こんな方におすすめ
- 中学受験で私立中学と公立中高一貫校の違いを知りたい
- 私立中学と中高一貫校を目指すための受験対策を知りたい
中学受験が必要なのは、私立中学と公立中高一貫校、そして国立付属中学です。
「私立と公立はどう違うのか?」、それぞれの特徴と受験対策について紹介します。
受験事情だけでなく、その後の中学生活にも違いがあるので、子どもや家庭事情に合った選択をしましょう。
私立中学・公立中高一貫校・国立付属中学の違い
受験が必要な中学は、私立中学、公立中高一貫校、国立付属中学の3種類です。
それぞれどのような特徴があるのかについて解説します。
私立中学の特徴
- 教育方針や校風の個性が強い。
- 共学だけでなく、男子校・女子高もある。
- 先生の異動があまりない。
- 費用は公立に比べてかかる。
- 全国に800校弱。
- 倍率は様々。定員割れから倍率4倍まで。
- 進学実績が良い学校が多い。
- 附属大学がある場合も。
私立中学にはそれぞれに個性があります。例えば「進学率が高い」「海外との交流が盛ん」「宗教を取り入れている」などです。
中学から男子校・女子高が別れているのも、私立校ならではの特徴です。
ひと昔前は女子校ならば良妻賢母を育てる「お嬢様校」が人気でしたが、昨今では男女関係なく進学実績が高い学校が人気となっています。
私立中学の倍率もさまざまで、倍率4倍超えの狭き門の難関校がある一方で、定員割れによる二次募集、三次募集をかける中学もあります。
日本では、義務教育の間は教科書代などを含めて無料で支給されますが、私立中学を選択した場合は入学金や授業料が必要です。
その他、施設費、暖房費、遠方の中学に通うのならば交通費もかかります。
私立中学で必要な費用は3年間で平均300万円程と言われていますが、通学する学校によって大きな差が生じます。
私立中学は単体である意味「企業」なので先生の異動はあまりありません。落ち着いた環境で学生時代を過ごせるでしょう。
公立中高一貫校の特徴
- 中学と高校で一貫したカリキュラムが受けられる。
- 費用が安い。
- 先生の異動がある。
- 全国に600校弱。
- 狭き門。倍率5倍超えも。
- 進学実績が高い。
公立中間一貫校は、中学、高校を通した6年間一貫の教育が行われている学校です。物事をより総合的、且つ根本理解を目指すスタイルで、1998年の学校教育法改正に伴い制度化されました。
「公立」なので中学の間は入学金や授業料は必要ありません。
高校に上がっても授業料は他の公立高校の授業料と同じです。私立中学に比べると費用を安く済ませられます。
そのため、人気が高くて倍率5倍を超える場合もあり、狭き門です。
入学するためには一定水準以上の学力を求められ、授業は厳しめなので進学実績が良い傾向にあります。
国立附属中学の特徴
附属の大学に沿った校風、カリキュラム。
- 全国に約50校しかない。
- 狭き門(募集していないところもある)。
- 費用が安い。
- 先生の異動がある。
- 高校受験がある場合も。
- 共学だけでなく、男子校・女子高がある。
国立付属中学は小中一貫校も多く、中学生を募集していないところや、中学から入学しても付属高校を受験する必要がある場合もあります。
大学の最新のノウハウや研究から生まれた「新しい教育方法」で授業を受けたい人におすすめですが、いわゆる「エリート養成校」ではないことに注意が必要です。
偏差値が高く進学実績の高い名門中学もありますが、全てではありません。さまざまな教育方法を研究するために、選考は学力試験だけでなく「抽選」を取り入れているところもあるほどです。
高い倍率ですが、学力が高ければ入学できるとは限りません。
公立なので、中学の間は中校一貫校同様に授業料は不要です。内部進学のハードルは学校によってばらつきがあります。
私立中学と公立中校一貫校の共通点
- 入学時点の学力の足並みが揃っている。
