こんな方におすすめ
- つい感情的に叱ってしまって後悔することがある
- どう叱ったらいいのか、叱り方がわからない
子どもが間違ったことを考えたりしたりした時に、「きちんと叱って正しい方向に導くこと」は、子どもを心身ともに健やかに育てるために必要なことです。
しかい、近年では子どもの叱り方が分からずに悩んでいる保護者が増えています。
今回は、小学生の子どもの「上手な叱り方」と「下手な叱り方」を紹介します。
叱り方を間違うと、効果は半減どころか逆効果に
子どもを叱る時には、「成長を促すために叱る」という意識を持つことが大切です。
親にこの意識があると、子どもは「自分のことを思って叱ってくれたんだ」と自分の非を認め、行いを改めて成長していきます。
また、親子の信頼関係が保たれていることも大切。信頼関係がないと、叱っても効果がなかったり逆効果になったりすることもあります。
日頃はあまり関わらない父親が母親に頼まれて子どもを叱っても「私のこと、何も見てないくせに!」とかえって猛反発をくらってしまった、というケースはよくあります。
子どもを叱る時は、「子どものために叱っているんだ」という意識を明確に持ち、叱られた子どもが叱責を素直に受け入れることができるような、上手な叱り方を心がけましょう。
上手な叱り方
子どもを上手に叱るポイントは、感情的にならずに叱りたいことを明確にすること。
子どもの立場になって、自分が叱られて素直に反省できる叱り方かどうかを客観的に考えてみましょう。
なぜ叱られたのかを理解させる
子どもの叱り方で一番重要なのは、なぜ叱られたのかを理解させることです。
なぜ叱られたのかが理解できて納得すれば、子どもは反省し次からはしなくなります。
子どもの行動には理由があることがほとんどですが、子どもは自分の意見をうまく言えません。
「なぜそんなことをしたの?」と冷静に聞いて、間違っている理由を納得のいくよう説明しましょう。
理由が理解できなければ、子どもは同じことを繰り返します。
だらだらと叱らない
だらだらネチネチと叱ったりいつも叱ったりすると、子どもは叱られることに慣れてしまいます。
「これだけは絶対に叱らなければならない」という時だけしっかり叱りましょう。
30秒以内で短く叱ることを目標としてみてください。
ひとつのことだけ叱る
叱っているうちに「いつもあなたはこうだよね。そういえばこの間も・・・くどくど」と過去の出来事までさかのぼって叱るのはやめましょう。
叱る時間が長くなり、子どもも何を叱られているのかが曖昧になってしまったり、反発心を持ってしまったりします。
叩かない
叩いて叱ると子どもは叩かれることに恐怖を覚えて、なぜ叱られたのかを理解できなくなります。
体にあざが残ったりケガをさせてしまったりするほど叩くことは、教育ではなく虐待です。
また、叩かれて育った子どもは、自分が親になった時に子どもを叩いてしまうことが多いと言われています。
友達にも「叩けば分かってもらえる」と思ってしまうこともあります。
自尊心を傷つけない
人前で叱ったり、おねしょをした時に「何歳になったと思っているの?」「恥ずかしいわね!」などと叱ったりすると、自尊心を傷つけてしまいます。
自尊心が傷つくと自分を否定して自信を持てなくなってしまうので、子どものすべてを否定するような言い方は避けましょう。
人前で注意しなければならない場合は、周囲に聞こえないようにするか、人目のないところに移動してから注意しましょう。
男の子は女の子に比べてプライドが高い傾向にあるので、人前で叱られると自尊心が傷ついてしまいがちです。
叱りっぱなしにしない
叱った後、すぐに日常に戻れるようならそう心配はいりませんが、少しでもギクシャクしたり不快感が残っていたりするようなら、フォローが必要です。
「大事に思っているから叱ったんだよ」「大好きだよ」などのフォローをしましょう。
子どもの目を見て叱る
叱る時は、子どもの目線にたって目を見て低い声で叱りましょう。
