こんな方におすすめ
- 中学受験を考えているが「どのような働きかけをしたらいいのか?」が分からない
- 低学年への「効果的な声掛け」が知りたい
子どもが低学年のうちは、受験までの期間が長い上に、勉強することも高学年のようにたくさんはありません。
小さい頃から勉強、勉強と叱咤激励するのは逆効果、と分かってはいるけれど、「ではどのような働きかけが効果的か?」がわからずに、不安に思う保護者の方が多いのではないでしょうか?
今回は中学受験に対して効果的な、小学年低学年の親の働きかけ方を紹介します。
低学年は勉強の土台をつくることが大切
低学年の小学生が自分一人で目標に向かってスケジュールを組み、それに向かって取り組むことはまだ困難なので、親がサポートする必要があります。
親は中学受験に対して短期・中期・長期の目標を立てて、場合によっては修正しながら子どもをサポートしましょう。
小学校低学年のうちは、ドリルなどをたくさんやりこむのではなく、勉強の土台をつくることが大切です。
すぐに効果があることではありませんが、高学年になって受験勉強に本格的に取り組むために最重要なことなので、あせらずコツコツとがんばりましょう。
小学校低学年の親の働きかけ方
中学受験に対する、小学校低学年の親の効果的な働き方を、9つ紹介します。
1.家庭で学ぶ習慣を身につける
小学校低学年のうちは、勉強をすることよりもコツコツ勉強する習慣を身につけることが大切です。
低学年のうちは勉強は個室ではなく、リビングでする習慣をつけましょう。
リビングで勉強すると、親は子どもの様子がよくわかるので、集中力が切れたりわからないことで詰まったりしている時などに、適切なタイミングで声かけをすることができます。
子どもも親の目があるので、ゲームや遊びなどの他のことに興味を移しにくく、勉強に集中しやすくなります。
2.計算力と国語力を身につける
低学年のうちには、計算力と国語力をつけておくことが大切です。
国語の文章を読み解く力は、小学3年生までの間につけておくと後で大きなアドバンテージとなります。
早く正確に文章を読み解けることができると、国語以外の教科にも役に立ちます。
また、低学年のうちに漢字と語彙力をしっかりと身につけておくことも大切です。
テキストは市販の漢字練習帳で大丈夫。
日常会話で「てにをは」や「正しい日本語」を意識して会話することを心がけます。
算数は、四則計算と単位換算をマスターしておきましょう。
「時間・分・秒に置き換える」練習と、「量や広さの単位」を低学年のうちにマスターしておくと、高学年で算数が難しくなった時に役に立ちます。
図形は、折り紙や積み木・立体パズルで平面・立体の図形に慣れておきましょう。
算数は分からないことがあると、その後に学習することも分からなくなります。
分からないことがないよう、苦手なことがあったらしっかりと復習しておく必要があります。
3.地理・歴史は遊びから
地理や歴史は、漫画日本史や歴史新聞でマンガから入るのもおすすめです。
「勉強をしている」という意識がなく、低学年でも楽しみながら歴史を学ぶことができます。
4.「なぜか?」「AだからBになる」という答え方を身につける
上記でも触れたように、近年の中学受験問題では全教科で文章問題が増えています。
日頃から「なぜ、こうなるのか?」「AだからBになる」という理論的な答え方ができるようにサポートしましょう。
子どもが自分の意見を言う時に「なぜそうなるの?」と声かけをすると効果的です。
分かりやすい説明ができたら「分かりやすかった!」「よく説明できたね!」と褒めてあげましょう。
5.読書の習慣をつける
低学年のうちに読書の習慣をつけると、読解力を身に付けやすくなります。
近年の中学受験では、どの教科でも文章問題が出されることが多いので、読解力を身につけることは受験に大きなプラスとなります。
読み聞かせや音読も併せて行いましょう。
読み聞かせは、小さな頃から行っていると読書が好きになりやすく、読解力もつきやすくなるのでおすすめです。
音読は目だけでなく耳からも言葉を覚えるので、読解力を身につけるのに効果的です。
6.勉強を嫌い・苦手だと思わせないようにする
小学校低学年のうちから勉強に苦手意識を持ってしまうと、高学年での受験勉強をやり遂げることは苦痛が大きく、難しくなってしまいます。
苦手意識を持たないようにするためには、叱らないこと、褒めることが大切です。
「勉強しなさい」は禁句。
「結果」ではなく「がんばった過程」を評価して、褒めて子どもの自己肯定感を高くしましょう。
目標は、はじめはクリアしやすいものを選びましょう。
クリアして達成感を得ると「勉強することが楽しい!」と思えます。
「達成して、次の目標にチャレンジする」を繰り返すと、低学年のうちに学び続ける楽しさを覚え、勉強に対するモチベーションが維持できます。
7.体力をつけておく
子どもが低学年のうちは、勉強だけでなく、スポーツなどで身体を動かし、体力をしっかりとつけておきましょう。
高学年になって受験勉強が追い込みになると、運動をする時間が取れなくなります。
体力がないと集中力も維持しにくく、勉強に全力で打ち込めません。
8.子どもに中学受験の意欲を持たせるよう働きかける
通信教育や出版などを行うベネッセの調査によると、「将来や進路について話をする子どもの方が、勉強時間が長く、自主的に勉強する子どもが多い」というデータが出ています。
将来や進路について、日頃から話をするようにしましょう。
低学年のうちから子どもが自分から「受験したい」と思うことはほとんどありません。
受験する中学校に興味を持ち、「入ってみたい」と思うことができると、受験のモチベーションとなります。
子どもが好きなスポーツや興味を持っている分野に強い学校を見つけて、「こんな学校があるよ」と教えてあげたり一緒に見学に行ったりすれば、子どもがその中学に興味を持つように働きかけることもできるでしょう。
9.実体験を積んでおく
実体験は記憶に強く残り忘れにくいので、後に社会や理科の勉強に役に立ちます。
博物館、美術館、動物園、植物園、プラネタリウム、天体観測などに行き、低学年のうちにできるだけ実際に体験しておきましょう。
体験した後に、感想や学んだことをノートに書くことも大切です。
親も一緒に感想を述べると、楽しかったできごととしてより記憶に残ります。
目をキラキラさせて取り組む子どもに
低学年のうちは、基本的な習慣を身につけながら日々の生活をしっかりと楽しみ、子どもの好奇心の芽を詰まないよう心がけましょう。
好奇心がなくなり惰性で勉強するようになってしまうと、新しいことを学んでも感動が少なくなり、中学受験に対するモチベーションが保てなくなる場合もあります。
「勉強に関係なさそう」と思って子どもが興味を持ったことを押さえつけることがないように注意し、子どもをしっかり支えてあげましょう。
低学年は勉強の土台を作ることを意識して
子どもは自分から中学受験に対してスケジュールを立て、積極的に取り組むことはできません
そのためには、親のサポートが必要です。
低学年のうちは、勉強そのものよりも、勉強の土台をしっかりとつくることが大切です。
子どもの好奇心を押さえつけないよう注意して、学ぶ習慣をつけながら、「学ぶことは楽しいことだ」と思えるよう、コツコツと導くことが重要です。
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