてみたので、それをもとに解説します。

原稿用紙の基本ルール

題名と名前の書き方

題名は、最初の2マスを空けます。

学校によっては3マス空けると指導されているかもしれませんが、原則2マスで十分です。

そして名前は、名字と名前の間を1マス空け、名前の後の1マスも空けます。

仮に学校名などを書く場合も、名字の上を1マス空け、その上に書きます。

中学受験においては、400文字の原稿用紙内に題名や名前を書かない場合もあります

その場合は原稿用紙外に書くように指示されているはずなので、よく問題文を読み、指示通りに書きましょう。

題名と名前の2行分、本文に使える文字数が増えるので、より質の高い文章を書くように心がけましょう。

「マスを埋めればいいや」などという考えは、採点者に伝わります。

段落の切り替え方

本文の書き始めや段落が切り替わるときには、最初の1マスを空けてから書き出します。

国語の教科書に載っている文章も同じルールで書かれているので、子どもからすると比較的注意しやすいルールです。

しかし、中には不適切な段落の切り替えをする子もいます。

段落は、「場面や話題が変わるとき」に切り替わるものなので、その点を十分意識して段落分けをしましょう

句読点(、や。)の書き方

句読点とは、句点(。)読点(、)のことを指します。

文章を区切るために使われる、重要な記号です。

作文においては、通常の文字と同じように1マスに1文字書きますが、行の最初に書くことはできません。

そのため、行の最初にきてしまう場合にはその前の最後の文字と同じマスに句読点を書くことになっています。

同じマスでなく、マスの下の空いた部分でもかまいません。

書く位置は、マスの右上に来るように意識してください。

小さい文字(小書き)の書き方

小さい文字(っ、ぁ、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ、ゃ、ゅ、ょ)は、1マスに1文字書きます。

書く位置は、句読点と同じようにマスの右上に来るように意識して書きます。

この小さい文字に関しては、行の一番上に単独で書いてもかまいませんし、句読点と同じように行の最後に詰めて書くのでも大丈夫です。

その作文の中で統一するようにしましょう。

括弧(かっこ)の使い方

括弧は、主に会話文を表す際に使いますが、強調したい単語や語句、作品名などに使うこともあります。

どの場合でも、括弧は1マスに1つ書きます(「」それぞれ1マスずつ)。

ただし、会話文の場合は、行の途中であっても次の行の1マス目から括弧を使って書き始めます

会話文以外で括弧を使う場合には、行を変える必要はありません。

上手な作文にするための具体的な3つのテクニック

作文 書き方 ルール

中学受験の作文で点を取るためのテクニックをご紹介します。

基本ルールにプラスで覚え、活用するとよりよくなりますので参考にしてください。

読みやすい文章を意識する

作文において、「読みやすい文章」が書けているかは重要な要素です。

「日本語としては間違っていないけれど、なんだか読みにくい」と感じる原因の多くは、「1文が長すぎる」ことに起因します。

そのため、以下の3項目に当てはまらないように、意識する必要があります

ポイント

  • 1文が60字以上
  • 動詞が3つ以上
  • 読点が3つ以上

の場合は、文を2文以上に分けましょう。

そのほか

  • 「こと」の多用
  • 接続詞(「そのため」や「しかし」など)の多用
  • 指示語(「これ」「その」など)

も読みにくさに繋がります。

また、同じ言葉を連続して使うのも読みにくく感じさせるので工夫してください。

結論と理由を明確にした構成

どのような課題であっても作文には「結論」と「理由」が求められます。

「結論」は賛成や反対、またはどうあるべきか、どうしたいかなどについてです。

「理由」はなぜそうなのかについて述べます。

客観的な事実を根拠にした自分の考えを書きましょう。

作文を書く前に下書きともいうべき構成をまず組み立てるとスムーズです。

基本の文章構成である「主張→理由・具体例→結論」をまずはマスターしてください。

構成は頭の中でしっかりと組み立てたつもりであっても書いているうちに忘れたり迷走したりしてしまいがちなので、書き始める前に余白にメモをしておくと良いでしょう。

表記を統一する

表記がぶれないように注意しましょう。

  • 一人称「僕」「私」「わたし」
  • 漢字と数字「一ヵ月」「1か月」「一箇月」
  • 漢字とひらがな「こと」「事」「いつ」「何時」「いただく」「頂く」
  • 漢字の送り仮名「引っ越し」「引越し」「引越」
  • 文末「~ます・です」「~である・~だ」

などがとくにぶれやすい表記です。

書き終わった後に必ず見直す癖をつけましょう。

「よい文章を書くための15か条」とは

文部科学省の海外子女向けのページに、以下のような「よい文章を書くための15か条」が掲載されています。

子どもの学習段階やレベルに合わせて、初級から順にクリアしていきましょう。

初級
「わたしは/ぼくは」をいちいち書かない。
必要のない「そして」を書かない。
文(センテンス)を短くする。
文脈から判断できる言葉や部分(不要な言葉)は削る。
文末の文体を揃える。

