こんな方におすすめ
- 小学校低学年から始められる受験対策を知りたい
- 低学年からの受験対策で成績を上げたい
小学校低学年から受験対策は必要なのでしょうか。
ほとんどの塾の中学受験向け講座は、3年生の2月からです。
しかし、低学年のうちから親が中学受験を意識して過ごすことで、子どもが中学受験対策に前向きになれたり、成績の向上がみられたりなどの効果もあるようです。
できる範囲で、受験に前向きになるための環境を子どもに与えていきましょう。
塾や習い事に通う
中学受験向けの講座は、3年生の2月から開講するものが一般的ですが、小学校低学年向けの塾もあります。
学習塾
小学校低学年のうちから塾に通うことで、勉強の習慣や基礎学力を強化することができます。
低学年向けの塾はいわゆる「先取学習」をしているところは少なく、学校の授業に準じた学習や、理科の実験など学習に興味を持てるカリキュラムとなっているからです。
送り迎えや経済的な負担を踏まえて、無理なく通える塾やカリキュラムの選択が大切です。
スポーツ・趣味などの習い事
スポーツや音楽、芸術、語学、プログラミングなどの習い事は偏差値向上には直結しませんが、「学ぶ楽しさ」「努力の大切さ」「上達のうれしさ」「生きがい」などを体感できます。
好きなことを見つけておくことで、本格的な受験勉強が始まった際に気分転換や息抜きに役立つでしょう。
体を使うタイプの習い事ならば体力がつきますし、指先を使う者ならば集中力を養う効果に期待が持てます。
ただし、子どもが楽しんで続けられることが重要です。子どもの興味や家庭の負担とを鑑みて選びましょう。
リビング学習の習慣
小学校に上がるまで、子どもはリビングのダイニングテーブルでお絵描きや工作をしていたはずです。
小学校に上がったとたんに「1人で学習机に向かって勉強してね」と言ってもなかなかできるものではありません。
「学習机で勉強したほうが落ち着くし捗る」と子どもが言い出すまでは、リビング学習がおすすめです。
親は子供の勉強の様子をみることができるので、褒めたり、躓きに気づいたりなどすぐに対処できます。
子どもは親の目があるので緊張と集中をもって勉強できます。学習習慣をつけるうえでも有効です。
とにかく褒める
リビング学習を成功させるコツはとにかく「褒める」ことです。
「上手に読めた」「答えが合っていた」「がんばった」など、些細なことでも褒めましょう。
子どものモチベーションのアップに繋がります。
「なんでそんなことも分からないの」と言ってしまいたい場面もあるかもしれませんが、分からないことは分からないので、答えを導き出せるまで付き合い、できたら「よく頑張ったね」と褒めましょう。
間違えた箇所も「×」を付けるのではなく、正しい答えを書かせてから「〇」を付けてあげてください。
「正しい勉強」を身に着けさせる
下敷き、定規、消しゴム、鉛筆などの文房具の扱い方や姿勢の矯正ができるのも、リビング学習のメリットです。
鉛筆の持ち方や姿勢が変だと、字が汚くなるだけでなく、腕や疲れやすくなったり肩が凝ったりして、長時間勉強していられなくなってしまいます。
本格的な受験対策が始まる前に変な癖を矯正しましょう。
音読の習慣を身に着ける
音読にはさまざまな効果があるといわれていますが、その中に読解力の向上があります。
特に、小学校低学年にその効果が表れるようです。
黙読は目だけで読もうとしますが、低学年の内は目で追った文章を頭の中で音声化する能力がまだ未熟です。
そこで、声を出して読むことで文章を音として認識し、内容の理解を助けます。どんな情景なのか、何を問われているのかなどを正確に理解しやすくなるのです。
子どもが「ここの問題が分からない」と言ってきたらまずは問題文を音読させましょう。
国語に限らず、算数や理解や社会でも、音読させると子どもが「前提条件」と「何が問われているのか」に気が付き、自分で「分かった!」となります。
分からない時だけでなく、日ごろから音読の習慣をつけましょう。
文章を声に出して読む習慣をつけると文章を正確に読み取りやすくなり、長文問題に苦手意識を持ちにくくなります。
学年が上がってくると、黙読でも理解できるようになります。
