こんな方におすすめ
- 小学生にSNS利用の危険性について教えたい
- 小学生がトラブルなくSNS利用ができるように教えたい
小学生のSNS利用の危険性とセキュリティについてまとめました。
子どもがSNS絡みのトラブルに巻き込まれてしまうニュースは後を絶ちません。
だからこそ、親の目が届くうちにSNSの危険性やルールを指導してあげましょう。
SNSとうまく付き合っていく方法を一緒に考えることが大切です。
参考
小学生のスマホ・SNS利用の実態
まず、小学生はどの程度ケータイ端末を所持し、SNSを利用しているのかについてまとめました。
小学生のスマホ・ケータイ所持率事情
ケータイ社会白書2020年版によると、小学生のスマホやケータイの所持率は以下のようになっています。
学年 | スマホ所持率 | フィーチャーフォン所持率 | 合計端末所持率 |
1年生 | 3% | 11% | 14% |
2年生 | 8% | 14% | 22% |
3年生 | 8% | 23% | 31% |
4年生 | 14% | 25% | 39% |
5年生 | 16% | 26% | 42% |
6年生 | 27% | 23% | 50% |
学年が上がるにつれて端末を所持している割合が増えてきていることが分かります。
また、自分専用の端末を所持していなくても家族共有のパソコンやタブレット、親のスマホを借りるなどして、インターネットを利用している小学生も多くいます。
参考
ちなみに中学生のデータは、以下の通りです。
学年 | スマホ所持率 | フィーチャーフォン所持率 | 合計端末所持率 |
1年生 | 60% | 8% | 68% |
2年生 | 60% | 5% | 65% |
3年生 | 73% | 3% | 76% |
やはり小学生に比べてスマホの所有率が著しく高いことがわかります。
小学生のフィーチャーフォンの所持率が高いのは、キッズケータイを所持している人数が多いからと考えられます。
その点、中学生になったらキッズケータイは基本的に必要ではないので、フィーチャーフォンの所持率が低下すると考えられます。
小学生のSNS利用状況
日本でのユーザー数が多いTwitterとInstagramは、13歳未満の利用を制限しているため、小学生で利用している割合は低いです。
Twitterアカウントは13歳以上の方しか作成できません。
引用:Twitter ヘルプセンター
ケータイ社会白書2020年版によると、Twitterの小学1年生から小学3年生までの利用率は0%で、小学4年生から小学6年生の利用率は全国各地区の平均で1%~2%程度となりました。
Instagramも同様に低学年の利用率はほとんど0%に近く、高学年でも5%程度の利用率となります。
小学生のSNS利用の危険性
次に、小学生のSNSの利用におけるリスクについてまとめました。
場合によっては、子どもの軽はずみな行動が一生を左右するくらいの悪影響を及ぼす場合もあります。
- 友人間とのトラブルになりうる
- SNSに振り回される
- 知らない人とやり取りをし犯罪に巻き込まれる
- 不適切な発信をしてしまう
- 金銭トラブルが生じてしまう
- 不適切な情報を閲覧してしまう
友人間とのトラブルになりうる
友達とやり取りをしているうちに仲間外れにされたり意地悪なことを言われたりなどのトラブルです。
「自分の知らないところで悪口が書かれているのではないか」と疑心暗鬼になったり誹謗中傷や強迫などをされて不登校になったりする場合もあります。
スマホやインターネット上だけのクローズドの世界で行われているため、学校の先生や親などの大人が気付きづらいトラブルの代表例です。
SNSに振り回される
SNSでの反応が気になって常にSNSを閲覧していないと落ち着かない、過剰な承認欲求を持て余してしまう、他人と比較して落ち込むなどがこれに当たります。
経験が少なく、視野の狭い小学生は「いいところだけ切り取ったSNS」と現実に区別がつけられません。
日常生活に支障をきたしてしまう程のめり込み、依存症になってしまった場合、回復には時間がかかり、専門家の助けも必要です。
知らない人とやり取りをし犯罪に巻き込まれる
警戒心が薄い子どもを狙って言葉巧みに個人情報を引き出したり、わいせつな画像を送らせたり呼び出して連れ去ったりする犯罪者がいます。
2019年にSNSが起因となって犯罪被害に遭った子どもは、2,095人にのぼったという警視庁のデータもあります。
不適切な情報発信をしてしまう
子ども自身が住所や名前などの個人情報を発信してしまったり、人を傷つけるような内容を発信してしまったりするトラブルです。
SNSの影響力や受け取った人の気持ちを想像する能力が未熟なために引き起こされてしまいます。
また、知識の未熟さからなる、著作権や肖像権の侵害も少なくありません。
自分の意見を自由に発信できる場ではありますが、ルールやマナーを守らないといけないという認識を持たせないといけません。
金銭トラブルが生じてしまう
