こんな方におすすめ
- 子どもの中学受験へのやる気を上げたい
- 中学受験に前向きに取り組めるようになる声かけや環境が知りたい
中学受験の成否は、子どものモチベーションの維持や、やる気の持続に大きく影響されます。
年端のいかない子どもが、受験合格という長い道のりに意欲を持ち続けて取り組むことは、簡単ではありません。
この記事では、子どもが前向きに中学受験へ取り組み続けられるようになるための、「声かけ」の仕方や、「環境整備」について解説します。
それでは、どうぞ。
中学受験のやる気をあげる「飴と鞭」「勉強の面白さ」
中学受験のモチベーションの維持や、やる気を持続させるには、「飴と鞭」や「勉強の面白さ」を実感させるなどの方法があります。
「飴と鞭」だけでは、やがて効果が薄れていくので、子ども自身が「勉強の面白さ」を実感できるように、親が働きかけることが重要です。
飴と鞭
褒めたり叱ったり、ご褒美やペナルティを与えて子どもに勉強をする「理由」を作ります。
「勉強して褒められたい」「ご褒美が欲しい」「勉強をサボって叱られたり、ペナルティを受けたりするのは嫌だ」と考え、子どもは勉強に取り組み、そして最終的な目標「中学受験合格」を目指すのです。
しかし、周囲から与える刺激だけでは、一時的にしかやる気はおきません。
子どもに「勉強の面白さ」を実感させたり、「自分はできる」という自己肯定感に繋がるような誉め言葉を心がけましょう。
勉強の面白さ
子ども本人が「勉強の面白さ」「できたときの達成感」「努力が実を結んだ時の喜び」を感じ、勉強へのエネルギーにします。
このやる気が身に着けば、中学受験合格にとどまらず、一生の財産となるでしょう。
そして勉強の面白さに目覚めさせるのに必要なのが、自己肯定感です。
自己肯定感を、親の声掛けで育てていきましょう。
中学受験のやる気を持続させる声掛け
子ども本人が勉強を面白いと感じ、自主的に勉強し続け、やる気を持続させるためには、自己肯定感を育てるような声掛けや誉め言葉が大切です。
モチベーションの維持につながる誉め言葉
褒め方には様々なバリエーションがありますが、以下の3ポイントを意識すると子どもにとって「嬉しい褒め方」「やる気の持続する褒め方」になりやすいです。
ポイント1. 子どもの報告をオウム返しする
子どもが「満点取れたよ」「課題終わったよ」「塾の先生に褒められたよ」と報告してきたらまずはそれをオウム返ししましょう。
「満点とれたのね」「課題終わったのね」「褒められたのね」とオウム返しするだけで、子どもは「話しを聞いてもらえた」と感じます。
中学受験に直接かかわらない「部屋の掃除をした」「虫を捕まえた」などでも、子どもは親に認めて欲しくて報告しているのですから、「だから何?」「やって当たり前」などと思わずにオウム返しすることが重要です。
ポイント2. オウム返しの後に褒める、ねぎらう
子どもの報告にオウム返しをした後に「すごいのね」「がんばったのね」「えらいのね」などと誉め言葉をプラスしましょう。
ただ「よかったね」ではなく、「満点取れて、良かったね」の方が、子どもは「丁寧な対応をしてもらえた」と感じます。
凝った誉め言葉を毎回使う必要はありません。簡単な言葉でいいので、褒める箇所を探して頻繁に褒めましょう。
ポイント3. 親の気持ちを添える
誉め言葉の最後に「嬉しいな」などと親の気持ちをプラスすると、子どもは「親を喜ばすことができた」「親に認められた」という承認欲求が大きく満たされます。
「満点取れてよかったね。ママ、嬉しいな」「部屋の掃除をしてえらいね。パパは苦手だから尊敬しちゃうよ」などと「私」を主語にした褒め方をすると、子どもは「自分は特別な存在で、認められている」と自信を持ちやすいです。
やる気を持続する見守り方
子どもからやる気を感じないと、ついつい「勉強しなさい」と子どもを追い立ててしまいます。
「早く勉強しなさい」のセリフでやる気が湧く小学生などいない、と分かっていても言いたくなるものです。
そんな時は「勉強をいつ始めるかは任せるね」と声掛けしましょう。
