学校生活

子どもがいじめを打ち明けてきたら?親がとるべきベストな対応とは?

こんな方におすすめ

  • 子どもがいじめを打ち明けてきたときにどんな対応をすればいいかわからない
  • 子どもがいじめられた時の学校への相談の仕方がわからない

子どもがいじめられていたら、まずは冷静になって親は絶対に味方でいなければいけません。

子どもにしてみると、いじめられていることを親に伝えるのは、非常に勇気がいることです。

子どもが勇気を出して助けを求めてきた場合に、対応を誤るといじめが原因で不登校になったり、最悪の場合自殺してしまう可能性もあります。

今回は、子どもがいじめられた場合の適切な親の対応を解説します。

 

いじめは過去最多、小学校低学年で多い

文部科学省が2020年10月に発表した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、いじめの認知件数は2019年度に過去最多の61万2,496件となっています。小学校が全体の約8割を占めており、特に低学年でいじめが多い状況です。

この調査は学校側が認知している件数のため、実態はもっと沢山のいじめが起きている可能性があり「我が子に限っていじめられている訳がない」といった安易な考えは辞めましょう。

子どもをしっかりと観察し、学校に行きたくないといったような違和感を感じたら、適切に向かい合います。

いじめを子どもが訴えてきた場合の対応

100%味方をすると子どもに伝える

子どもにとって、いじめられていることや学校に行きたくないことを親に訴えることは、最後の手段です。

いじめられていて傷ついた子どもは、それでも親に心配をかけたくないとの思いで自分で抱えてしまいます。そんな子どもが最後の手段で親に助けを求めてきたら100%味方でいてあげてください。「お母さん(お父さん)が必ず守る」ということを伝え、子どもの訴えに耳を傾けてください。

まずは子どもの話を最後まで聞くことが大切です。途中で口をはさまずに「うんうん」「それからどうなったの?」と相づちをうち、子どもの話を最後までしっかりと聞いてあげましょう。

話が終わったら、「つらかったね」などの言葉や共感を伝え、「こうすればよかったのに」「あなたも悪いんじゃない」など、子どもの気持ちを否定しないように気をつけてください。

無理に学校へ行くことをすすめない

いじめられている子どもは「学校へ行かなければならない、でも行きたくない」という相反する気持ちでギリギリの状態になっています。

親に話したことがいじめっ子にばれると、いじめがより悪質になる可能性があるので、子どもは「学校には言わないで」と言ってくることもあります。

そんなときは、無理に学校に行くことを勧めてはいけませ。あくまで子どもの声に耳を傾け、時には「学校を休んでも大丈夫だよ」と伝えましょう。

それでも、学校に行くと決断する子どももいるので、安心して子どもが学校に通えるように、子どもと一緒にいじめと闘うことを子どもに約束しましょう。

いじめが発覚した場合の具体的な対応

いじめの事実を文書にする

いじめに対して、親が感情的になると解決するどころか火に油を注ぐことになり兼ねません。

加害者側の子どもが認めることも少ないので、加害者側の親に電話をしたりする前に冷静に準備を行います。

まず重要なのは、いじめがあった事実を具体的に「文書」にすることです。文書はWORDなどで作成すればいいでしょう。

いじめがあった場所、時間、誰にいじめられたのか、どんな風にいじめられたのか具体的に文書に書きます。また外傷がある場合などは、その写真も証拠として残し、場合によっては病院に行き診断書を受け取ります

文書にすることで、いじめを可視化することができ、学校との交渉もスムーズとなります。口頭では、言った言わないのトラブルに後々繋がりかねないので、感情論ではなく事実を淡々と記すことが重要なのです。

文書に要望を載せる

文書には事実だけを載せることが重要ですが、同時に要望も載せます。

いじめによって傷ついた子どもは、裁判を起こしたい訳でも、事を荒立てたい訳でもなく、ただ単純にいじめを辞めてほしい、仲良くしたいと思っているはずです。

そのため、文書の中に要望として「加害者から子どもへの謝罪」と「学校側の再発防止策」を文書で提出してもらうように載せましょう。

加害者から子どもへの謝罪は、本人に口頭で謝罪してもらう訳ですが、それに加え文書でも謝罪を要求することで、一種の再発防止策になります。

また、学校側の再発防止策も文書で提出してもらわなければ、宣言した再発防止策が有耶無耶にされる可能性があります。

事を軽視せずに、やりとりは全て証拠を残しましょう。

加害者ではなくまずは学校に相談する

文書を作成したら、学校に相談にいきます。学校に相談する際には担任の先生と同時に、校長先生にも連絡するといいでしょう。

担任の先生だけに連絡すると、自分の立場が危ぶまれる可能性があるので校長先生に報告しない先生もいます。必ず校長先生も巻き込んで、文書をもって相談しましょう。

ここで一番注意したいことは、感情的にならずに冷静に話し合うことです。子どもがいじめられていた!とショックを受けるのはわかりますが、その気持ちをそのまま担任の先生や校長先生に伝えると、被害を受けた家庭側にも問題があるようにとられる可能性があります。

あくまで冷静に事実だけを伝え、先生の協力を得られるように働きかけましょう。

また、担任の先生や校長先生に相談に行った際の、音声データをとっておくことも重要です。先生との会話を記録しておくことで、万が一先生が何も対応していないようであれば、教育委員会やマスコミなどに訴える材料にもなります。

いじめ防止対策推進法」には、「学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体でいじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。」と規定されています。

適切な対応がなされない場合も視野に入れて、準備を怠らない事が大切です。とはいえ、学校の中の問題を解決するのは学校にしかできません。学校と敵対しても良いことはないので、学校には協力してもらえるようにしましょう。

学校に相談する際は、両親ともに出席する

学校に相談をする際は、可能な限り両親ともに参加すると学校側も事態をより重く受け止めます。

残念ながら女性を軽視するような先生も中にはいます。父親も参加することで、より真摯に向き合ってもらいましょう。

いじめが解決しない場合

学校に相談してもいじめが解決しない場合は、子どもの意見を尊重して転校も視野にいれます。

その場合、親主導で動くのではなく、必ず子どもの意見を聞いてください。いじめられているとはいえ、その学校に通いたい理由があるかもしれません。

親子一緒になって解決策を探しましょう。

一方で、学校がいじめ解決に向けて動きが甘い場合は、教育委員会や、マスコミや警察などに相談をするべきです。

学校に提出した文書や、先生とのやりとりの音声データをもって動けば、学校も動かざるを得なくなります。

「お母さん(お父さん)が必ず守る」と誓ったように、いじめを蔑ろにせず、一日でも早く解決に向けて動くことが親のつとめなのです。

まとめ

いじめを子どもが打ち明けるのは、とても勇気がいることです。

子どもからいじめの事実を打ち明けられた場合は、必ず子どもの味方でいてあげてください。

その上で、感情的に動くのではなく、冷静に対応することで1日も早くいじめの解決に向けて、全力で動きましょう。

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