理解がしにくいと感じたら音読を試してみるという習慣をつけるとよいでしょう。
※参考:読解過程における音読と黙読の役割 : 音韻情報の処理に着目した実験的検討
各教科の学習準備
国語、算数、理科、社会など各教科の低学年のうちからできる学習について紹介します。
日常の生活の中で無理なく取り入れていきましょう。
国語
- 読書習慣をつける。
- 読み聞かせをする。
- 音読をする。
- 文章を書く。
- 慣用句や四文字熟語を日常に取り入れる。
- 漢字の書き取り、漢検。
国語学習の向上には、語彙力や読解力、表現力を磨くことが大切です。
読書の習慣をつけるために本屋や図書館に連れていきましょう。子どもが楽しく読める本を与えることがポイントです。
感想文や日記を書くことで文章をまとめる力がつきます。自由に書かせてあげましょう。細かいダメ出しはモチベーションを下げます。
慣用句や四文字熟語は、トイレのカレンダーなどを使うと無理なく身に着けることができるでしょう。
最近はタブレットを使った勉強がメジャーになりつつありますが、漢字は書き取りに勝る勉強方法はありません。親子で漢検にチャレンジするのもおすすめです。
算数
- 基礎の四則計算。
- 折り紙、パズル。
- 一緒にお買い物。
- お小遣い&お小遣い帳の管理をさせる。
基礎の四則計算をおろそかにしてしまうと、高学年になってもつまらない計算ミスで失点してしまいます。
繰り返しの学習が効果的です。飽きやすい部分もありますが、達成感も味わいやすい分野です。
買い物は数字に慣れ親しむチャンスに溢れています。「まとめて買うとお得」「1個当たりいくらかな?」「予算内に納めるためにはどんな組み合わせで買ったらいいかな?」「家族全員が5個ずつ食べるためにはいくつ必要?」などと考えるきっかけにしましょう。
暗算ができなくても式をすぐに頭の中で組み立てる習慣を付けられれば十分です。
折り紙やバズルに親しんでおくと図形や立体問題などでイメージしやすくなります。
理科
- 草木の現象や名前に親しむ。
- 博物館やプラネタリウム、動物園、水族館などに行く。
- 実験系の動画を見る。
- 料理を手伝う。
身の回りの草花の名前や季節ごとの変化などを話題に出し、自然への興味を持たせましょう。一緒に図鑑を見るのもおすすめです。
博物館や動物、水族館などで「本物」を見ることも好奇心を刺激します。
高学年になると天体の動きで躓いてしまう子どもが多いので、プラネタリウムなどを楽しみ、地学の下地を作っておくといいでしょう。
良質な実験系の動画もおすすめです。実際に真似したり改良したりして理科を楽しんでください。
料理も加熱する、冷やす、発酵させる、PHを変えるなど、理科の宝庫です。
社会
- 地図に親しむ。
- 漫画などで歴史を学ぶ。
- 一緒に買い物に行く。
よく目につくところに世界地図、日本地図を貼りましょう。
一緒に買い物に行き「この野菜は〇〇県(〇〇国)から来たんだね」などと話し、家で「どんな場所かな?」と確認していくと、各県の位置や名前、特産品などを自然と覚えたり興味を持ったりするようになります。
アプリなどでできる地図のパズルもおすすめです。家族でタイムトライアルに挑戦すると盛り上がりますよ。
漫画などで歴史を楽しみながら把握すると、本格的に歴史の勉強が始まった時に理解がしやすいようです。
小学校低学年は受験対策の大切な準備期間!
小学校低学年のうちは「たくさん勉強をする」ことよりも、勉強の習慣や勉強のやり方、学校の勉強の基礎を身に着けることを優先させましょう。
基本がしっかりしていると、本格的な中学受験のための学習が始まった時にスムーズに取り組めます。
親が勉強を見てあげたり、話しかけて上げたり、色々な場所に連れて行ってあげたりすることが理想ですが、共働きや兄弟が多くてなかなか時間を割けない場合は「楽しく、無理なく、自分に合った」方法を模索しましょう。
家庭だけで全て完璧にしようとせず、塾や習い事などの外部のサービスを頼るのも1つの方法です。
子どもの個性と家庭事情に合った、「中学受験に前向きになれる環境作り」を目指してください。
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