こんな方におすすめ
- 落ち着きがなく、じっとしていることができない
- どう対処したら、落ち着きがない子が治るのかがわからない
担任の先生に「落ち着きがありません」と指摘されて、「どう接したらいいのか分からない」「叱っても治らない」などと悩んでいませんか?
今回は、落ち着きがない子どもの叱り方と効果的な接し方を紹介します。
叱るだけでは直らない
他の子どもはみな落ち着いて座っているのに、我が子だけが椅子に座らずに走り回っていたりすると、他のお母さんの視線が気になったり、恥ずかしく思ったりしてしまいますよね。
特に男の子は落ち着きがなく、いつも動き回っている子も多く見られます。
子どもが落ち着きかないのには、理由があります。
理由がわ分かれば、適切な対処の仕方も分かるので、まずは「なぜ落ち着きがないのか?」を突き止めましょう。
その上で、適切な接し方や叱り方で根気良く対処し続けていけば、ほとんどの子どもは大きくなったら落ち着きます。
落ち着きのなさは、叱るだけでは改善されません。
日頃から子どもが落ち着けるような接し方を心がけたり、環境を整えたりすることをおすすめします。
自分の周りの大人を見渡してみると、大人になっても落ち着きがなく、うろうろと歩き回っている人はまずみかけませんよね。「いずれは落ち着く」とどっしりと構えましょう。
落ち着きがない原因
子どもに落ち着きがない場合には、次に挙げる原因が考えられます。
好奇心が旺盛
このタイプの子どもは、好奇心がとても旺盛で、見るもの聞くものに興味がつきず、じっとしていることができません。
知的欲求が強い、ということでもあるので、興味を持ってもすぐに行動することを我慢できるようになるまで、気長に見守りましょう。
親や先生の関心を引きたい
親にかまってもらいたかったり、先生から認めてもらいたかったりして、騒いだりじっとしなかったりする場合があります。
下に兄弟が生まれたことがきっかけになることも多いので、その場合は叱らずに心のケアに努めましょう。
ストレス・情緒不安定
子どもは大人のように、ストレスを発散することができないので、「イライラしてかんしゃくを起こす」「多動になる」「おねしょ」「爪かみ」「腹痛」などの症状が現れる場合があります。
脳に特徴がある(ADHD)
「ADHD」とは「注意欠損多動症」のことです。
年齢や発達に見合わない「不注意」「衝動性」「落ち着きのなさ」などが見られ、「日常生活に悪影響を与えている状態が半年以上続いている」場合に診断されます。
生まれつき脳に特徴があることが原因で、親の育て方や本人の努力不足ではありません。
児童全体の5~10%の子どもに見られる、と言われています。
完治することは難しいですが、成長するにつれて自然と症状が目立たなくなったり、親や周囲の適切な対応によって症状が目立たなくなったりする場合も多く見られます。
「ADHDかも・・・?」と思ったら、発達障害者支援センターや子どもの発達障害を専門とするクリニックに相談するといいでしょう。
落ち着きがない子どもに効果的な叱り方
子どもの落ち着きがない態度にイライラして、感情的に叱っても効果はありません。
落ち着きがない子どもには次の5つの叱り方をおすすめします。
ポジティブな叱り方をする
否定的や命令形で叱らずに、叱る理由を説明して、「なぜ叱られているのか?」を理解させましょう。
「走ってはダメ!」ではなく、「走るとぶつかってあぶないから歩こうね」と声をかけると子どもは納得して耳を傾けます。
繰り返し根気良く叱る
もともと子どもは言われたことを1回で改善することはできません。
「何回言えばわかるの!」とイライラせずに、根気良く続けましょう。
叱ったことができたら褒める
「叱ったこと」ができるようになったら、当たり前のことでもたくさん褒めましょう。
子どもは親に褒められると喜びや愛情を感じ、心が安定します。
短い言葉で叱る
難しい言葉や長々とした指示は理解できないので、短い言葉で端的に叱りましょう。
視覚で伝える
子どもは大きく分けて情報が目から入りやすい視覚優位タイプと、耳から入りやすい聴覚優位タイプに分かれます。
視覚優位タイプの場合は、「あぶないから止まりなさい!」と言われても足が止まりませんが、「危険!とまれ!」の標識を見るとピタリと止まります。
視覚優位タイプには、言葉で叱るより絵に描いて言いたいことを伝えると、すんなりと理解する場合があります。
10秒待つ
好奇心が旺盛な子どもの場合は、好奇心を満たせるよう10秒待ちましょう。
とくに男の子は、あっちにうろうろこっちにうろうろする場合がありますが、10秒あると好奇心が満たされ、気持ちが落ち着くと言われています。
もちろん、事故やけがなどにつながりそうな行為の場合は、すぐにやめさせましょう。
落ち着きがない子どもに対する接し方
落ち着きがない子どもに、落ち着きなさい!と叱っても効果はありません。
落ち着きがない子どもに対しては、以下の接し方を心がけると、だんだんと落ち着いてくるでしょう。
安心できる環境を整える
落ち着きがない子どもは、音などの刺激に敏感なことがあります。
まずは精神的にいつも落ち着いていられるよう、静かでキチンと片付いた環境を整えましょう。
良い部分はしっかりと褒める
落ち着きがない子どもは、周囲から叱られることが多く自己否定感を抱きがちです。
長所をしっかりと褒めると自己肯定感を持ち、精神が安定する場合があります。
見通しが持てる声かけをする
落ち着きがない子どもの場合、その場のことに興味が持てずに体が動いていることがあります。
「○時になったら終わるから、それまでがんばってみようね」など、見通しが持てる声かけをすると、落ち着いて時間まで過ごしやすくなります。
その子にあった叱り方を
子どもに落ち着きがないのには原因があるので、頭ごなしに「落ち着きなさい!」と叱っても治りません。
原因を把握して、その子に合った接し方や叱り方を根気良く続けると、次第に落ち着くようになります。
1回叱っただけで治るものではないので、あせらず根気良く対処しましょう。
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