こんな方におすすめ
- 中高一貫校対策の「銀本」とは何か教えてほしい
- 銀本の効果的な使い方を教えてほしい
公立中高一貫校の受験を考えている方は、「銀本」という言葉を聞いたことがありますか?
銀本は、学校ごとの最新の入試問題を掲載している問題集で、一部の学校は実際の配点も記載されているため、より現実的な点数を把握することができます。
ただし、そのボリュームの多さから、適切に銀本を活用しきれていない人もいます。
そこで今回は、銀本とは何かという基本情報からその意義や活用方法を解説します。
公立の中高一貫校を目指している方は、ぜひ参考にしてください。
参考
公立と私立の中高一貫校の違いについては、こちらの記事で解説しています。 続きを見る
私立と公立の中高一貫校の違いとは?特徴や選ぶポイントを解説!
公立中高一貫校の適性検査については、こちらの記事で解説しています。
【中学受験】公立の中高一貫校の適性検査とは?8つの具体的な対策方法も解説!
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公立中高一貫校対策の「銀本」とは
銀本とは、毎年7月頃にみくに出版より発売される「公立中高一貫校適性検査問題集」のことで、表紙が銀色なので銀本と呼ばれています。
公立の中高一貫校の適性検査の問題集で、全国の公立中高一貫校の最新の過去問が1年分掲載されています。
大学受験で用いる「赤本」のように学校別に何年もの過去問が掲載されているわけではありません。
ポイント
銀本では、一部の作文・放送問題・グループ活動を除き、すべての問題を掲載しています。
また、実際の試験時間も記載されているので、時間配分を考えるうえで効果的です。
銀本の種類
実はみくに出版から発売されている「銀本」には様々な種類があり、公立中高一貫校対策以外の問題集もあります。
2021年に発売された銀本(2022年度用)は、以下の6種類です。
- 全国版
- 国語編(男子・共学)
- 国語編(女子・共学)
- 算数編
- 社会編
- 理科編
公立中高一貫校を受験する場合は、「全国版」を購入すれば大丈夫です。
銀本の料金
公立中高一貫校対策用の「全国版」は、3,080円(税込)です。
書店やみくに出版「公立中高一貫校対策」のページからも購入することができます。
銀本はページ数も多いですがその分価格も高めです。
他の参考書や問題集のように隅から隅までやり込まないので、「高い」と感じる方も多くいます。
銀本はほとんど新品や書き込みが全くないものがメリカリやヤフオクで安く売られており、タイミングが良ければ1,000円以下で購入できます。
新品にこだわらないのであれば、検討してください。
銀本を使う意義
適性検査の問題は独特で、思考力や表現力を根本から問う問題が多いので対策しづらいのですが、良い市販の問題集は少ないため、銀本の利用が勧められています。
大手の進学塾の日能研では毎年銀本が配布されており、SAPIX(サピックス)では銀本の中から指定された学校の問題を自宅で学習するように毎年指示が出されています。
出題傾向を把握できる
銀本は全国の公立中高一貫校の問題が掲載されているので、ざっとチェックすると近年の公立中高一貫校の出題傾向を把握できます。
また、同じ時事問題でも取り上げ方が異なっていることもあるので、様々な切り口から問題に取り組むこともできます。
類似問題を解くことができる
適性検査対策として過去問を解くことが重要ですが、設立から年数が余り経っていない都立中高一貫校の場合は、過去問のストック自体が少ないので量が不足してしまいます。
また、過去問を解いてみて完全に理解しているかを確認するためには類似の問題を解くのが一番ですが、見つけるのが困難なことがほとんどです。
その場合に、銀本で似たような問題を見つけて解くことができます。
多様な問題形式に慣れることができる
適性検査の試験は、普通の私立中学校の試験で行われるような知識を問う問題はほとんどありません。
親も子どもも出題形式に慣れていないので、はじめは戸惑ったり、敷居が高く感じたりします。
銀本は全国の公立中高一貫校の問題が掲載されているので、偏差値が低めのものから高いものまで様々です。
