こんな方におすすめ
- 部活動をする意義を教えてほしい
- 部活動をするとどのような力がつくのか知りたい
中学生になると部活動をする子どもがほとんどですが、「勉強と両立できるのか?」「部活動をすることによってどのようなメリットがあるのか?」と不安になっている保護者の方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、部活動をする意義や部活動のメリット・デメリットについて解説します。
子どもの部活動に不安がある方は、ぜひご覧ください。
部活動の選び方についてはこちらの記事で解説しています。
中学生の部活動はどう選べばいい?楽しい中学校生活を送るための方法をご紹介!
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部活動の意義とは
スポーツ庁の「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」の前文によると、部活動の意義は以下のように述べられています。
体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等との好ましい人間関係の構築を図ったり、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感の涵養(かんよう)に資するなど、生徒の多様な学びの場として、教育的意義が大きい。
引用:スポーツ庁「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」より
これらをまとめると、以下のようになります。
- 体力や技能の向上
- 異年齢との交流における人間関係の構築
- 学習意欲の向上
- 自己肯定感や責任感、連帯感の育成
運動部活動について書かれている文章ではありますが、文化的な部活動においてもこれらの意義は当てはまります。
部活動は学校教育の一環として、非常に重要な意義をもつことがわかります。
部活動の8つのメリット
部活動の意義については触れましたが、実際にどのようなメリットがあり、どのような力が養われるのでしょうか。
ここでは、部活動で得られるのメリットを見ていきたいと思います。
1. 社会性が身につく
学校では、多くがクラス単位で行動するため、同じ年齢の子どもの中でしか活動しません。
しかし、部活動では違う学年の生徒や担任以外の先生とのかかわりを通して、以下のようなさまざまな社会性を身につけることができます。
- 広い視野
- 思いやりの心
- 礼儀やマナー
部活動では異年齢との交流があります。
そのため、いろいろな年齢や立場の人と接することで視野が広がり、先輩に教わったり後輩に教えたりすることで、さまざまな視点からものごとを見ることができるようになります。
部長やキャプテンなどの役職がつくと、視野は自然に広がります。
同時に、相手を思いやる心が育まれたり、先輩や先生、その他の大人に対して敬語を使ったり、大会や練習試合などを通して公共の場におけるマナーが身についたりします。
2. 忍耐力が身につく
活動動が盛んで、全国大会やコンクール出場を目指している部活動では、地道な基礎練習や走り込み、ボール拾いなどを一般の学校よりもハードに練習するため、忍耐力が身につきます。
ハードな練習を乗り越えると、少しのことでは根をあげずにがんばることができるようになります。
また、年が1つ違うだけで偉そうな態度を取られたり、自分より弱いと思っている人にレギュラーを奪われたり、と自分では納得できないことを経験することも、悔しい気持ちを抑えて「再びがんばる心」や「折れない心」「理不尽だと思うことに耐える心」などを養うことに繋がります。
3. 達成感を得られる
試合やコンクール、発表会に向けて練習を続け、試合に勝ったり賞を貰ったりすると達成感を得ることができ、再び新しい目標に向かって「がんばろう」と思う気持ちを持てます。
達成感を得ると自分に自信がつき、ものごとを前向きにとらえることができるようにもなります。
これが、部活動の意義に含まれる「自己肯定感」にもつながってくるのです。
部活動ごとに明確な目標を設定しているため、達成できたとの達成感やそこに携わった本人の自己肯定感は他の行事や学習以上のものとなりえます。
4. 身体を鍛えられる
部活動に入ると、心だけでなく、身体を鍛えることもできます。
成長期に身体を鍛えておくと基礎体力がつくので、大人になってから何をするにも役に立ちます。
仕事が忙しくてハードワークになった時、妊娠、出産で体力を消耗した時、年を取ってきて足腰が弱ってきたと感じる時も、基礎体力があると乗り切りやすかったり衰えを感じにくくなったりします。
これは決して運動部に限った話ではありません。
いわゆる文化部でも、吹奏楽部などでは肺活量が鍛えられたり、茶道部や華道部などでは正しい姿勢が身につき、それに伴って日常生活以上の筋肉はつきます。
5. 勉強以外の可能性を見出すことが出来る
学校生活では、当たり前ですが勉強をすることが中心となるため、「勉強ができるかどうか」で判断されることが多くあります。
意欲や姿勢も大切ですが、絶対評価としての成績や点数は避けられません。