子どもは「信頼されている」と感じれば、自身のプライドのためにも裏切るわけにはいきません。
「何時から勉強始める予定?」と聞いて、子どもに「〇時から」と答えさせるのもおすすめです。
この時「あなたに任せるね」と言っておきながら「今すぐ始めないと不機嫌になる」という態度ならないように気を付けてください。子どもを委縮させてしまうだけです。
子どもが「自分で決めたタイミングで勉強をした」という実績がやがて自信に繋がります。
失敗したときに追い打ちをかけない
成績が低下したり、日常生活でミスをした時に「だから言ったでしょ!」「なんでそんなに抜けているの!」などという言葉はお腹の中にしまってください。
追い打ちをかける言葉は、子どもの自己評価を下げ「自分はダメな子だから勉強ができなくて当たり前」とやる気を失ってしまいます。
さらには叱られたり失敗したりするのを恐れ、挑戦する意欲を失ってしまいかねません。
あるいは自分のプライドを守るために、失敗やミスを認めずに意固地になる場合もあります。
子どもは、大人からすれば信じられないような失敗や浅はかな言動をしますが、それが子どもというものです。
「そのうちできるよ」「これくらい大丈夫」などと声掛けをして、追い詰めたり自信を失わせたりしないようにしましょう。
子どもに暗示をかける
「あなたは頑張り屋さんね」「計算が正確だね」「文章問題のセンスがあるね」などと子どもに暗示をかけましょう。根拠は重要ではありません。
親の言葉は良くも悪くも多大な影響を与えます。
「頑張り屋さんね」と言われれば「自分は頑張り屋だから頑張れるはずだ」と子どもは思い込むのです。
思い込みはやがて事実になります。
逆に「あなたは集中力がないわね」「漢字が苦手ね」などと言うと、本当に集中力が散漫になったり、漢字に苦手意識を持つようになったりするので、注意してください。
子どもの話を聞く・質問をする
子どもはしゃべるのが大好きです。親が聞き上手になって子どものやる気やモチベーションを高めましょう。
「今日は何の勉強をしたの?」と聞いてあげてください。
勉強した内容を説明させることで、記憶が定着したり理解が深まったりします。
親が「ふんふん、そんなことも知っているんだ、スゴイね」と感心して聞けば、子どもは優越感や承認欲求が刺激され、「もっともっと教えてあげたい、そのためには勉強しなければ」と意欲が湧いてくるでしょう。
親が作れる中学受験へのやる気が上がる環境
子どもがすすんで受験勉強をしたくなるような環境を整えてあげましょう。
気が散らない勉強スペースの確保
テレビなどの気が散るものを消して、ノートを広げて勉強できるスペースと時間を確保してあげましょう。
部屋が散らかっていたり、うるさかったりすると気が散ってしまいます。
机や椅子の高さが合わないと姿勢が崩れやすくなり、集中できません。
ライトの明るさや色、時計の秒針の音などが気になる子もいます。
親も一緒に勉強する
親がスマホをいじりながら「勉強しなさい」と言っても子どもは白けます。
親も一緒に勉強する姿勢を見せましょう。
子どもが勉強する分野に興味を持って「どうしてそう考えたの?」「ここはこの文章を読むとヒントになるんじゃない?」などフォローしてあげると、子どもは諦めずに課題に取り組めます。
特に受験勉強を始めたばかりのころは、横で勉強を見てあげ、適宜褒めましょう。
親は親で資格試験などに取り組む姿を見せるのもおすすめです。
親が勉強をする姿勢を見せることで、「勉強は必要なことだ」「勉強はするものだ」という価値観を与えられます。
中学受験のやる気を持続させるのは、親の働きかけが重要!
中学受験を成功させるためには、親が子どものモチベーションや「やる気の持続」を促してあげることが大切です。
子どもが自分から「勉強をしたい」「勉強が面白い」と思えるような、声掛けや環境作りをしていきましょう。
子どもを認めるような誉め方は自己肯定感や学習意欲を促します。
集中できる勉強環境を整えたり、親も勉強に取り組む姿勢を見せたりすることも大切です。