こんな方におすすめ
- 受験生の睡眠時間はどうやって確保すればいいの?
- 小学生の睡眠時間はどのくらい必要なの?
十分な睡眠時間は、子どもの健やかな成長に欠かせません。
しかし、そうはいっても受験期は課題が終わらず夜更かしをしてしまったり、ストレスや緊張から寝つきが悪くなってしまったりするものです。
今回は、受験生に必要な睡眠時間とその理由、そして良質な睡眠を確保するヒントを紹介します。
中学受験期に必要な勉強時間についてはこちらの記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
中学受験の勉強時間はどれくらい必要?6年生の勉強時間と時間の確保の仕方は?
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小学生に必要な睡眠時間はどれくらいなのか
子どもにとって睡眠時間が重要なのは良く知られています。
実際にどれくらい寝たらいいのか、寝不足はどんな弊害を生むのかを具体的に見てみましょう。
小学生に必要な睡眠時間
米国立睡眠財団の「推奨睡眠時間」によると6~12歳の理想の睡眠時間は9~11時間とされています。
一方、内閣府「平成27年度 子ども・若者白書」では小学生(10歳以上)の起床時間(平日)は6時38分、就寝時間(平日)は21時57分となっており、そこから推測される睡眠時間は約8時間40分です。
日本の子どもは平均して約20分間、睡眠時間が足りません。
これはあくまで平均値なので、特に忙しい受験直前の子は睡眠時間が足りていないことが予想されます。
受験期の子に睡眠時間が必要な理由
睡眠は人間が健康に生きるために不可欠なものです。
特に受験期を迎える子どもにとって睡眠不足は多くの悪影響があります。
睡眠不足による悪影響
- 成長ホルモンの分泌が阻害され、発育が遅れる
- 疲労がたまる
- 疲れやすくなる
- イライラしやすい
- 免疫力が下がる
- 眠くて集中できない、注意力散漫
- 代謝が悪化して肥満になりやすくなる
- 記憶力が悪くなる
とくに受験生にとっては学習面での悪影響が心配です。
睡眠中の脳は日中に勉強した内容を整理して記憶として定着させていると言われています。
睡眠時間が短いと日中に集中して勉強できないうえ、記憶の定着もしにくくなるという悪循環に陥ってしまうので注意してください。
「勉強がすすまない!睡眠時間を削ってもっともっと勉強しなくては!」などという悪いサイクルに嵌ってはいけません。
受験生の睡眠時間をしっかり確保するためには
子どもには睡眠時間が必要なのは分かるけれど、忙しい、眠れないなどの事情がある場合、どうすればいいのかについて紹介します。
取り入れやすいものから取り入れてください。
寝る時間を固定。質よりも量!
睡眠時間を確保するためには「寝る時間」と「起きる時間」を固定するのがおすすめです。
「問題集を〇〇ページやってから寝る」「塾の宿題が終わってから寝る」では、就寝時間が安定しません。
「〇時に寝る」と決めたらそれを徹底しましょう。
「宿題が終わらない!」と思うかもしれませんが、案外「〇時までに終わらせなくちゃいけない!」という環境で取り組むと終わるものです。
逆に制限時間を設けないとダラダラしてしまいます。
十分な睡眠時間を確保できない程課題が多い場合は生活全般を見直したり課題そのものを調整したりしましょう。
受験生は体つくりや記憶定着のために、「寝るのも受験対策」と考えてください。
宿題で寝不足になって授業に集中できないのでは本末転倒です。
休日もなるべく同じサイクルで
休日の前日に夜更かししたり休日の朝は朝寝坊したりするのは楽しいですが、おすすめできません。
生活リズムを乱すのは簡単ですが、立て直すのは大変です。
「いつも頑張っているから週末くらい……」と思うかもしれませんが、その「週末くらい」が平日の就寝・起床の大変さを増している可能性があります。
「週末くらい」のご褒美は余暇時間を多くとるなどにしましょう。
夜食はほどほどに
夜も勉強を頑張る受験生には夜食の差し入れをしたくなるものです。
しかし、夜食で胃腸に負担をかけてしまうと寝つきや睡眠の質が悪くなってしまいます。
消化しきれないと朝の食欲も奪ってしまいかねません。
夜食は消化に良いものを少量だけ、あまり遅い時間の食べないのを心がけてください。
