こんな方におすすめ
- 子どもの身体が固いのが心配
- 柔軟性と子どもの健康に関わりがあるのか知りたい
- 柔軟性を高める体操やストレッチの方法を知りたい
近年では、転倒時や運動中にケガをする子どもが増えています。
その大きな原因の1つに柔軟性の低下が考えられます。
それ以外にも身体が固いことで生じるデメリットは様々あります。
この記事では、柔軟性が子どもにとって重要な理由と、柔軟性を高める体操やストレッチの方法18個を紹介します。
子どもの遊びの価値についてはこちらの記事で解説しています。
子どもの遊びの価値とは?発育に欠かせない遊びの目的を解説
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子どもに柔軟性が重要な理由とは
「身体が固くても背中を掻く時に困るくらいじゃない?」と思っている保護者の方もいらっしゃるかもしれませんが、子どもの身体が固いと様々な悪影響を与えます。
そのため、柔軟性のある身体を作ることが重要です。
柔軟性がないと、以下のような悪影響が身体に現れます。
ケガをしやすくなる
冒頭でも触れましたが、身体が固いとケガをしやすくなります。
例えば相撲の力士が、股割りや腰割りなどで柔軟性を高めているのはケガをしないようにするためです。
身体が固いととっさの時に身体が思うように動かず、ケガをしてしまうことがあります。
転んだ時にとっさに手が出ずに顔から着いたり、受け身を取って体重を受けとめることができずに手首を骨折したりしてしまいます。
運動嫌いになる
思うように身体が動かないので運動が苦手になり、苦手で運動しなくなるのでますます柔軟性が失われるという負の連鎖を引き起こしてしまいます。
運動嫌いになることで、体力がつかなかったり自己肯定感の低下につながったりする可能性があります。
また、運動嫌いにならないとしてもケガをしてしまってできなくなる場合もあります。
血行や代謝が悪くなり太りやすくなる
柔軟性を高めるためにストレッチなどで身体を動かすと血行が良くなります。
柔軟性が低いために血行が悪くなると、栄養が身体の隅々に行き渡りにくくなったり、老廃物が溜まったりするため、疲れやすくなってしまいます。
また、酸素が身体に行き渡らないので脂肪が燃焼しにくくなり、太りやすい身体になります。
柔軟性を高めるためにはどうすればいいの?
柔軟性は、関節を鍛えたり筋肉を柔らかくしたりすると高くなります。
特に小学生の頃に「脊椎や股関節周りの可動域」をしっかりと広げると、高い効果を得ることができます。
脊椎は7つの頚椎、12の胸椎、5つの腰椎、仙骨(仙椎)、尾骨で構成されている、身体を支える重要なものです。
ただし、柔軟性を高める体操やストレッチをする時に、筋トレを行わないように注意してください。
筋肉はほぐすと柔軟性が高まるので、ストレッチなどで筋肉を柔らかくすることはいいですが、筋トレは避けた方が良いと言われています。
骨が伸びて身長が伸びる成長期に激しい筋トレをすると、軟骨を痛めてしまうからです。
子どもの柔軟性を高める方法~親子編~
それでは、実際に柔軟性を高める方法を紹介します。
柔軟性を高める体操は、毎日コツコツと続けることで効果が発揮されます。
ここでは、小学生が楽しく続けられるように、親子でするストレッチを紹介します。
大人にも効果があるので、親子で楽しみながら続けてください。
じゃんけんおひらき
じゃんけんをして負けた方が足を開いていくという、股関節の柔軟に効果的な方法です。
- 親子で向かい合って立ちます。
- じゃんけんをして負けた方が足を開いていきます。
- どんどん広げていって床に手をついたり倒れたりした方が負けです。
座ってシーソー
手足の筋肉や太ももの内側、股関節を伸ばします。
- 向かい合って足を伸ばし、足の裏をくっつけます。
(親子で身長差が大きい場合は親が膝を曲げてあげてもいいでしょう。) - 手を握って交代にひっぱりあいます。
開脚ストレッチ
股関節を伸ばします。
- 「座ってシーソー」の体勢を足を広げて行います。
(親子で身長差が大きい場合は親の膝あたりに子どもの足裏をつけるのでも構いません。) - 1回30秒キープで交代にゆっくり引っ張り合いを行います。膝を曲げて床と隙間を作らないようにするのがコツ。
上体伸ばしストレッチ
肩こり解消にも効果があるストレッチです。
肩甲骨周りの柔軟に効果的です。
- 背中合わせに座って足を伸ばします。
- 両手をあげて頭の上で手を繋ぎます。
- 交互に息を吐きながらゆっくり引っ張り合いましょう。無理に身体を反らさないように注意してください。
