こんな方におすすめ
- 子どもにどんな本を読ませたら頭がよくなるか知りたい
- 東大生が小学生のときに読んでいた本が知りたい
プレジデントFamily(2018年秋号)の特集「東大生192人 頭のいい子の本棚」で東大生が小学生におすすめしたい本が話題になりました。
おすすめの本を読んだだけで東大に行けるほど簡単な話ではありませんが、小学生の可能性を伸ばすチャンスを東大生の本の読み方から習ってみましょう!
東大生は小学生のころ、どんな本を読んでいた?
プレジデントFamily(2018年秋号)の特集「東大生192人 頭のいい子の本棚」で東大生が小学生の頃に読んで面白かった本と小学生にすすめたい本を以下のように紹介しました。
難しい本やマニアックな本は少なく、当時の小学生の間で流行っていた本が多数上がっています。
男子
- 1位「かいけつゾロリ」シリーズ
- 2位「ハリー・ポッター」シリーズ
- 3位「ダレン・シャン」シリーズ
- 4位「デルトラ・クエスト」シリーズ
- 5位「ズッコケ三人組」シリーズ
- 6位「三国志」
- 6位「星新一」の本
- 8位「エルマーの冒険」
- 9位「バッテリー」
女子
- 1位「ハリー・ポッター」シリーズ
- 2位「黒魔女さん」シリーズ
- 3位「星新一」の本
- 4位「ダレン・シャン」シリーズ
- 4位「バッテリー」
- 4位「パスワード」シリーズ
- 4位「シャーロック・ホームズ」
小学生にすすめたい本
- 1位「星新一」の本
- 2位「ハリー・ポッター」シリーズ
- 2位「かいけつゾロリ」シリーズ
- 4位「三国志」
- 4位「バッテリー」
- 6位「星の王子さま」
東大生も難しい本を読んでいた訳ではない!
結果を見てみると、「かいけつゾロリ」や「ハリー・ポッター」など、東大生でなくても読みそうな読みやすい本がラインナップされています。
「かいけつゾロリ」シリーズはイラストが多いので絵本を卒業し、児童書デビューをする子にぴったりです。奇想天外な発想とたっぷりの遊び心、そして「いい子」ではない主人公に魅力があります。
「ハリー・ポッター」は壮大なファンタジー世界に憧れを募らせる子が多いです。ページ数は多いですが、使われている言葉が優しいので読み切るのが難しくありません。日本にはない文化や価値観ともたくさん出会えるでしょう。
「星新一」の本は短編が多く、あと一編、もう一編と読みすすめてしまいます。風刺や皮肉が効いていて、日常を別の角度から覗く楽しさを教えてくれるでしょう。
ここでわかることは。東大生だから難んで本を読んでいたのではなく、小学生のうちに本を読む習慣を作ることが重要ということです。
東大生の本の読み方の特徴3つ
プレジデントFamilyの特集で注目すべきは本のタイトルだけではありません。本をどのように読んでいたかです。
シリーズものに「ハマる」
上位にランクインしているのはいずれも長編シリーズです。その世界に入り込み、熱中することが子どもの成長を促します。
本を通じて楽しんだり興奮したりすると神経伝達物質・ドーパミンが分泌され、脳が刺激されるのです。「ハマる」楽しさを知った子どもはもっと夢中になりたい、もっと知りたい、もっと極めたいと好奇心旺盛に育ち、それが学力にも好影響を与えます。
分からないことを調べる
読書をしていると知らない言葉や文化に出くわします。東大生はそれをそのままにしないで調べるのです。ことわざの由来、外国の料理、各国・各時代の価値観や文化……そして理解を深めてより本を楽しみます。調べていく過程でさらに新しい本やジャンルにハマることも少なくありません。
この「分からないから調べる。分かればもっと楽しい」の体験は勉強にも通じるものです。好奇心旺盛に分からないものを分からないままにせず、多くのことを吸収していきます。
本を読み終わった後の感想も楽しむ
東大生にとって、本の楽しみ方は「読む」だけではありません。「読後」も余すことなく楽しみます。「読後」とはつまり、感想です。読んでいる最中の楽しさだけでなく、読み終わった後どう思ったのか、何を感じたのかについても自分の中で整理する習慣をつけています。
さらに、その感想を文章にしたり口に出したりして人と話し合うことで自分の価値観を確固たるものにすると同時に、他人の考えや感性も吸収していきます。
東大生に習う、小学生の本との付き合い方
東大生の本の読み方にあやかれば子供の成長を促すチャンスが増えます。重要なのは本のタイトルではなく、読み方です。
出来るところから実践していきましょう。
読みたい本を読ませる「ハマる」感覚を大切に!