おじややうどん、ヨーグルトなどがおすすめです。
ホットミルクや柚茶、野菜スープ、ハーブティーなどの飲み物は消化の負担が少なく、体も温まります。
反対に油分が多かったりハイカロリーだったりするものは避けてください。
体質にもよりますが、繊維質が多いものも寝る前に摂ると消化器が活発になり過ぎて寝つきを阻害します。
寝る前はブルーライトを避ける
ブルーライトは睡眠を促すホルモン、メラトニンの分泌を抑制して脳を興奮状態にしてしまうので寝る2時間くらい前から見ないようにしましょう。
とくにスマホやタブレットなど、近くで見ることを想定している物は注意してください。
ブルーライトカットの設定やアクセサリーもありますが、「見えにくい」と感じて画面の明るさを上げてしまうと意味がありません。
やむえず夜に端末を見る場合は、明るい部屋で使用するのを心がけてください。
また、枕元に端末を置くのをやめましょう。夜中に眠れなくて見てしまったり時間確認に使ってしまったりするのは良くありません。
入浴する
寝る1~2時間前に入浴しましょう。
40度程度の湯舟にゆっくりとつかってください。
リラックスでき、副交感神経が高まって眠りに入りやすくなります。
シャワーで済ます習慣が出来上がっていると入浴を面倒に感じるかもしれませんが、入浴には睡眠以外にも良い効果がたくさんあるので、なるべく湯舟につかってください。
安眠グッズを利用する
ピローミスト、マッサージ、抱き枕などの安眠グッズを取り入れてみましょう。
親が「これを使うとよく眠れるよ」と暗示をかけて与えることで効果が倍増するかもしれません。
寝具を見直すのもおすすめです。意外と見落としがちなのがパジャマです。
Tシャツ・短パンなどで寝ている子もいるかもしれませんが「横たわる」ことを前提としてデザインされているパジャマは「立っている」ことを前提とした普通の服よりも体がリラックスできます。
また、鼻炎や花粉症など、鼻づまりで眠れない子におすすめなのが「たまねぎ」です。
たまねぎのツンとしたニオイの元である硫化アリルは鼻の粘膜の炎症を抑える効果があり、鼻呼吸を楽にします。
鼻が詰まり気味の子は枕元にスライスした生のたまねぎを置く民間療法を試してみてください!
家族みんなが早寝する
子どもが寝る時間を家庭の消灯時間としましょう。
いくら静かにしていても、家の中で起きている人間がいると気配が気になるものです。
家族全員で電気を消し、布団に入ってしまうと子どもも「寝るモード」になるしかありません。
家族構成や各家庭の事情によっては難しい部分もあるかもしれませんが、子どもにだけ「早く寝なさい」と言っておきながら大人が夜更かししている環境は子どもにとって納得しがたいものがあります。
どうしても十分な睡眠時間がとれない時はどうすればいいか
子どもが早寝を嫌がる、朝起きてこない、寝つきがとても悪いなどという時は外部機関も頼りましょう。
寝る・起きるを嫌がる場合は話を聞いて
子どもが夜更かしをしたがる場合、それは「ただのわがまま」や「頑張り屋さん」とは限りません。
「明日が来るのが怖い」「どうせ布団に入っても寝付けない」「ライバルに置いていかれてしまう」など、子どもなりに切実な悩みがあります。
頭ごなしに「寝なさい!」「起きなさい!」と言うのではなく、しっかりと話しを聞いてあげましょう。
そして、悩みが深刻で、本人では解決できないようならばしかるべき機関に相談をしてください。
睡眠障害はうつやノイローゼの引き金になったり初期症状だったりします。
専門機関に相談をする
子どもの悩みが深刻だったり眠れなくて苦しんでいるようだったりするのならば専門機関に相談してください。
睡眠障害は悪化すると厄介です。
スクールカウンセラーや小児科、神経科、精神科などが力になってくれます。
医療機関を受診した場合でも睡眠薬を処方されることはほぼありません。主にカウンセリングで改善を目指します。
まとめ|受験期だからこそ睡眠時間を大切にしよう
受験期の理想の睡眠時間は9~11時間です。
しかし、足りていない子が多いのが現状です。
勉強は量よりも質を優先させましょう。
十分な睡眠時間を確保するのも受験対策のうちです。
子どもに睡眠障害の気配がある場合は「とにかく布団に入れる」のではなく、気持ちを聞いてあげてください。
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