- 中学・高校の6年間あまり顔触れが変わらない。
- 一般の公立中学にはない独自の教育方針やカリキュラム。
- 高校受験がない。基本的に内部進学。
私立中学も公立中高一貫校も、「受験」によって入学時の学力が揃っているため、学力に応じた授業を受けられます。
高校受験を考える必要がないため、6年間を通して伸び伸びと過ごせるでしょう。
進学実績が高い学校であれば大学受験を考えたカリキュラムが組まれているため、学力が落ちる心配もありません。
良くも悪くも顔ぶれが6年間ほとんど変わらず、学校ごとに個性があります。深い人間関係が結びやすく、校風が合えば素晴らしい学生時代を過ごすことができるでしょう。
一方で「合わなかった」「馴染めなかった」「友達とトラブルを起こしてしまった」「授業についていけない」などという時は問題が生じます。
受験は、これからの「3年間」ではなく「6年間」、さらにはその先の進路を決めることと同じです。学校選びは慎重に行いましょう。
私立中学と公立中高一貫校の受験対策の違い
私立中学や公立中高一貫校に入学するための受験対策には、若干の違いがあります。しかし、一定水準以上の学力が求められる点は同じです。
私立中学は応用力が求められる傾向
基本は小学校の学習範囲内からの出題ですが、実際は小学校の学習範囲を超えて出題されるケースが少なくありません。そのため、小学校の授業を完璧にこなしているだけでは合格は難しいでしょう。
中学受験のための塾や通信講座での勉強が必要です。
知識だけではなく、知識を応用し、考える力が問われます。
学校ごとの傾向や特徴を把握し、志望校に応じた受験対策が重要です。
公立中高一貫校は考える力が求められる傾向
公立中高一貫校の受験は、入学試験ではなく「適性検査」と呼びます。範囲は小学校の学習範囲に限られていますが、私立中学よりも簡単という意味ではありません。
公立中高一貫校は「考える力」を強く求められるのが特徴です。
提供されたグラフやデータ、そして自分の知識を組み合わせた論理的な記述、自分の考えを述べる作文など、「正解が1つではない問題」が多く出題される傾向です。
普段の勉強に加えて、読書感想文、作文などで「考える力」を養いましょう。
国立大付属中学は学校方針をチェック
国立大付属中学は、附属大学のコンセプトに応じた受験体制となります。
公立中高一貫校同様、考える力や論理的思考などが重視されやすい傾向ですが、学校ごとに方針が違うので受験校ごとの対策が必要です。
私立高校と公立中高一貫校、選ぶポイントは?
「校風や通いやすさ」「差値」「部活や行事などの魅力」「子どもの希望」「進学実績」などは、私立・公立関係なく重要なポイントです。
「やっぱり合わなかった」などとならないようにしっかり調査して選びましょう。
そして、合格・入学した後に、私立と公立でハッキリと大きな差がつくのはズバリ「費用」です。
受験させたい、学力が高い中学へ通って欲しい、でも家計に不安がある。こういった事情がある場合は、公立中高一貫校がおすすめです。
一方、私立中学には公立にはない「強い個性」を持つ学校があります。
男子校・女子高に通学したい、特定の宗教や行事などにこだわりたいのであれば私立中学を検討しましょう。
私立高校と公立中高一貫校の違いを理解して中学受験に挑もう
私立中学と公立中高一貫校、どちらも入学をするための受験が必要です。
どちらも校風に個性があるので、特徴を理解し、相性のいい学校を選びましょう。
公立中高一貫校は私立中学に比べて費用が安く済むので人気が高く、倍率が5倍超えする場合もある狭き門です。
受験問題は、一般的には私立中が「応用力」を問われ、公立中高一貫校は「考える力、論理的思考」を問われる傾向にありますが、どちらも並行して伸ばしていけるので併願して受験する家庭もあります。
各中学の違いと特徴を知り、豊かな学生生活を送ることができる中学を選びましょう。
次に読むおすすめ記事