こんな方におすすめ
- 中学受験の面接でよく聞かれることは何か知りたい
- 親ができる面接対策を教えてほしい
今回は、中学受験で親の面接がある場合の質問内容やその回答例について紹介します。
中学受験の面接、特に親に向けた面接は落とすための面接ではなく、大きな問題がないかの確認のための面接です。
そのため、聞かれる質問はどの中学でもそう変わりません。
あらかじめ回答例を知ることで、当日を落ち着いて迎えることができます。
親が堂々としていれば、子どもも落ち着いて受験に臨め、実力を発揮できるでしょう。
面接の基本についてはこちらの記事で解説しています。
【2022年版】中学受験の面接のマニュアル決定版!注意すべき点を紹介!
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中学受験における面接とは
中学受験における面接について、簡単に確認しましょう。
重要度
多くの中学校では、子どもによる当日の学科試験が最も重要視されています。
やはり学力が一定の基準を超えていないといけないので、学科試験が最重要視されることは当然です。
それに引き換え、面接は親に大きな問題はないかやどんな家庭、子どもなのかを確認するために行います。
そのため、面接で多少口ごもってしまうような場面があっても、学科の点数が合格基準を満たしていれば不合格になることはありませんし、逆に立派な受け答えができても、学科の点数が悪ければ落ちることも十分にあり得ます。
だからといって軽視していいわけではありませんが、無理に取り繕ったり、背伸びしたりしなくても大丈夫だということは押さえておきましょう。
形式や内容
面接の形式は、主に以下の3種類です。
- 子どもだけで行う
- 親子で行う
- グループで行う
親だけの面接が重視される幼稚園や小学校受験とは異なり、親だけで面接を受けるケースはあまりありません。
基本は「親子で行う」と考えておいて構いません。
ただし、今年度はコロナの影響で面接をやらなかったり簡略化したりする中学も多くなると予想されているなど、イレギュラーな場合もあり得ます。
オンラインでも行われる説明会や学校の公式ホームページなどで最新情報を確認しましょう。
親が面接で聞かれることはどの中学でもほぼ同じなので、あらかじめ模範解答を知っておけば大丈夫です。
面接の注意ポイント
親の面接が原因で落ちることはあまりありませんが、以下のことはマイナスとして評価されやすいので注意してください。
- 質問から脱線して話す
- 面接官の話を最後まで聞かずに話し始める
- だらだらと長く話す
- 何度も無言になる
- 子どもを悪く言う
- 子どもの言っていることと矛盾する言動をとる
- 子どもの発言を否定する
特に、緊張していると話が脱線してしまいやすいので注意してください。
また、受験で子どもの意思が反映されていないと受け取られてしまうと、問題視されやすくなります。
あらかじめ子どもとよく聞かれる質問についての回答をすり合わせておきましょう。
塾では面接の練習を受け付けているので、子どもだけでなく、親も一緒に練習を受けるのがおすすめです。
質問①「中学受験をしようと思った理由はなんですか?」
中学校は義務教育の範囲内なので、わざわざ受験しなくても地元の公立中学に進学することはできます。
その上であえて中学受験をしようと考えた理由は何かを問われる質問です。
質問の意図やポイント
親子間や夫婦間で中学受験に対する考え方や熱量に大きなズレがないか、また、中学受験に対する価値観を見られます。
例えば、母親だけ熱心で、父親や子どもはあまり受験に興味を持っていないとみなされると、「母親のエゴなのかな」というマイナスの印象を与えてしまうので注意してください。
特に、子どもとの意見に食い違いがあると「無理矢理やらされていないかな?入学後に不登校とかならないかな?」と懸念されてしまいます。
また、公立中学ではダメな理由を述べるのはいいですが、極端な学歴主義や公立中学の過剰な悪口は偏った思想の持ち主だとみなされかねません。
親の回答例
回答には、以下の要素をいくつか盛り込みましょう。
- 公立中学校にはない受験校ならではの特徴
- 子どもに対する教育観
- 子どもの受験に対する姿勢
- 親子の共通見解
具体例
子どもには、公立中学には無い充実した設備やカリキュラムの中で中学生活を謳歌してほしいと考え、親子で相談してチャレンジすることにしました。
また、大きな目標に向かって数年がかりで挑むという経験も子どもの成長につながると考えています。
実際に、中学受験を通して子どもが自分の将来に向けて考える機会が増えたり、学んだり考えたりすることに興味を持つようになりました。
質問②「本校を選んだ理由はなんですか?」
私立中学は、世の中に数多くあります。
その中で「なぜ本校を選んだのか」そして、「誰が率先して志望校を決めたのか」について聞かれます。
質問の意図やポイント
受験校の特徴や教育理念を理解し、そこに対する魅力を感じているかの確認です。
「この学校ではないといけない理由」を明確に述べる必要があります。
ちなみに、志望校を決めたのは、子どもでも親でも構いません。
ありのままを話しましょう。
それよりも家族全員が納得しているかどうかが重要です。
特に、子どもの意見が尊重されていないのは悪印象になるので十分注意してください。
