こんな方におすすめ
- 模試を受けるメリットってあるの?
- そもそも模試はいつから受けられるのかを知っておきたい
- 模試を受ける際に、気を付けることはある?
本記事では、中学受験を控えている小学生向けの模試について、解説していきます。
中学受験の本番とは異なる模試ですが、上手く活用することで子どものやる気アップや受験本番での実力発揮効果にも繋がります。
模試についてあらためて理解し、受験本番に備えるためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね!
模試を受けるメリット
模試を受けることで、様々なメリットが得られます。
ここでは、主に以下の3つのメリットについてご紹介します。
- 子どもの学力を客観視できる
- 自分の立ち位置が分かる
- 本番の予行演習ができる
それでは、順番に確認していきましょう。
子どもの学力を客観視できる
模試を受けることで、今の子どもの学力を客観視できるのが一番のメリットと言えます。
点数や偏差値などによって子どもの学力を数値化できるため、子どもの具体的な得意・不得意を見つけやすい点も、模試の良さでしょう。
苦手教科や得意教科は塾や学校でもある程度知ることができますが、志望校合格率も把握できたり、単元別の正答率もチェックできる模試は、どの単元がどのくらい苦手かを詳しく理解するのに役立ちます。
また、志望校の人気度やライバルを意識することで、併願の検討も視野に入れられます。
模試では子どもの理解度をしっかりと分析できるため、今後の学習や対策にも繋げられます。
弱点を理解し克服するためにも、模試を積極的に受けると良いでしょう。
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自分の立ち位置が分かる
模試の結果をもとに、受験生全体の中での自分の立ち位置を確認することができ、その後の受験勉強にも大きく関わってきます。
模試の結果では、志望校への合格率を「A判定」「B判定 」などと表し、志望校への具体的な距離感を掴むことができます。
よって、模試の結果をもとに、その差を埋めるための学習内容への切り替えや、これまでの学習方法の見直しができるのです。
結果次第では、必要に応じて志望校の変更やレベルの上げ下げをするなど、柔軟な対応をしていく必要もでてくるでしょう。
中には、教科単位の偏差値に加えて、出題問題の分野別のでき具合を分析した結果を返却資料に同封してくれる模試もあるので、今後の学習に活かしていくと良いでしょう。
本番の予行演習ができる
入試本番前に、本番さながらの雰囲気や緊張感を味わうことができるので、模試は本番の予行練習と考えることができます。
場数を踏むことで本番同様の雰囲気に慣れ、以下のような体験を積めるのも模試の特徴です。
- 試験独特の雰囲気
- 制限時間内に問題を解くペース配分の掴み方
- 出題問題が分からない試験への対策
受験本番に近い環境で受けられる模試では、まずは緊張感に慣れることが一番です。
受験会場や受験するライバルの存在に関係なく試験に集中できることがベストですが、やはり独特の緊張感やプレッシャーの中での試験は、どうしても不安になってしまうものです。
そのため、できるだけ複数の模試を受け、試験独特の雰囲気に慣れておくことが重要でしょう。
制限時間内に問題を解く模試では、時間を意識して回答を進めていく必要があります。
「どの問題を優先して解くのか」「時間配分はどうするか」「終了時間何分前から見直し作業を始めるか」「どのくらいの時間を使って問題の何割まで解くか」など、ペース配分のコツも場数を踏むことで掴めるようになります。
模試で全力を出し切るのはなかなか難しく、子ども自身が毎回の模試で試行錯誤しながら学び経験していくことで、本番でも全力を出せるようになります。
試験会場が初めて行く場所であれば、「トイレの場所が分からず、戸惑ってしまった」「試験会場に時計がなくて、困った」など、急なハプニングや困りごともあるかもしれません。
模試でそのような事態に陥ってしまっても、受験本番では同じことにならないよう気をつけようと意識できたり、実際にそのようなことが起こっても落ち着いて判断し、対処できるかもしれません。
中学受験の模試はいつから受けるべき?