読んだ本を子どもの血肉にするためには「ハマる」のが何よりも重要です。教養が詰まった本を読ませても子どもがハマらなければ、右から左に抜けていきます。
子どもを本にハマらせるためには親ではなく、子どもに本を選ばせましょう。家庭に様々なジャンルの本を並べた本棚を作るのが理想ですが、本屋や図書館に頻繁に連れて行くだけでも十分です。
対象年齢よりも高かったり低かったりする本を選ぶ場合もあるでしょう。そんな場合も「ちょっと難し(簡単)すぎるんじゃない?」などと言わず「楽しそうな本を選んだね」と言ってあげてください。難しい本を読んだからといって偉くはありません。自分で面白そうな本を選ぶことが偉いのです。
人生において「読まなければならない本」は教科書を筆頭にして膨大にあります。だからこそ、子どもが「好きな本を選ぶ」チャンスを出来るだけ多く与えてあげてください。
感想を話し合う
本を読んだら軽く感想を記録する習慣を付けましょう。あらすじ、印象に残ったこと、どう感じたのかなどを簡単にまとめます。
ノートにまとめてもいいですし、ブログに載せるのもおすすめです。可能ならば保護者も同じ本を読み、感想を伝えあいましょう。
保護者が子どもの選んだ本に興味を持ち、その面白さを認めれば、やがて子どもも保護者のすすめる本に興味を示します。また、子どもはどうしても視野が狭いので、保護者が「こんな見方もあるよね」と感想を言えば、理解がより深められるでしょう。
分からないことは調べる
本を読んでいて分からないことがあったらすぐに調べる習慣を付けましょう。「後でいいや」と思っているとそのままになってしまいがちです。
辞書を引かせるのにこだわり過ぎず、気軽に調べられるネット検索も取り入れていきましょう。分からないことをそのままにしない習慣作りが大切です。
保護者も知ったかぶりをせず、一緒に調べましょう。その姿を見れば子どもは「分からない時は誤魔化すのではなく、調べるのが正解」と学んでくれます。
まずは保護者が本を楽しく読む!ハードルは徹底して低く!
子どもが本に興味を示さないのならば、まずは親が本を楽しく読んで見せましょう。本の素晴らしさをプレゼンする必要はありません。ただ、楽しくてたまらないとばかりに本を読むだけです。保護者同士で本の感想を言い合う姿を見せるのもいいでしょう。
ただし、電子書籍を利用すると「本」自体よりも端末に子どもが興味を持ってしまいやすいので、できるだけ紙の本にしてください。
本嫌いな子の場合は雑誌や漫画など、ビジュアルも楽しめる本を親が積極的に読むようにしましょう。子どもの本へのハードルを下げられます。子どもが雑誌に興味を持ったのならば雑誌の連載をまとめた本に、漫画に興味を持ったらノベライズやラノベなどに導いていきましょう。
東大生の本の読み方を知り、小学生の可能性を伸ばそう!
東大生の多くは小学校の頃から小難しい本ばかりを読んでいたわけではありません。多くの子どもが好む本を楽しんでいました。しかし、共通したある特徴があります。
それはシリーズ物に「ハマる」、分からないことは「調べる」、読んだ後は感想を「まとめる」ことです。
子どもに本にハマりやすい環境を与え、調べ物や感想を言う習慣をつけることで子どもの好奇心や理解を深めていくことができるでしょう。小学生のうちは何の本を読んだかよりも、どんな読み方をしたかが大切です。家庭でできることから楽しんで取り組んでいきましょう。