こんな方におすすめ
- 子どもを帰国子女枠で受験させたいと考えている方
- 帰国子女枠について詳しく知りたい方
海外滞在経験のある方は、子どもの進学について「帰国子女枠」にて中学受験をさせたいと考えている方も少なくないのではないでしょうか。
帰国子女枠での入試にチャレンジできることは、一般的な受験生と比べて大きなアドバンテージを持っていると言えます。
今回はそんな帰国子女枠での入試について、概要から志望校選びのポイント、入試に向けた学習方法までご紹介します。
帰国子女枠での中学受験について
帰国子女枠で受験をしたいと考えた場合、確認しておくポイントは何なのでしょうか。
ここでは、帰国子女枠として受験するための条件や、気になる受験科目などについて説明します。
受験の条件
帰国子女枠で受験する場合、各学校にて定められた受験資格を満たす必要があります
この資格は各学校によって異なりますが、おおむね以下のものが平均的な条件となっているようです。
- 海外滞在年数1年以上
- 帰国後2年以内
しかし学校によっては、帰国後の年数の枠を「3年以内」としていたり、海外滞在時の出身校の種類(インターナショナルスクールや日本人学校など)を既定に設けていたりする学校もあります。
また、滞在年数を「継続」なのか「通算」なのかという違いもあります。
帰国子女枠の資格条件は、各学校のホームページや入試要項などで確認することができますので、必ずよく確認しておきましょう。
また規定条件をわずかに満たしていなくても、学校によっては柔軟に対応してくれるところもあります。
気になる場合は学校に問い合わせてみると良いでしょう。
受験科目
帰国子女枠の受験科目は、基本的に「1~3科目(国語・算数・英語)の学力試験と作文または面接」となっています。
学力試験は学校によっては一般入試と同様に4科目(国語・算数・理科・社会)での受験だったり、自分で選択した2科目での試験のところもあるようです。
各学校によって面接内容や配点方法が異なるため、しっかりと確認しておきましょう。
入試の日程
一般の中学受験の出願・入試の日程が1〜2月なのに対し、帰国子女枠の入試の出願期間は10月〜12月、試験日は11月〜1月と、比較的早い時期に行われることが多いのが特徴です。
帰国子女枠での受験が終わったあと一般入試を受けるという方も少なくなく、「本命の一般入試に向けて、入試試験の雰囲気に慣れておくために」という意味で帰国子女枠を使って受験するという方もいらっしゃるようです。
このように帰国子女枠の受験資格がある方は、一般入試のみの受験生よりも多くの受験チャンスがあるという大きな強みがあります。
帰国子女枠で中学受験をする際の志望校選びのポイント
進学後、生活のほとんどの時間を過ごすこととなる学校。
親御さんの多くができるだけお子さんが健康的に、そして勉強に集中できる環境で過ごして欲しいと考えているでしょう。
ここでは帰国子女ならではの、志望校選びをする際にチェックしてほしいポイントをまとめます。
入学後の受け入れ体制・進学実績
入学後の帰国子女に対するフォローの有無やフォロー方法などは学校によってさまざまです。
- 帰国子女だけを集めたクラスを設け、さらなる英語力の向上を教育目標に掲げている学校
- 入学後しばらくは国語と数学は帰国子女のみで行うが、途中から一般生の授業に合流する学校
- 各学年に母国語が英語の担任が在籍しており、帰国子女ならではの悩みを打ち明けることができる学校
また学校によっては海外大学進学専門カウンセラーが在籍しており、国外の大学受験に対する手厚いサポートが受けられるところもあります。
将来的に海外の大学に進学できるよう英語力を伸ばしていきたいのか、それとも国内大学への進学も視野に入れ多種多様なことを幅広く吸収していきたいのか、子どもの希望を聞いた上で選ぶと良いでしょう。
学校の雰囲気・校風
学校の雰囲気や校風が、子どもの性格や特色に合っているかどうかも必ず確認しておきたいポイントです。
同じ帰国子女が集まるクラスだとしても、学校によってはおっとりとした子が多かったり、反対にハキハキとした子が多かったりと、その学校の特色によって大きく異なります。
こういった雰囲気・校風はパンフレットやホームページを見ただけではわからないことが多いため、オープンスクールや学校説明会などに参加して確認することが大切です。
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通学時間・経路
海外滞在期間が長いお子さんの場合、日本の公共交通機関の複雑さや混雑具合にびっくりしてしまうことも少なくありません。
帰国してからまだ間もないお子さんの場合は、慣れない土地での生活に精一杯の子もいらっしゃいます。
そのためあまりに長い通学時間や、複雑な経路を使って通う場合、行って帰ってくるだけでヘトヘトになってしまう可能性も考えられます。
「慣れれば大丈夫」と軽く考えず、学校説明会の際に実際のルートで通学してみるなどして、卒業まで無理なく通える学校かを必ず確認しておきましょう。
帰国子女枠で中学受験をする際の学習法
前述したとおり、帰国子女枠での試験方法は一般入試とは異なります。
いったいどのようにして帰国子女枠での中学受験に向けた学習をしていけばよいのでしょうか。
受験英語の取得方法
海外で生活していく上で使用する英語と、入試で必要とされる英語は異なります。
「英語は日常的に使用していたので、勉強しなくても問題ない」と考えず、文法、リーディング、ライティングなど入試に必要な英語をしっかりと学習しておくことが大切です。
学力試験の対策方法
海外に長く滞在していると、どうしても国語が苦手になりがちです。日頃から日本語の本や新聞に触れるなどしておくと良いでしょう。
また、算数や理科・社会は、海外の学校では教わらなかった範囲が試験に出題される場合があります。
複数教科で受験する場合は、学習塾や家庭教師を利用することも検討すると良いでしょう。
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面接対策方法
帰国子女枠での入試では、その子の価値観や、海外生活で体験したことを面接(もしくは作文)形式で問われることが非常に多いです。
自分の思いを言葉で伝えられるかがどうかとても重要なポイントとなるため、できれば海外滞在時から日記をつけることや、「どうしてそう思ったのか」を掘り下げて考えるクセをつけておくことが面接対策となるでしょう。
また、面接でよく質問されることをリスト化することや、ご家族で面接の模擬練習を行うのも大変おすすめです。
知っている人だとどうしてもふざけてしまうという場合は、普段あまり会わない親戚の方に協力してもらうもの良いでしょう。
帰国子女枠での入試は、早めの対策が合格のカギ!
一般の受験生よりも、受験チャンスの多い帰国子女枠での中学受験。
しかし出願時期が一般受験と比べて早かったり、各学校によって試験内容が異なったりと、早めに情報収集をして対策を練ることが合格へのカギとなっているようです。
お子さんの性格や将来の展望に合った学校を選ぶと、海外生活という貴重な経験を活かした上で、今後もますますお子さんの個性を伸ばしていけることでしょう。