動物ごっこ
全身をまんべんなく使って、お題の動物を表現します。
【例】クモ
- 仰向けになりお尻を床につけずに動きます。
- 肩から腕を大きく使い、股関節を引き寄せて足全体を使いましょう。
リンボーダンス
普段使わない筋肉を使います。3人以上で行ってください。
- 2人が向かい合い、タオルやひもなどを持ってバーを作ります。
- 残りの1人がひもの下を上体を反らしながらくぐります。
- だんだん高さを低くしていきましょう。
ふくらはぎのストレッチ
ふくらはぎを伸ばします。
- 向かい合って立ち、足を前後に開きます。
- 手のひらを合わせて交互に押し合いましょう。つま先が正面を向いて、足の裏が地面についているかどうかをチェックしてください。
- 足を変えてもう一度押し合います。
胸と腕のストレッチ
胸や腕を伸ばします。
- 向かい合って立ち、お互いの右手を合わせます。
- 手のひらで軽く押しながら身体を外側に開いて胸を伸ばします。
- 手を合わせたままでお互いのお尻にタッチします。
- 手を変えて同じようにもう一度行います。
くるくるまわり
- 向かい合って親は座り、子どもは立って両手を繋ぎます。
- 「なべなべそこぬけ」の歌に合わせてくるりと回りましょう。
- 「なべなべそこぬけ、そこがぬけたら」で両手を横に揺らします。
- 「かえりましょ」で半回転して背中合わせになります。
- もう一度歌に合わせて、半回転して元に戻ります。
ボール渡し
- 向かい合って少し距離を取って足を伸ばして座ります。
- 子どもはボールを膝を曲げずに身体の周りを1周させます。
- 終わったらボールを親に渡し、親も同じように1周させます。
足でタッチ
- 背中を向けて少し距離を取って座ります。
- 足を伸ばし、そのまま足を持ち上げます。
- 両腕を開きながらゆっくりと後ろに倒れて、お互いの足の裏をくっつけます。
縄まわし
- 長めの縄を用意し、端を結んで丸を作ります。
- 向かい合って立ち、縄を通して両手を繋ぎます。
- 手を離さないようにして縄をくぐりましょう。
子どもの柔軟性を高める方法~遊び編~
親子でストレッチをする以外にも、日々の遊びの中でも柔軟性を鍛えることができます。
子どもの遊びの価値についてはこちらの記事で解説しています。
子どもの遊びの価値とは?発育に欠かせない遊びの目的を解説
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うんてい
ほとんどの小学校の校庭にあるうんていは、腕を頭の上に伸ばすため、肩甲骨と広背筋に刺激を与え、脊柱の可動域を広げます。
鬼ごっこ
可動域を広げるわけではありませんが、全身を動かして俊敏性を高めます。
かかと歩き
股関節を大きく広げます。
- 足をガニ股で開く。
- 膝の内側からかかとをつかむ。
- 歩きます。
ブリッジ
胸椎を開いて柔軟性を高めます。
- 立った状態で背中から後ろに倒れます。
- 手をついてブリッジの状態を保ちます。
木登り
両手を伸ばし足を木に引きつけて登るので、いろいろな場所の関節を伸ばし、筋肉を使います。木がない場合は登り棒を登りましょう。
逆立ち
肩を開き、肩甲骨に刺激を与え、全身運動にもなります。
人に支えてもらうか、壁に向かって逆立ちします。
できるようなら、支えなしで逆立ちできるようチャレンジしましょう。
ストレッチをする場合の注意点
ストレッチをする場合は、次の3点に注意して行うと効果的です。
1ヶ月以上続ける
ストレッチは、毎日続けることで効果を発揮します。
最低でも1ヶ月以上、できれば3ヶ月は続けてください。
お風呂上がりが効果倍増
人の身体は温かい方が筋肉がほぐれてよく伸びます。
そのため、お風呂上がりにストレッチをすることで、より高い効果が期待できます。
勢いをつけない
勢いをつけて伸ばすと、筋肉や関節を痛める原因となります。
ストレッチをする時は、1分以上ゆっくりと時間をかけて伸ばしてください。
ゆっくりと息を吐きながら行える程度にするとよいでしょう。
また、1分伸ばしたら1分休憩、再び伸ばす、を3セット繰り返すと効果が高くなります。
まとめ
子どもは身体が柔らかいものと思われていますが、近年では身体の固い子どもが増えています。
身体が固いと関節や筋肉が固くなり、思うように動かすことができず、ケガや運動嫌いの原因となります。
また、血行が悪くなって疲れやすくなるなどの身体の不調の原因にもなるので、早い時期に解消することをおすすめします。
この記事で紹介したストレッチを親子で楽しみながら続けると、子どもの柔軟性は増し、親も肩こりの解消など良い効果が期待できます。