金銭トラブルは、フィルタリングの施された子ども専用の端末よりも家族共有の端末や親の端末を借りている時にリスクが高くなります。
「ゲームで無料だと思って利用したアイテムが有料だった」などが良くあるパターンです。
さらには物欲に負けて親のクレジットカードを無断利用する子も少なからずいます。
早期発見ができればクーリングオフ制度などを活用して請求を取り下げることもできますが、発見が遅れるとそうはいきません。
不適切な情報を閲覧してしまう
小学生が見るべきでない過激な動画や偏った思想などもSNSには溢れています。
経験を積んだ大人ならば現実とファンタジーの区別をつけて楽しみ、興味ないものや極端な主張はスルーできますが、子どもはそうはいきません。
デジタルマーケティングの影響で閲覧履歴に応じて「利用者に興味のありそうなもの」が積極的に表示されるようになっているので、1回でも興味本位にアクセスしてしまうと同じような情報ばかりが入ってきてしまいます。
特にSNSに頻繁に表示される広告類は、非常に厄介です。
たとえば「痩せていることが美しい」「〇〇するだけでモテる!」などの情報に頻繁に触れると「世の中の真実」と受け取ってしまいかねません。
小学生がSNSと上手に付き合っていくために親ができること
SNSは危険が潜んでいますが、今の時代、いつかはスマホやSNSデビューをすることになります。
だからこそ、親の目の届きやすい小学生のうちから付き合い方を指導していきましょう。
フィルタリング機能を利用する
連絡先、課金、アプリ、閲覧範囲、利用時間等を制限できるフィルタリング機能を利用しましょう。
各携帯会社のものやGoogleのフィルタリングがおすすめです。
法令等により、18歳未満の青少年が利用する場合、原則「フィルタリングサービス」へご加入いただき、機種販売時に設定を行うことが義務付けられております。
ドコモでは、この対象を契約者20歳未満もしくは利用者18歳未満としています。
このように各携帯会社は、フィルタリング機能を必須条件にしていることが多いです。
年齢制限について知っておく
Twitter、Facebook、Instagram、Tiktokなどは規約で利用は13歳以上となっています。
そのため、ルールに従って小学生の間は利用を控えましょう。
「13歳になったらこんな使い方をしたいね」などと楽しく話しながら、SNSとの付き合い方を諭していくと解禁年齢になったときに健全に楽しめます。
SNSのトラブルやNG行為を具体的に教える
小学生がSNSで危険な目に遭ってしまう理由の多くは、「経験の浅さ」と「知識の少なさ」によるものです。
実際にどうしてダメなのかを過去のトラブルの例を挙げながら教えましょう。
以下は、実際のトラブル事例や主なトラブルの概要です。
- 子どもに人気のあるゲームなどを通して仲良くなり、連れ去ってしまう犯罪がある。「〇〇好きに悪い人はいない」は間違い。小学生と積極的にやり取りしたがる大人は異常。
- SNSに「旅行に行く予定」を上げたことから空き巣に入られた。個人情報を乗せてはダメ。
- SNSの誹謗中傷で自殺してしまう人や多額の損害賠償を負う人もいる。正々堂々と言えない言葉はSNS上でもダメ。
- SNSの情報は玉石混合。「コロナはお湯を飲むと死滅する」という誤情報が出回ったこともある。虚実の判断ができない時は親に相談。
- デジタルマーケティングというものが存在する。似たような情報が表示されやすい。ネットで沢山入って来る情報が一般常識とは限らない。
- 全てのものには著作権がある。特に出版物には注意!
ルールを作り、時々見直しする
SNSを含めた端末やインターネットの利用ルールを家庭で作りましょう。
- 知らない人とやり取りしない
- 気になることは親に相談
- 利用時間厳守
- 閲覧やサービス利用は親が許可したものだけ
- 課金禁止
などが小学生向けの基本ルールです。
ルールを定めたらそれでおしまいではなく、定期的に守れているかチェックしたり見直したりしてください。
子どもがプライバシーを主張する場合もありますが、毅然とした態度で臨みましょう。
料金を親が支払っているのならば所有権は親にあり、子どもには「貸してあげている」だけ。
また、プライバシーの尊重よりも安全が優先です。
子どもが困りごとを相談した時には叱ってはいけません。
叱ってしまうと次からは子どもはトラブルがあった時に相談ではなく、隠すようになってしまいます。
そして、子どもの成長に応じてルールは改定していきましょう。
まとめ
小学生のSNS利用は、実に多くの危険性が潜んでいます。
主な代表例は、以下の通りです。
- 友人間とのトラブルになりうる
- SNSに振り回される
- 知らない人とやり取りをし犯罪に巻き込まれる
- 不適切な発信をしてしまう
- 金銭トラブルが生じてしまう
- 不適切な情報を閲覧してしまう
軽はずみな行動が、子どもの生涯にわたって悪影響となりえるので、事前に危険性について教え、ルールを設けましょう。
親は子どもに禁止をするだけでなく、なぜダメなのか、どうすれば安全に楽しく利用できるのかを教えてあげる必要があります。