取り組みやすい問題や偏差値がそれほど高くない学校の問題から取り組むことで、徐々に適性検査の傾向をつかめ、抵抗感なく取り組むことができるようになります。
銀本の使い方
銀本の使い方には、大きく分けて2通りあります。
小学6年生以降の志望校対策としての使い方と国語力を鍛えるための使い方の2通りです。
それぞれについて使い方を解説します。
志望校対策として
志望校の適性検査対策として利用する場合は、小学6年生から本格的に銀本に取り組むことをおすすめします。
あまり早くやりすぎても、適性検査は特殊ゆえに全く解けない可能性もあります。
その場合、モチベーションが下がってしまう可能性もあるので、適切な時期に行うようにしましょう。
銀本を読む
まずは親が銀本をしっかりと読むことから始めましょう。
銀本は、細かい解説や配点が基本的にないので、どの問題を選ぶのか悩ましいところがあります。
そこで、まずは志望校の偏差値よりも5~10程度低い学校の問題を選んでください。
または、志望校と同じ都道府県の別の学校の問題を選びましょう。
もし志望校の傾向がわかっている場合は、傾向が違う問題や「この問題は間違いなく解ける」と思われる問題はパスしてください。
選んだ問題には付箋をつけておくと後でわかりやすいです。
どの問題を選ぶのかが難しい場合は、塾や家庭教師についていたら相談するのも1つの方法です。
解答用紙を用意する
銀本には回答欄はないので、解答用紙を用意します。
ノートに書くと文字数がわかりにくい上に、子どもも書き込みにくく、モチベーションが低下してしまうことがあります。
エクセルやワードを使って作ることもできますが、学校のHPなどに記載されている解答用紙をダウンロードして使うと簡単です。
もう1つの方法としては、7mmの方眼ノートを使う方法もあります。
国語の問題には、文字数制限があるものがほとんどです。
7mmの方眼ノートはマスが22個あるので、左の2マスには問題番号を記入します。
そうすると、残りは20マスなので、文字数を簡単に数えることができます。
問題が縦書きの場合はノートを90度回転させると使うことができるため、便利です。
参考
勉強におすすめのノートやアイテムについてはこちらの記事で解説しています。
【中学受験】勉強がはかどるおすすめノートやアイテムの選び方とは
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解く時は時間制限を設ける
何度か銀本の問題を解くと、適性検査の試験の要領がわかるようになります。
問題を解く時は、試験と同じように制限時間を設けて解きましょう。
できそうな問題とできなさそうな問題や、はじめにやる問題と後からやる問題を瞬時に判断できるようになるためです。
簡単な問題を解いて自信がついたら、徐々に偏差値を上げて志望校に近い学校の問題にシフトしましょう。
国語力を鍛える教材として
国語の教材として利用する場合は、小学校5年生くらいから取りかかると良いでしょう。
問題は同様に、偏差値の低い学校から順番に選びます。
なぜなら問題の難易度が比較的低い傾向にあるからです。
毎日銀本のトレーニングを続けていくと、国語を始め全教科で必要となる読解力(文章を理解する力)を養うことができます。
それ以外にも、適性検査特有の思考力が身につくことも期待できます。
使いこなせない場合はこちらがおすすめ
「銀本を購入してみたけれど、どの問題を選べばいいかわからない」「選ぶ時間が取れない」と言う場合は、銀本ではなく「公立中高一貫校をめざす適性検査対策問題集」がおすすめです。
この問題集は、「教科書編」で良く出る問題を教科別に収録してあり、「テーマ編」では適性検査に出る典型的なテーマを取り上げているので、問題を選ぶ必要がありません。
解き方や考え方を順々にわかりやすく解説もしてあるので、銀本に自信がない保護者でも扱うことできます。
ただし、銀本のようには問題数が多くないのがデメリットです。
まとめ
銀本は、公立中高一貫校の過去1年間の適性検査の問題が掲載されている問題集です。
適性検査は独自の問題が多く、傾向と対策を練らないと解くことができないことがほとんどですが、銀本を使うと傾向がわかるため対策を練ることができます。
この記事を参考に、ぜひ銀本を活用して適性検査対策としてください。