中学受験向けの模試は、6年生の前期から受けると良いでしょう。
中には、受験本番が近づく後半では月に1回という考えもありますが、詳しい頻度は塾の先生や各家庭の状況に合わせて決めると良いでしょう。
模試は、4年生からが対象であることが一般的で、中には3年生から受けられるものもあります。
参考となる合否判定が出るのは5年生からですが、より確実に判定結果を知りたいのであれば、6年生になってからの模試がおすすめです。
本番までに、出来れば3~4回ほど模試を受けられると、会場の雰囲気にも慣れて本番にも備えられるでしょう。
一方で、6年生になる前であっても、模試を受ける機会を意識的に取り入れることは良いことでもあります。
早いうちから模試に参加することで子どもなりに受験を意識したり、独特の雰囲気に早く慣れることができるというメリットもあるでしょう。
中学受験の模試の選び方
「模試」と一言で言っても、模試には様々な種類があり、受験生は志望校に合わせた選択をする必要があります。
具体的に、どのような模試を選べば良いかは以下を参考にしてみてください。
- 四大模試は必ず受けておく
- 子どもの学力や志望校に合うものを選ぶ
- ある程度同じ会社が行っているものを継続的に選ぶ
- 公立中高一貫校を受ける際は公立校対策の模試を受ける
- 学校別模試を受けて問題の傾向を知る
これらの模試は、比較的受験生の数が多くデータの精度も高いため、模試の結果はとても参考になります。
ぜひ、積極的に受けていきましょう。
四大模試は必須
私立中学を受験するのであれば、「四大模試」を受けておくのがおすすめ。
四大模試とは、四谷大塚の合不合判定テスト、サピックスのサピックスオープン、日能研の全国公開模試、首都圏模試センターの統一合判の4つの模試をまとめて呼んでいるものです。
それぞれの特徴は、以下の表にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
模試の名称 | 特徴・強み |
四谷大塚の 合不合判定テスト | ・年に6回実施されており、毎回多くの受験生が受ける(12000人程度)ため、試験結果の精度が高い ・問題の難易度は標準 ・80校以上の中学校が試験会場になっており、テスト慣れ・場慣れにも最適 ・男女別に結果が出される ・国語の記述問題が比較的多い傾向 ・試験後には、自宅のパソコンから解説動画を見られる ・どの模試を受けるか悩んでいる人におすすめ |
サピックスの サピックスオープン | ・「サピックス」は、首都圏の難関校としてもひときわ実績を出している塾としても知られている ・問題のレベルが高い ・受験者のレベルが高く、偏差値は低くなる傾向 ・最難関校を目指す人に向いている |
日能研の 全国公開模試 | ・問題の難易度は標準 ・受験者数は、12000人程度 ・テスト結果は翌日にチェックできる(会員用webサイトから閲覧可能) ・受験生は日能研の生徒が中心 ・共有情報が豊富(成績・学校情報・弱点の克服方法など) ・中堅・上位校を目指す人におすすめ |
首都圏模試センターの 統一合判 | ・問題のレベルは比較的易しく、偏差値も高めに出る傾向 ・中堅校以下のデータがたくさん集まる ・中堅校以下を受験する人におすすめ |
子どもの学力や志望校に合うものを選ぶ
受験校にもレベルがあるように、それぞれの模試にもレベルがあります。
先に述べた「四大模試」で言うと、以下の表のようになります。
志望校のレベル | 受けておくと良い模試 |
最難関校 | サピックスオープン、合不合判定 |
難関校 | サピックスオープン、合不合判定、日能研 |
上位校 | 合不合判定、日能研 |
中堅校 | 日能研、統一合判 |
下位校 | 統一合判 |
子どもの学力や志望校のレベルに合った模試はどれなのかを考え、どの模試を受けるかを検討していくと良いでしょう。
ある程度同じ会社が行っているものを継続的に選ぶ
様々な種類の模試を受けることで模試の違いや傾向の違いを掴めますが、自身にとって主となる特定の模試は継続的に受けるようにしましょう。
模試によって偏差値の出方が異なるため、自身の成績の変化や伸びを知るには、同じ会社の模試を繰り返し受けることが大切です。
また、定期的に模試を受けることで、自身の学力と志望校のレベルとの差の変化もチェックできます。