勉強が苦手だったり成績がふるわなかったりする場合でも、部活動で評価されると自分の可能性を勉強以外のところで見つけることができ、自分に自信を持つことができます。
これもまた「自己肯定感」につながります。
6. ストレスを発散できる
思春期になると精神的に不安定になり、不安やイライラ感を持つことがあります。
全員ではありませんが、子どもによっては部活動でストレスや溜まったエネルギーを発散してバランスを取るケースも見受けられます。
日常と違うコミュニティができるため、同じクラスの仲良しグループ以外の場でストレス発散ができたり、居心地の良さを感じられる可能性があります。
7. 同じことに興味がある友だちができる
部活動は同じことに興味があり、「好きだ」「やってみたい」と思っている人が集まります。
1年の1学期から入部した場合は、3年間同じことが好きな仲間と、試合やコンクール、発表会などに向かって力を合わせてがんばります。
辛いことや楽しいこと、嬉しいことを共有するため特別な仲間意識が育ち、長く付き合える友だちになる場合もあります。
クラスメイトとは卒業したら会わなくなったけれども、「部活動の友だちとはずっと友だちでいた」という人も多いです。
8. 時間の有効利用ができる
部活動をすると放課後はもちろん、休日に試合があることも多く、勉強や友だちとの時間、自分の時間が減ります。
そのため、勉強や友だちとの時間を作るために、時間を有効に使うようになります。
部活動のデメリット
以上のようにメリットがたくさんある部活動ですが、デメリットもあります。
1. 勉強時間が減ってしまう
部活動のデメリットとして一番に挙げられるのは、勉強時間が減ることです。
部活動は放課後に行われるため、帰宅時間が遅くなります。
運動部に所属している場合は疲れもあり、眠くなってしまい勉強が思うようにできないこともあります。
ただし、勉強と部活の両立は工夫次第で可能です。
2. 自分の自由な時間が減ってしまう
勉強時間だけでなく、趣味に打ち込む時間や友だちと遊ぶ時間、習い事に通う時間なども少なくなります。
活動がさかんな部活や試合前などは、放課後だけでなく土日や朝に部活があることもあり、ますます部活以外の時間が少なくなります。
休日に家族と出かけにくくなる場合もあるため、自分の時間や家族との時間も大切にしたい場合は、活動がゆるい部や文化部を選ぶことをおすすめします。
部活動の選び方は以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ、参考にしてください。
中学生の部活動はどう選べばいい?楽しい中学校生活を送るための方法をご紹介!
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3. 予想外にお金がかかることもある
部活動によっては、想像以上にお金がかかる場合があります。
運動部では、ユニフォームやスパイク、スポーツバッグなどが必要になり、文化部でも楽器を購入しなければならないこともあります。
また、試合や合宿、遠征、コンクールが遠方である場合は、交通費や宿泊費がかかります。
学校から補助が出る場合や学校で用意したものを使用する場合もあるので、どのくらい費用がかかるのかは入部する前にしっかりとチェックする必要があります。
4. 時に人間関係に悩むことがある
先輩や後輩、顧問の先生、OBやOGなど、いろいろな年代と交流できることは部活動のメリットですが、その分人間関係が複雑になり、トラブルが起こることもあります。
部活動に入らなければ避けることができるトラブルですが、苦手な相手と付き合うこともコミュニケーション力を高めたり、視野を広げたりするためにはプラスとなります。
ただし、あまりにも居づらくなった場合や人間関係の不和で活動動が十分にできない場合は、退部も選択肢の1つに入れましょう。
部活動が絶対ではない
部活動には良いところ、得られるものがたくさんあります。
しかし、部活動がすべてではありません。
部活動ではなく、習い事やクラブに通ったり趣味に打ち込んだりしても、得ることができることは多くあります。
入部が強制となっている中学校ではどこかに入らなければいけませんが、「強制でない中学校では入らない」という選択肢もあります。
やりたいことがあって好きで入部するのは問題ありませんが、入りたくないのに嫌々入る必要はありません。
入部前にじっくりと、「やりたいことは何なのか?」「入部するかしないか」を含め、「どの部活動に入るといいか?」を考えて、親子で納得のいく選択をしましょう。
まとめ
部活動をすることは、社会性を育み、忍耐力や達成感を得るられる、勉強以外のことで自信がつく、などさまざまなメリットがあり、子どもの成長や将来に大きなプラスとなります。
ただし、勉強時間が減ったり自分や家族との時間が減ったりするなどのデメリットもあるので、中学生活をどう過ごしたいかをじっくりと考えて入るかどうかを決めてください。
部活動が強制の場合はハードな部活に入るか、ゆるめの部活に入って自分の時間や友だちとの時間を持つかを検討して、親子で納得のいく方を選んでください。
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