こんな方におすすめ
- 赤本は何を使えばいいのかわからない
- 赤本の特徴やおすすめのポイントを知りたい
中学受験を成功させるためには過去問を活用して、入試問題の傾向を知ることは必須です。
通称赤本と呼ばれる中学受験の過去問には「声の教育社」と「東京学参」の2社から出版されています。
どちらを購入すれば良いかあまり深く考えていない方が多いかもしれませんが、それぞれに違いがあります。
そこで本記事では声の教育社と東京学参のそれぞれの特徴やおすすめのポイントを解説します。
赤本を上手く活用して中学受験を成功させたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
中学受験の赤本は大きく2種類
中学受験における赤本は主に「声の教育社」と「東京学参」の2社から出版されており、それぞれの特徴は以下の通りです。
「声の教育社」の特徴
声の教育社は昭和37年に創業され、入試の過去問集や受験に関する情報誌の発行をしています。
当初は、発行した「有名中学校入試問題集」は、男女御三家や慶応中等部、普通部、青山学院などの主要校のうち約30校の入試問題の解説や解答を掲載しており、業界で初めての取り組みでした。
創業から11年経った昭和48年に「もので伝えられないことを声で伝えていく」という思いから、”株式会社 声の教育社”として法人化しています。
2023年となった現在では、中学入試問題と高校入試問題でそれぞれ約250点ずつ出版しており、その数は計500点ほどです。
中学入試の定番とされ根強い人気を誇っています。
「東京学参」の特徴
東京学参は、昭和36年に創業され、昔から受験生のパートナーとして受験のサポートをしてきました。
主な出版物は以下の通りです。
- 塾用のテキストや教材
- 教科や偏差値別に選べる小学生高学年や中学生向けの問題集
- 中学、高校受験用の入試過去問集
- 公立高校や私立中学校、高等学校の入試ガイド、帰国性のための学校ガイド
上記のように、東京学参は受験生に向けて様々な過去問集に加えて一般書籍も発行しており、幅広く利用者からの支持、信頼・実績を築いています。
「声の教育社」のおすすめのポイント
声の教育社の赤本がおすすめのポイントは以下の通りです。
細かく解説している
1つ目は、細かく問題の解説が書かれている点です。
声の教育社では、1つ1つの問題に対して細かな解説が書かれており、自宅学習でも理解しやすくなっています。
赤本を使っての勉強は、学校や塾のように細かく解説してくれる人がいないため、答えを見ても理解しにくいケースが多いです。
その点、細かく解説が書かれていることで、自宅での学習でもお子さんの理解度が深まりやすくなるでしょう。
入試データが詳細
2つ目は、入試データの詳細が記載されている点です。
声の教育社は、倍率や合格者数、科目別の平均点数などの入試に関するデータが細かく記載されています。
赤本を使ってただ勉強をするだけでは、お子さんも何を目標にしていいのかわからなくなってしまうでしょう。
そのため、細かな入試データを参考にしながら勉強をすることで、お子さんがどの程度のレベルであれば合格できそうかが明確になり、モチベーションアップや志望校選びにも役立ちます。
得点を記載するページがある
3つ目は、得点を記載するページがある点です。
過去問を使った勉強で効果が薄れてしまう例として、何も考えずに過去問を解くだけのケースが挙げられます。
声の教育社の赤本では、過去問を解いた際の得点を記載するページが設けられているため、問題を解くごとに点数が上がっているのか、毎回同じような点数しか取れていないのかが可視化できるようになるのです。
国語の問題の掲載数が多い
最後は、年度によって差はありますが、国語の問題の掲載数が多い点です。
国語の文章問題は著作権の関係で本文を掲載できないケースがあります。
ただし、著作権不可だとしてもどちらの赤本にも問題文が掲載されていないわけではありません。
声の教育社の方が掲載数が多いですが、年度や学校にもよるので購入の際は国語の問題を確認することをおすすめします。
また、本文が未掲載の問題でも設問は書かれているため、ざっくりと問題の内容を把握することはできます。
「東京学参」のおすすめのポイント
声の教育社に対して、東京学参のおすすめポイントは以下の通りです。
掲載年数が多い
学校によって掲載年数が異なりますが、全体的に東京学参は声の教育社に比べて掲載年数が多くなっています。
掲載数が少ない場合、何度も同じ問題を解くだけになってしまうため、入試問題の傾向を知るには不十分です。
その点、東京学参の赤本は掲載年数が多いため、少しでも多くの問題を解き、入試問題に慣れておきたいという方にはおすすめです。
問題の難易度が記載されている
2つ目は、問題の難易度が記載されている点です。
東京学参の赤本では、全ての問題に「基本」「重要」「やや難」といった3つのレベルに振り分けられています。
問題ごとの難易度が記載されていることで、優先して勉強するべき問題と優先度を下げても支障が出ない問題の区別がつきやすく、効率の良い勉強が可能となります。
前年度の重要問題がピックアップされている
3つ目は、前年度の重要問題のピックアップです。
東京学参の赤本には「前年度の合否を分けた問題」が各教科で1問や2問程度ピックアップされています。
前年度の傾向やつまづきそうなポイントを把握しておくことで、事前対策が取りやすく、より効果的な勉強が可能となります。
過去問の使い方を解説している
東京学参では過去問の活用方法を解説したページが用意されています。
そのため、過去問の目的や開始時期、使い方などを知ることができます。
初めて過去問を使って勉強する方にはありがたいでしょう。
赤本の選び方とは
前述したように、声の教育社の赤本も東京学参の赤本も、それぞれ特徴が異なるため、どちらを選べばいいのかわからないという方もいるでしょう。
そこで、赤本を選ぶ時にはどのように選ぶべきなのか、解説していきます。
掲載されている問題数を比較する
1つ目の方法は、掲載数で選ぶ方法です。
赤本によって掲載されている問題数が異なるため、1冊でこなせる過去問の量に差が出てしまいます。
ひたすら多くの問題を解いて入試問題に慣れておきたい場合は、掲載されている過去問数で選ぶと良いでしょう。
解説のわかりやすさで比較する
2つ目の選び方は、解説のわかりやすさです。
量を解いたとしても、1つ1つの問題の理解度を深めなければ点数が伸び悩んでしまうことがあります。
特に赤本のように自宅で行う勉強の場合、解説してくれるのは赤本のみとなってしまうため、お子さんの理解度を深めて効果的な勉強をしたい場合は、解説のわかりやすさで選ぶと良いでしょう。
塾から指定された赤本を使う
3つ目は、塾から指定された赤本を使うです。
塾は中学受験におけるプロであり、数多くの合格者を輩出しています。
そのため、志望校ごとに適切な赤本は何かを指定してくれるでしょう。
もし「どの赤本を選べばいいのかわからない」という場合は、塾から指定された赤本や自ら塾の講師に聞きに行き、おすすめの赤本を教えてもらうことをおすすめします。
適切な赤本を使って志望校に合格しよう
今回は、中学受験における赤本について、声の教育社と東京学参のそれぞれの特徴を解説しました。
声の教育社も東京学参もそれぞれメリットがあるため、赤本を使う目的や志望校によってどちらの赤本が適切かが異なります。
また、ただ赤本を使って過去問を解けば良いというわけではなく、赤本を通して入試問題に慣れたり理解を深めたりと効果的な活用が必要です。
そのため、本屋などで赤本の実物を見てよく比較することをおすすめします。
お子さんに合った赤本を選び、少しでも志望校の合格に近づけるように、何か困ったときは塾の講師の方に相談してみると良いでしょう。