スマホを見ながら「~してはダメよ」では、子どもの心に訴えるものは何もありません。
「確かに、しかし」の言い方を使う
子どもを叱る時には、「確かに、しかし」の言い方を使うと子どもが受け入れやすくなります。
叱り方には、「確かに」で褒めて「しかし」で叱る、または、「確かに」で叱り「しかし」で褒める、の2パターンがあります。例を挙げますので参考にしてみてください。
例
- 「確かにあなたはいい子だ。しかし、今回のことは良い行いをした、とは言えないよね?」
- 「確かに今回は良くないことをした。しかし、本当はあなたはもっといい子でしょう」
一回目で叱る
今までは見逃していたのに突然叱るのはNGです。
「今まで何も言わなかったのになぜ?」と反発心や不信感を与えてしまいます。
比較しない
「お姉ちゃんはこういうことをしなかったのに」など、兄弟や友達と比較するのは避けましょう。
子どもは「私はお姉ちゃんとは違う!私を見て!」と反発心を抱きます。また、比べられた相手を憎らしく思ってしまい仲が悪くなることもあります。
怒らずに叱る
怒ると叱るの大きな違いは、「言い聞かす」「導く」という要素が入っているかどうかです。
ただ、怒ることは怒鳴ることと同じことで、子どもは怯えたり反発心を抱いたりします。
下手な叱り方
では、やってはいけない下手な叱り方とは、具体的にどんなものでしょうか?
以下の叱り方は、子どもを傷つけたり、トラウマを与えたりするので絶対に避けましょう。
子どもの人格を否定する
「情けないね」「口ばっかり」「できもしないくせに」などの言葉は子どもの人格や能力を否定し、子どもの心を傷つけます。
子ども自身を叱るのではなく、行動を叱りましょう。
「私はこういうことは嫌いだ」「してはいけないことだと思う」など、「自分はどう思うか?」という言い方を心がけましょう。
子どもの存在を否定する
人格否定と共に絶対やってはいけない叱り方が、存在を否定する言い方をすること。
「おまえなんか嫌いだ」「生まなければよかった」「こんなことをする子はうちの子じゃない」などは、子どもの存在を根底から否定する言い方です。
子どもは深く傷つき、トラウマとなったり、絶望したりすることもあります。
罰で脅す
「言うことを聞かないのならおまえは旅行に連れていかないよ」「ゲームをやめないと捨ててしまうよ」など、「罰を与えるよ!」と脅す叱り方は、効果があるように感じられてつい言ってしまいがちです。
ですが、子どもは罰を受けたくないために言うことを聞いているので、本人のためになりません。
他人が怒っているから、という理由で叱る
図書館で子どもが騒いだ時に「ここは静かにするところなのよ」ではなく「あのおじさんが怒っているからやめなさい」「怒られちゃうよ」など、他人のせいにして叱ってはいけません。
子どもは「怒られなかったらやっていいの?」と思ってしまいます。
しまった!と思った時は謝る
いくら注意をしていても、親も人間なので「ついイライラして感情的に叱ってしまった」という経験を持つ人は多いのではないでしょうか?
問題はその後です。
しまった!と思った時には、「感情的になってごめんね」と子どもに謝りましょう。
イライラが収まらずにすぐに謝ることができない場合は、子どもからちょっと離れ、落ち着いてから謝りましょう。
親が「自分の非をきちんと認めて謝る姿」を見せると、子どもも見習って「自分の非を認めて謝ることができる」人間に育ちます。
子供の成長を促す正しいしかり方を
子どもを正しい方向に導くためには、時には叱ることも必要です。
一番良くないことは、子どもが何をしても叱らないこと。子どもに社会のルールやマナーを教えるのは、親の役目です。
叱り方を間違えると、子どもは反発したり不信感を抱いたりするだけなので、子どもの成長を促せるように上手に叱りましょう。
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