差が縮まっていれば、それまでの勉強方法は良かったと判断でき、差が変わっていなかったり広がっていれば、今後の学習方法を見直したり、志望校選び自体を検討する必要が出てくるため、とても重要です。
学習方法の反省や見直しをして、コレと決めた特定の模試を継続的に受けていき、より効果的な学習をしていきましょう。
公立中高一貫校を受ける際は公立校対策の模試を受ける
中学受験をするのは、私立中学を受験する子だけではありません。
公立中高一貫校対策の模試としては、以下のようなものが挙げられます。
会社 | 模試名 |
サピックス | 学校別サピックスオープン |
四谷大塚 | 学校別判定テスト |
四谷大塚 | 公立中高一貫対策実力判定テスト |
日能研 | 公立中高一貫校適性検査テスト |
首都圏模試センター | 適性検査型模試 |
日本教材出版 | 公立中高一貫校適性検査対策模試 |
ena | 都立中学校別合判 |
早稲田アカデミー | 適性検査対応力判定模試 公立中高一貫校対策全国一貫模試 公立中高一貫校オープン模試 |
栄光ゼミナール | 公立中高一貫スタートテスト 公立中高一貫校適性検査対策模試 |
公立中高一貫校を受験する場合には、それ相応の対策がある模試を受けることが前提となります。
自分の受験形態に合った模試を積極的に受けるようにしましょう。
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学校別模試を受けて問題の傾向を知る
難関校対策として、学校別模試があります。
各学校の問題に寄せて出題されるため、志望校の問題の傾向や試験時間なども参考にすることができるのが特徴です。
学校別模試の対象として、サピックスの「学校別サピックスオープン」や四谷大塚の「学校別判定テスト」が挙げられます。
特定の学校を目指すライバルの中での自分の立ち位置を把握できるのも、学校別模試ならではです。
ぜひ、積極的に学校別模試を受けていきましょう。
模試を受ける際の注意点
模試を受ける際には、以下のことに気を付ける必要があります。
志望校合格に向け、模試を上手く活用しながら、日々の学習を進めていきましょう。
複数受ける場合、最も悪い結果を基準に考える
同じ時期に複数の模試を受けることがあるかもしれません。
そのような場合には、それぞれの模試で分かる結果が一番悪いものを基準に進路を考えるようにしましょう。
また、模試によっても偏差値の出し方は異なります。
少しでも不安な場合には、万が一のことを考えて滑り止めを上手に活用するなどして、対策しておくと良いでしょう。
模試の復習をおこなう
模試は受けたら終わりではありません。
模試の終了後には、答え合わせをして予想得点を算出してみましょう。
しっかりと丸付けできるように、あらかじめ問題用紙に回答をメモしたり、分からない問題には印をつけて分かるようにしておくことが重要です。
そして、受験後すぐに行うのがポイントです!
時間が空いてしまうと記憶があやふやになり、「なぜこのような解き方をしたのか」「この考え方になった理由はなにか」などを忘れてしまいます。
記憶が鮮明なうちに復習する癖をつけましょう。
不正解の問題を再度解きなおして分からない問題は塾の先生に質問するなど、しっかりと理解して次に同じ問題が出たときには正解となるようにしましょう。
こうした毎回の復習を繰り返すことで、偏差値アップにも繋がります。
模試を上手に活かして中学受験を乗り切ろう
模試を受けることは、受験本番の雰囲気を味わえるだけでなく、子どもの学力を把握して目標や努力すべき点などを具体的に確かめる手段としてとても有効です。
近年の中学受験事情としては、年々受験者数は増え、その分倍率も増えているのが現状と言えます。
志望校の合格率やたくさんいる受験者の中で、子どもの立ち位置を理解することができれば、今後の受験勉強の道筋にも大きな効果をもたらすでしょう。
そして何より、模試の結果が出るたびに子どもも親も一喜一憂し過ぎては、身も心ももちません。
良い意味で都合よく結果を捉えるようにし、モチベーションを上げていくのも一つの方法です。
最後になりましたが、模試の結果はあくまでも指標とし、それがすべてではありません。
志望校合格へのヒントと捉え、模試を上手く活用しながら志望校合格を手に入れましょう!