中級
接続詞を適切に使う。
主語と述語を照応させる。
係る言葉は受ける言葉の近くに置く。
体言止や、…や‐‐を使いすぎない。
漢字を適正に使う。漢語は交ぜ書きしない(例「じゅく語」など)。ただし、平仮名で書く言葉にまで使わない。
一つの段落では一つのことを述べる。

上級
読点は、意味と音調の両面から判断して打つ。
文末の表現を多彩にする。
書きながら読み返し、音調もよい文章にする。
語彙・語法に、読み手の注意を引くものを交える。

(注)各項目についての解説は、『気球船』平成15年(2003)1月号以降を参照

引用:文部科学省HP

上手に作文を書くための具体的な6つの対策方法

作文 書き方 ルール

作文は、テクニックだけ覚えてもダメです。

実際に点を取るためには、日ごろからの対策が大切になります。

お手本を読む

まず、「良い作文」を知りましょう。

作文の練習問題に取り組むときには、模範解答を必ずチェックしてください。

また、日ごろから小中高生向けの新聞に目を通していると「分かりやすい文章」のお手本に触れられます。

加えて時事問題にも強くなれるでしょう。

お手本を書き写しで書く

時間がある時や本格的に作文対策が始まる受験期直前は、模範解答やお手本を読むだけでなく書き写しましょう

少し面倒に感じるかもしれませんが、ただ読むだけでなく、書き写したほうがより深く理解できます。

書き写していると「このタイミングで句読点をいれると分かりやすいのか」「この言葉に置き換えることはできるだろうか?」などと考えやすいです。

また、自分自身の文字の書くスピードを把握したりアップさせたりもできます。

志望校の過去問をチェックする

作文の課題はとくに中学の特色が大きく出ます。

志望校の過去問と模範解答をチェックしましょう

この時、模範解答を読んで終わりにするのではなく、自分ならばどう書くかも考えてください。

模範解答を見る時には理由や結論だけでなく、構成や着想などにも注目しましょう。

過去問の活用方法についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

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短い文章から書く

日から文章を書きなれていない子にとって、いきなり長い文章にチャレンジするのは大変です。

まずは短い文章から作っていきましょう。

文章の構成や骨組みを書くのに慣れ、徐々に肉付けをしていくのがおすすめです。

家族でニュースなどを討論する

作文を書く際、子どもは自分の「主張」や「結論」を正当性のあるものとして書こうとするあまり、偏った意見や視点で書いてしまう傾向があります。

作文において、説得力は大切ですが、それは一方的な主張をすることではありません

たとえば環境問題の場合、環境を守る一方でコストや手間も考える必要があります。

物事を多面的に見る習慣をつけましょう。

 

そのためにおすすめなのが日ごろからの家庭での会話です。

ニュースなどを話題に「あなたはどう思う?」「それはどうして?」と話しかけてみましょう。

一方的に子どもに言わせるだけでなく、「お母さん(お父さん)はこう考えるな」など保護者も意見を言うのが大切です。

ただし、あくまで子どもの多面的な見方や説得力を鍛えるのが目的であることを忘れないでください。

「白熱して子どもを言い負かしてしまった」「子どもの知らない知識で圧倒する」などは大人気ないうえ、子どもは楽しくないので次第に会話に乗ってこなくなります。

「なるほど。こんな風に言ったらもっと説得力があるんじゃないかな」など子どもの意見を認めつつアドバイスするようにしましょう。

ニュースだけでなく、低学年のうちから「今日学校どうだった?」と聞く習慣もつけておくのがおすすめです。

子どもが「楽しかった」と答えたら、「どう楽しかったのか」「なぜ楽しかったのか」など細かく聞きましょう。

この質問により、「分かりやすい説明」をするクセが付きます。

制限時間も意識して練習する

作文の練習に取り組む際には作文の出来栄えに意識が行きがちですが、受験が近づいてきたら時間にも注目しましょう。

無限に時間がある中で書く文章は何度も推敲できますが、実際の中学受験ではそうはいきません。

素早く課題を理解し、それにあった構成を組み立て、書くスピードが必要です。

制限時間内で所定の文字数が書けるように練習しましょう。

完璧主義の子や凝り性の子は時間制限がネックになってしまいがちなので、特に注意してください。

まとめ

中学受験で高く評価される上手な作文を書くためには「正しい日本語」と「構成力」を身につける必要があります。

日本語は普段から使っているため、それほど難しく感じないかもしれませんが、甘く見てはいけません。

「読みにくい!」とならないためにも書いたものを音読したり評価してもらったりするようにしましょう。

 

作文の構成は、基本を覚えるだけでは様々な課題に対応できません。

志望校の過去問を踏まえつつ、数をこなして身につけていきましょう

 

上手な作文を書くポイントは、以下の3点に当てはまらないようにすることです。

ポイント

  • 1文が60字以上
  • 動詞が3つ以上
  • 読点が3つ以上

また、日ごろから多面的なものの見方をしたり説得力のある伝え方を意識したりするのも大切です。

作文が苦手だという子はまずはお手本となる文章を読むようにしたり短文から慣れていったりすると良いでしょう。

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