こんな方におすすめ
- 子どもを中高一貫校に入れたいと考えている方
- 自分の子がどんな学校に向いているか知りたいと考えている方
- 中間一貫校の受検方法について知りたい方
「中高一貫校」とは、中学校と高校が一体となった教育機関のことで、入学してから卒業まで同じ学校で学ぶことができることが大きな特徴です。
中高一貫校には大きく分けて「私立中高一貫校」と「公立中高一貫校」の2種類あります。
自由な校風や、宗教授業があるなど、学校ごとに独自の教育方針や施設の充実度、特色が大きく異なる私立中高一貫校に対し、公立中高一貫校は高い進学率と、授業料が安価なところが大きな魅力です。
では、この「私立中高一貫校」と「公立中高一貫校」それぞれ一体どんな子が向いているのでしょうか。
今回は「公立中高一貫校」に向いている子について、ご紹介します。
公立中高一貫校の受検方法って?
公立中高一貫校では「受験」ではなく「受検」という用語を使用します。
こちらは、「学校教育法施行規則」の規定により、偏差値の学校格差を助長しないように、「入学者選抜に当たって学力検査を行わないものとする」と定められているため、試験を受けることで入学者を選抜することができないからです。
では、公立中高一貫校は、いったいどうやって入学者を決定しているのでしょうか。
公立中高一貫校では、その学校に適している子かどうかを、検査をすることによって判断し、入学者を決定しています。
そのため公立中高一貫校では、ただ学力が高ければ入学できるというものではなく、その学校の教育方針などに馴染めるかをチェックされます。
つまり、「公立中高一貫校に合格できる子=公立中高一貫校に向いている子」とも言えるでしょう。
では、公立中高一貫校の受検とはどのような内容なのでしょうか。
調査書(報告書)
調査書とは通っている小学校の先生が作成する書類で、各教科の評定や学校での生活の様子、出欠状況などが記載されたものです。
受検する学校によって報告の対象となる期間が異なるため、前もって必ず確認しておきましょう。
適性検査
適性検査とは私立中学受験で行われる、学力試験の代わりとなるものです。
統計や図から情報を読み取ったり、文章を読んだ上で自分の考えを説明したりと、教科の垣根を超えた「教科横断型」と呼ばれる問題が出題されます。
作文
問題用紙の内容を読み、その文章に対しての自分の考えを原稿用紙1枚程度記述する問題です。
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面接
一部の学校で取り入れられている方法です。個人面接やグループ面接など学校によって形式が異なります。
以上が公立中高一貫校の受検内容です。
このほか、出願時に「入学を志願した理由」や「今までに頑張ったこと」を受検者本人が直筆で作成する「志願理由書」が必要になります。
学校によっては、面接の際にその志願理由書に沿った質問をされることもあります。
公立中高一貫校に向いている子って?
ここまでは公立中高一貫校の受検について説明してきましたが、実際に公立中高一貫校に向いているのはどんな子なのでしょうか。
集団生活が好きで、協調性がある子
公立中高一貫校では入学してから卒業するまでの長期間、同じクラスメイトと一緒に過ごすことになります。
さらに公立中高一貫校では学校行事に力を入れているところが多いため、誰かと話し合いをする機会はとても多いです。
そのため人と話し合うことが好きな性格や、自分の思っていることをきちんと言葉にできるなど、集団生活が好きで協調性がある子は入学後もスムーズに学校生活に慣れることができるでしょう。
リーダーシップを取れる子
東京都教育委員会のホームページに、都立中高一貫教育校のことを説明したページがあり、そこには以下の記述があります。
1 都立中高一貫教育校とは
6年間の一貫教育の中で、社会の様々な場面、分野において人々の信頼を得て、将来のリーダーとなり得る人材を育成することを目的とする学校です。
引用元:都立中高一貫教育校(中等教育学校及び併設型中高一貫教育校)とは|東京都教育委員会ホームページ
学校側としても、リーダーになる素質のある子を求めているということですね。
そのため、クラスの代表委員などの経験があるなど、周りを引っ張っていけるようなリーダーシップのある子であれば、入学後も学校の方針にも馴染みやすいでしょう。
好奇心旺盛な子
気になったことは人に聞いてみたり、自分で調べる好奇心の旺盛な子は公立中高一貫校に向いています。
なぜなら、問題文を読んで自分の考えを書く「適性検査」では、探究心や自分で考える力が非常に重要だからです。
日常的に「なぜ?」「どうして?」と、人に聞き、考える癖がついている好奇心旺盛な子は、非常に有利だと言えるでしょう。
また、適性検査では自分の経験を元に文章を書く問題も出題されます。
野外活動など、実際に経験した思い出の中でも、特に興味や関心を持ったことは中々忘れないものなので、回答時の大きな助けとなってくれるでしょう。
基礎学力のある・文章を書くのが好きな子
公立中高一貫校の適性検査は、私立受検の入試問題のように小学校の学習範囲を超えた問題が出題されることはありません。
しかし、小学校の学習範囲で習った総合的な内容が出題されるため、基礎的な学力を持っていることは非常に重要です。
また適性検査では、統計グラフや表などを見て読み取った内容から自分の考えなどを書く問題などが出題されます。
自分の考えを文章で表現できる子や、文章を書くのが苦にならないという子は力を発揮できるでしょう。
集中力があり、粘り強い性格な子
中学受験と言うと、「天才的なひらめき力」を持った子どもがするものというイメージの人も多いのではないでしょうか。
実は公立中高一貫校には、そんな天才的なひらめき力よりも、集中力や粘り強さのある子の方が向いています。
公立中高一貫校の受検で必要となる適性検査には、図解の問題や、記述問題など、問題解決に向かってじっくりと考えて解く必要がある問題が数多く出題されます。
そのため、短時間では解けない問題にもしっかりと向き合い、腰を据えて考えられる子が向いているのです。
「向いているかも!」と思ったら、ぜひ見学へ
今回は、公立中高一貫校に向いている子の特徴をご紹介しました。
効率的に大学受験に向けた勉強に取り組めることや、クラスメイトと6年間一緒の学校で過ごすため、そこで出会った友人と一生の友達になる可能性もあることが、中高一貫校の魅力的なポイントです。
この記事を読んで、「うちの子は公立中高一貫校に向いているかも!」と思った方は、ぜひ一度、公立中高一貫校の見学に行ってみてはいかがでしょうか。