さらに、志望理由だけでなく、併願校を聞かれる場合もあります。
「こちらの中学が第一志望です」と言えればいいですが、併願校の校名だけで面接官には「うちの学校は滑り止めだな」と分かってしまう場合もあります。
また、受験日程でもある程度面接官にはお見通しです。
正直に伝えながらも、最終の2択で迷っていることや、魅力を十分に感じていることは伝えましょう。
親の回答例
回答には、以下の要素をいくつか盛り込みましょう。
- 受験校の特徴や教育理念
- 子どもとの相性
- 受験を決めた人物
- 子どもの受験校に対する姿勢
具体例
御校が他のどの学校よりも英語教育に力を入れている点に非常に魅力を感じました。
息子は、海外の言語や文化に対して強い興味関心を抱いているので、御校ならば息子の選択肢と可能性が広がると考え、親子で相談して決めました。
最初に御校を提案したのは、私です。
その提案を受け、息子が御校のホームページを拝見し、強い興味を持ち、さらには文化祭に参加して「ここに行きたい!」と強く望むようになりました。
質問③「通学にかかる時間やルートを教えてください」
入学後はどのように通学するのか、時間や手段について問われます。
質問の意図やポイント
合格したら中学校には、毎日通うことになります。
どんな手段で通学するのか、時間はかかり過ぎていないかなどを聞かれます。
この質問では「遠すぎて生徒の負担にならないか」と「入学したいという意志がしっかりあるのか」の2点が見られています。
入学の意思があるのならば、通学ルートを詳細に答えられるはずです。
親の回答例
この質問に対する回答では、明確なルートと所要時間を回答すれば大丈夫です。
具体例
はい。
通学は、自宅から〇〇駅まで徒歩で行き、〇〇線に乗って〇〇駅で乗り換え、御校の最寄り駅である○○駅で下車をします。
その後、〇〇系統のバスに乗る予定です。
片道約〇〇分になるので、朝は〇時に出発する予定です。
質問④「お子さんの長所と短所はどこですか?」
長所はともかく、短所はなかなか言い方が難しい質問です。
しかし、質問の意図を理解して答えられるようにしましょう。
質問の意図やポイント
どんな子が入学するのか、そして保護者は子どもをどう評価しているのかについて見られています。
具体的なエピソード付きで子どもの良さを紹介しましょう。
短所については、ありのままの短所を言うのではなく、改善しようとしている姿勢やエピソードを見せることも重要です。
親の回答例
この質問に対する回答は、以下のポイントに沿って回答しましょう。
- 長所を具体的なエピソードで述べる
- 短所はポジティブな言い方に言い換えて述べる
- 短所を改善しようとしているエピソードを述べる
具体例
この子の長所は、何事にも積極的に行動する点です。
小学校では毎回学級委員に立候補し、見事当選した後も運動会や文化祭でクラス全体を引っ張っていきました。
学級委員になれなかった時も、学級委員を支え、積極的に出し物を提案したり、みんなが楽しい気持ちになれるように心を配れる子です。
短所は、物事に慎重になりすぎてしまう点です。
改善するために、自分だけでは慎重になりすぎてしまうので、周りの子の意見を聞きながら、友達と一緒に行動に移すように努力しています。
短所の言い換え例短所は以下のように言い換えて伝えましょう。
短所 | 言い換えの例 |
優柔不断 | 物事に慎重な性格 |
マイペース | おおらかな性格 |
人見知り | 時間をかけて関係性を構築する性格 |
負けず嫌い | 向上心が高い |
緊張しやすい | 物事に最大限真面目に取り組む |
質問⑤「親子での会話はどのようなものですか?」
普段どんなコミュニケーションを取っているのかについて問われます。
高尚な会話をしていることをアピールする必要はありません。
質問の意図やポイント
どんな家庭なのか、親子でコミュニケーションが取れて良い関係性を築けているのかについて見られています。
子どもが興味を持っている分野や最近はやりのもの、学校での出来事、ニュースなど、親子でよく話している会話を答えてください。
共働きで平日は忙しく、なかなかゆっくり会話ができない家庭であるのならば、手紙でコミュニケーションを取ったり休日一緒に出掛けたり、ゆっくりと時間を過ごしているなどと伝えると良いです。
親の回答例
具体例
親子でよく話すのは、主に読んだ本についてです。
子どもが面白かった本を紹介してくれるので、私も読んで感想を伝えたり好きなシーンを教え合ったりします。
同じ本を読んでも、好きだと感じるシーンが違うことも多く、新たな発見があります。
読む本に偏りが出ないように、たまにおすすめの本を紹介して読んでもらうこともあります。
まとめ
中学受験で親も面接がある場合、聞かれる内容はほぼ決まっています。
あらかじめ模範的な回答例を知っておけば過度に緊張したり失敗してしまったりすることはありません。
以下のような面接にならないよう、十分注意して回答しましょう。
- 質問から脱線して話す
- 面接官の話を最後まで聞かずに話し始める
- だらだらと長く話す
- 何度も無言になる
- 子どもを悪く言う
- 子どもの言っていることと矛盾する言動をとる
- 子どもの発言を否定する
事前準備をしっかりとして臨み、子どもの頑張りを後押ししてあげてください!